まず戦争映画のジャンル史上、画期的な企画。
何と「撤退」がメインプロット!
ドンパチというよりは、一方的に攻撃される主人公たち...
このため、非常にテンション高いシーンの連発で、息つく暇もない(汗)
陸から空から水中から(Uボート魚雷)ドイツ軍に責め立てられる連合軍、総勢 40 万人!
こういう創り方もあるんだ、とクリストファー・ノーラン監督に、ひとしきり感心。
一方で、ノーラン節はこんなリアルな映画でも健在、に驚く。
そのノーラン節とは何か。
それは、物語内での「時間軸の多層構造」を配置すること。
「メメント」「インセプション」のようなSFならともかく、時系列が大事そうな戦争映画で!
ところが実際は脳がねじ曲がってしまいそうにはならず、全く違和感がない(笑)
これだけ時間軸をいじりまくっておきながら…
流石ノーラン、自ら脚本を書きそのイメージを見事違和感なく成立させた。
やはり、ただ者じゃない!
最後のオチのつけ方も上手。
観終わって、今の自分の闘いを決してくじけることなく「継続する意志」こそが大事だと、勇気を貰った!
結論:「撤退」を描く異色の戦争映画、かつノーラン流「時間軸の多層構造」も入れ、最後には感動させる名人芸。