日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



 

 

著者のティーヴ・ヘイクは本によると 1985年にこの世界に入り、近代スポーツテクノロジーを追求してきた、スポーツテクノロジー人生。

 

 

その経験値が、各章に滲み出てくる(汗)

以下、それぞれの章を簡単にサマライズしてみる。

 

 

1. 原点に出合う  「走る」

     ・陸上 100m 靴、トラックの進化

 

2. 古代のスポーツ用品  「跳ぶ、投げる」 

     ・陸上 3段跳び、走り幅跳び の秘密

 

3. 人をとりこにするゲーム  「球技」 

      ・大スタジアムで開催されるボール競技はマヤ文明から始まった?(918年)

  ・ゴムボールの革命を考えたのは発明家「グッドイヤー」、実を取ったのは英国人「ハンコック」

  ・このゴムがラクビーボール、サッカーボールに進化をもたらす!

 

4. 革命をもたらした発明  「テニス」 

  ・ボールの規格が定まっていないことが起因で、硬式・軟式テニスが生まれる(笑)

  ・第1回デビスカップ(1900) 米英の確執が原因となって、初めてボールの規格が定まった。

      ・スパゲッティ・ラケット がITFにより使用禁止に(1977年)

  ・ラケット・ヘッド大型化・アルミを導入で、職人→エンジニアへの革命 by ハワード・「ヘッド」

 

5. 「論より証拠」までの奮闘  動きをとらえる

  ・ストロボスコープ誕生までの経緯

 

6. でこぼこの秘密  「ゴルフ 」

  ・ディンプルの誕生。テイラーが336個

  ・テイラーの特許使用を最初に得たのはスポルディング → 業界を塗り替えた

 

7. そり遊びから競技へ  「ボブスレー」   

  ・1887年 サンモリッツ・トボカンクラブ設立がスタート?(諸説ぷんぷん)

  ・現代のボブスレーは1940年代のと比べると17%ほど速い

 

8. 未知の領域へ飛び込む  「水泳」

  ・水着の進化 → レーザーレーサー登場による混乱 → 2010年国際水泳連盟の規定改定

 

9. デザインをめぐる騒動  「自転車 」

  ・空気を入れるタイヤの誕生(1890) by ダンロップ、ミシュラン で飛躍

  ・各メーカーが販促のためのレースを企画する中、ツール・ド・フランスが誕生

 

10. 技術を研ぎ澄ます  「スケート」     

  ・クラップスケート(1984)がレースを変革 → 1988長野オリンピックまでに普及、世界記録連発!

 

 

これだけ多岐なスポーツを包括しているだけでも驚きなのだが、10章を超えたところで更にギアを一気に上げる!

(ここまでの内容は十分に面白いが、やや過去、歴史的考察が多い)

 

 

11. スーパーヒーローたち  「パラスポーツ」

南アフリカ代表 オスカー・ビストリウス はパラ陸上のスター。

ニックネームは、「ブレードランナー」= L字オスカー・ビストリウス型のプレード で走る!

パラ陸上で金4銀1銅1に飽き足らず、国際陸連(World Athletics)の許可を得てついにはオリンピックに出場!

その彼の飛躍を支えた技術を追う。

(ただし彼自身はその技術の罠に落ち、人生すらも… 本では少ししか触れていないが…)

 

 

12. 新世紀のテクノロジー 「データ入手」

ストップウィッチ → 心拍計 → 乳酸値測定 → 位置情報…

1960年代に日本で開発された 歩数計(万歩計)がデータ内蔵化の始まり(笑)

現在はサッカーボールすらデータ内蔵化されるように。

 

著者はUKスポーツに関わるようになり、

・ iGym(体操協会向け)

iDive(飛込競技向け)

iBoxer(ボクシング競技向け)

  などを、次々と開発!

イギルスのスポーツが強くなってきたわけだ!

 

そして最終章、

13.スポーツはどこへ行く

冒頭から驚くのが、「ブラセボ」効果についての議論(こんなの初めて読んだ!)

その延長で、身体能力の増強だけでなく、「脳」がパフォーマンス向上の次の可能性かも?!までをも論じる。

 

 

…という具合で、結論。

 

スポーツでの技術革新の歴史、だけでなく 未来をも垣間見れる「近代スポーツテクノロジー 大全」的な一冊。

 



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