
アカデミー賞では作品賞を含む4部門でノミニー。
作品賞(WOW!)・助演男優賞・脚本賞・編集賞と、受賞は逃したものの立派!
だが日本では現状、未公開。
WHY?
それは映画界ではなく、異業種からの映画製作新参入組、だからだろうか?
(Netflix が出資し、彼らのサイトでは「Netflixオリジナル作品」と表現されている)
そういえば、こんな体験が最近にもあった。
その映画は、Grateful Dead の4時間以上の映画「グレイトフル・デッドの長く奇妙な旅」
渡米時にちょうど公開がタイミングがあっていたので、到着初日に劇場に駆けつけた。
ところが一週間で終了ですれ違い。
切符売りに「なんでたったの一週間?!」と質問すると…
答:「Amazon Studios制作だから、形だけNYとLAで一週間だけ公開、なのさ」
私:『?!?!?」
さて映画本編。
舞台はテキサス州西部。
銀行強盗を働くハワード兄弟(クリス・パイン と ベン・フォスター)
この2人の銀行強盗には幾つか特徴が。
大きい銀行支店は狙わない ー 設備などがより厳重になり面倒になる
小額紙幣だけを持ち去る ー 高額紙幣は足がつく
しかも、ある特定のテキサスの銀行支店のみを襲っていた!
そして追うシェリフ2人。
助演男優賞候補になったジェフ・ブリッジス(写真)と、インディアン系のバディ。
2人の会話がなんともすっとぼけていて笑える。
映画の冒頭で提示されたこの2。
物語のラストに向かい、運命的に?じょじょに距離が近づいていく。
現代版西部劇、的な趣き。
というと、ありきたりに聞こえるが、骨太の演出と各人の演技の重量が積み重なり、しっかり魅せる。
だけでなく、強調しなければなのが、脚本。
地元テキサス出身の脚本家が感じた「現在のテキサス」を反映させたホンになっている。
この点で侮れない出来に仕上がった。
「現在のテキサス」とは、カジノ・銀行の「金融組」くらいしか勝ち組がなく、伝統的な仕事をしている大勢は明らかに「負け組」。
資本の論理の元、ちょっとした借金で、油田で儲かることがわかっていてもそれを抵当で奪われる社会、が底流に流れている。
銀行強盗2人組の住む家は母に借金があったことから。その銀行に差し押さえされかかっていた。
しかも土地内から石油が取れることがわかっていたので、収入のアテはたっているのに...
その理不尽さに対しての「正義」が毎度の犯行の動機だったのだ!
とはいえ、犯行に走った者たちがたどる運命はだいたい決まっている...
結論:現実のリアルが染み込んでいる 現代版西部劇、は見応えあり!
劇場公開しないかなあ...(当ブログは、リージョン1のDVDで鑑賞)