《 2. 新聞のスクラップ帖 ( 6月16日以来の、千葉日報の記事 ) 》
今回は、中断した3.番目の、「 6月27日 日本の決定に驚く米国の記事 」の続きです。
3. 6月27日 日本の決定に驚く米国の記事
4. 7月 9日 河野防衛相による、敵基地攻撃に関する説明
5. 7月10日 河野防衛相による、北朝鮮の攻撃手段多様化に関する説明
6. 7月16日 敵基地攻撃で、公明党が自民を牽制
7. 7月23日 自民党がヒヤリングした、有識者4人が肯定的回答
まず、大きな活字で印刷された「見出し」を転記します。
「米、日本の決定に波紋」「代替案も多額の費用」「イージス・アショア断念」
記事の書き出し部分を、そのまま転記します。
「日本政府による『イージス・アショア配備計画』断念が、」「米国内で波紋を広げている。」「トランプ政権は表向き、同盟国日本の判断を尊重する構えだが、」「多くの専門家らは、想定される代替案の方が、」「多額の費用がかかると疑問視。」
冒頭から、米国側の意見を伝え、日本の考えについて批判の姿勢を見せます。記事の内容は、リスク、コスト、危機感の3項目で整理し、下記の通り、米国の専門家の意見を紹介しています。
1. リスク面からの考察
・米ランド研究所 ジェフリー・ホーナン研究員
・カーネギー国際平和財団 ジェームス・ジョフ上級研究員
2. コスト面からの考察
・米ランド研究所 ジェフリー・ホーナン研究員
・カーネギー国際平和財団 ジェームス・ジョフ上級研究員
3. 危機感の面からの考察
・戦略問題研究所 トム・カラコ ミサイル防衛専門家
・ケイトー研究所 エリック・ゴメス 国防政策部長
6月16日の政府発表から、わずか11日後に、これだけの米国専門家の反対意見を集め、記事にすると言うのですから、流石に世界トップクラスの同盟通信社です。記事の扱いの大きさと共に、その手回しの良さに、不思議な違和感があります。
昔から米国には、日本を警戒し否定する勢力と、日本と協力しようとする二つの勢力があります。調べてみないと断定できませんが、「敵の敵は味方」と言う理屈で、共同通信社は、アメリカの勢力と結びついたのでしょうか。同社に客観的報道をする気があるのなら、日本の専門家たちの意見も聞き、並べて報道すべきでしょう。紙面が足りないのなら、二回に分けて、掲載すれば良い話です。
この記事をどう叙述すれば、息子たちと、「ねこ庭」を訪問される方々へうまく伝えられるか、頭を悩ませます。読む方には、面倒かもしれませんが、上記1.2.3.の順番通り、米国専門家の意見を紹介することにします。
1. リスク面からの考察
・米ランド研究所 ジェフリー・ホーナン研究員
「明確な代替案なしに、計画を取り消すことは、日本の防衛を危険に晒す。」「 ( 日米当局間で、十分に調整した結論でないため、 ) 、日米間で混乱が生じている。」
・カーネギー国際平和財団 ジェームス・ジョフ上級研究員
「北朝鮮のミサイルで、大都市が攻撃されるよりも、」「ブースターが、自衛隊基地の周囲に与える損傷の方が、」「はるかに被害が軽い。」「なぜ、リスクを受け入れないのだろうか。」
(「米政府内では、ブースター以外に、別の断念理由があのではないかと、」「いぶかる声も、一部では出ていると言う。」)
記事を読んでいますと、計画断念を決めた日本が、いかにも危機感がないように受け取れます。ブースターの落下による基地周辺住民の被害と、核兵器による大都市の被害を並べれば、確かにそうなります。しかし共同通信社は、そう言う危機的状況を、日頃日本国民に知らせていたのでしょうか。朝日新聞やNHKと共に、「中国や韓国・北朝鮮を刺激してはいけない。」と、報道の自粛をしていたのは、彼ら自身です。
まるで他人ごとのように、米国専門家の意見を紹介する神経は、どう言うものなのでしょう。中国による尖閣の領海侵犯など、これまでどのくらいの頻度で、どのくらいの警戒記事を発信したのか。私にすれば、笑わせるな共同通信社よ、と言いたくなります。
2. コスト面からの考察
・米ランド研究所 ジェフリー・ホーナン研究員
「代替案になりうる、『最新鋭迎撃システム』や」「海上施設建設による、『イージス・アショア配備』も、」「多額の費用がかかる。」
・カーネギー国際平和財団 ジェームス・ジョフ上級研究員
「敵基地攻撃の場合も、基地だけでなく、移動式発射台を補足するシステムなどに、」「多額の投資が必要になる。」「防衛予算の、最善の使い方でないのかもしれない。」
防衛計画の詳細は国家機密ですから、こうした米国の専門家に、具体的な反論はできません。そのようなことをすれば、敵対国を喜ばせ、防衛計画の意味がなくなります。多額の費用がかかるとか、防衛予算の最善の使い方でないとか、余計な干渉はするなと、共同通信社の記者には、一言苦言を呈するくらいの愛国心はないのでしょうか。どこまで信憑性があるのかも確かめられない、素人記者が、受け売りだけで記事を書く間違いと、危険性に、なぜ気づかないのか。私にはその方が、問題です。
息子たちに言います。こう言う最もらしい記事にこそ、私たちは騙されてはいけません。
「私は決して騙されない。オレオレ詐欺と共同通信社に。」
次回も、眉に唾をつけ、しっかりと読んでください。