ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

1994年世界はこう動く - 補 1 ( スパイ防止法の意味 )

2020-08-20 18:09:55 | 徒然の記

 日高義樹氏編『1994年世界はこう動く』を、10回までブログにし、中断しています。「敵基地攻撃能力」の新聞記事が、優先すると考えたためです。

 差し迫った課題であるとしましても、冷静に時間の物差しで測れば、「憲法改正」「東京裁判史観」「女系天皇」問題と並ぶ難問だと、理解できます。拙速の答えを求めるより、「温故知新」の読書の中で考えるのが正しいと、そんな結論に達しました。

 二階氏や菅氏や岩屋、小野寺氏などに焦点を当て過ぎますと、「ねこ庭」のブログが、政争をネタにする週刊誌に似てきます。危機感を煽り、人を騒がすだけの、野次馬ブログでは、息子たちの役に立ちません。中断していた、日高氏の著作の書評へ戻ることにしました。

 10回まで行っていますが、気持ちを改めるため、連続の番号をやめ、「補」という文字を入れることにしました。深い意味はなく、補足という思いです。この本は、今から26年前の世界を予測した、学者たちの論文です。「敵基地攻撃能力」を、日本が考えずにおれなくなった、そのヒントもこの中にあります。

 224ページに、「鄧小平、陳雲が舞台から消え去る日」という表題のついた章があります。鄧小平も、陳雲も、現在では既に、過去の人物です。この論文が、現在の中国を語る歴史的文書に見えます。

 「1980年代の大半を特徴づけた、計画経済か市場経済かという古い論争は、」「国家による強制的な工業計画が、総生産のわずか7%しか占めない経済においては、」「ほとんど意味がなくなった。」

 平成10 ( 1993 )年 の中国は、すでにこの状況にあ理ました。そうであれば、「計画か市場か」という議論は、確かに古い論争ということになります。

 「新しい論争は、いかに早く低コストで、市場経済に移行し得るか、」「そしてそれが、政治制度に与える意味は、」「何かということです。」

 論文を書いたのは、ジョセフ・フュースミス氏で、ボストン大学東アジア研究所の所長です。中国の政治経済問題の専門家、と言われています。

 「中国がポスト鄧小平時代に近づくにつれ、」「政治的リーダーシップの継承だけでなく、」「将来の政治的議題の形成をめぐる闘争が、熱を帯びてきた。」

 「政治的闘争の激化が、もっとも明らかなのは軍部であり、」「人民解放軍は全面的な改編により、190名の指揮官を解任、または交代し、」「楊兄弟の影響力を、軍から払拭したようだ。」

 「人民解放軍における闘争の進展状況は、必ずや中国の未来に、」「重要な影響を与えるだろう。」「なぜなら将来、どんな政治的組み合わせができるとしても、」「人民解放軍は、必ず大きな発言力を持つであろうからだ。」

 毛沢東の中国は、明治時代の日本と同じで、「欧米に追いつけ追い越せ」が国是で、「富国強兵」策が急務でした。富国のための改革開放策と、強国のための軍の近代化が二つの柱です。鄧小平までは、なんとか遂行しましたが、以後は軍を抑え、同時に経済発展策を進められる人物が、いませんでした。

 中国の支配者は、国家主席なのか、総書記なのか、私は今でも分かりません。歴代の支配者が知りたくて、ネットで検索しましたら、ネットの世界も私と同じらしく、「国家主席」でも「総書記」でもなく、「歴代中国の実力者」という言葉を使っていました。順番に並べますと、

 毛沢東 ー>  華国鋒 ー>  鄧小平 ー>  江沢民 ー>  胡錦濤ー>  習近平の各氏となっています。江沢民氏以降の実力者は、軍の統率というより、軍に振り回されてきました。

 「4年前には、地方の問題がこれほど困難であり、」「社会秩序の問題が、これほど深刻であるとは見えなかった。」「地方で、中央からの独立を獲得しようとする各省の動きが、」「中国の統一に、脅威を与えているように思われる。」

 日本にいる私たちには、情報が伝わりませんが、独立志向の各省と、独立したがる各軍区の将軍たちの動きは、中国歴代の実力者たちにとって、最大の課題でした。失敗すれば、失脚どころでなく、身の安全が危険にさらされます。単なる噂かもしれませんが、習近平氏は、四度も暗殺計画に遭い、今では、側近しか信じられなくなっていると聞きます。

 歴代中国の実力者たちは、日本の資金と技術力を手にし、党内基盤を確実にするため、自民党の実力議員に接近したと聞きます。もともと反日・左翼の野党は、親中派の議員が多数いますが、中国が狙ったのはむしろ自民党の実力者でした。ターゲットになったのが、自民党の幹事長だったそうです。

 親中派として有名な自民党の政治家の名前を挙げますと、なるほど全て幹事長経験者です。真偽の程は分かりませんが、うなづかされる名前ばかりです。

 田中角栄、福田赳夫、小沢一郎、野中広務、加藤紘一、古賀誠、石破茂、二階俊博の各氏です。中には親中というより、魂まで捧げ、中国に拝跪した幹事長もいます。中国共産党政府による、スパイ工作の成果だと思いますが、「敵基地攻撃能力」の計画が、彼らの手で葬られても不思議はありません。

 「スパイ活動防止法」を作るべしと、そんな意見があり、反日・左翼の野党が大反対していますが、本当の狙いは「自民党内の協力者」を、これ以上増やさないための法律だと思います。野党の議員は、自分たちがターゲットにされていると勘違いし、自民党内の媚中派を喜ばせています。

 久しぶりに書評へ戻りましたが、「敵基地攻撃能力」のブログの影響を、まだ引きずっているせいか、週間誌的煽動の内容になりました。次回からは、気持ちを穏やかにし、息子や孫たちのためのブログを心がけます。

コメント (2)
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