~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

チェンバロステップ 講評&反省

2007年11月05日 01時48分46秒 | ピアノ
終わってすぐにアドバイザーによる講評があったのだが、まず最初の先生が
「いろいろ考えていたのですが、さっきのチェンバロを聴いて全部ふっとんでしまいました」とおっしゃり、「ピアノとチェンバロを続けて弾くのは難しかったのでは?でも貴重な体験でしたね」みたいなことをおっしゃった。
(書き忘れていたけれど、ピアノとチェンバロは鍵盤並びにおいてあり、ピアノが奥、チェンバロが手前だった)

あと、古楽器専門の先生が「バロックの時代は音価の通りに弾くというのはちょっとセンスがないと考えられていて、たとえば<タタタタ>というのも<タータータタ>だったりその逆だったりしました。ジャズのスウィングみたいなものですね」とおっしゃった。
そういうことは今までにもちょっときいたことはあるのだけれど、実際に弾いてみると、そうでないと面白くないし、そう弾きたくもなるよね、というのが実感だった。

リハーサルでチェンバロの指導をしてくださった先生は、終わってから
「仮装さん、本番はずっとよかったです。<間>がとてもよかったですよ」と言ってくださった。

バッハについてのアドバイザーからのコメントは
「丁寧だった。落ち着いて弾いていた」
「長い音価の音はたっぷりと弾いて、細かい音との対比を」
「テーマのアーティキュレーションをまず考えてみてください。そして多声部の扱いにも気を配って。レガート奏法も出来るようになるともっとしなやかな演奏になります。(・・・・これは古楽器の先生からのもの)」

⇒これをチェンバロでやるのはピアノよりさらに難しいですね・・・


ショパンについてはかなり笑えた。
全体にパワフルな演奏でした。
流れ・気分はつかまれてます
なかなかのファイトで弾いてらっしゃいました

あとは
「細かなパッセージや左右の合わせを丁寧に」
「さらに細かい音の粒をよく意識して」
「強音をつかんだ直後の脱力もイメージして」
「音とタッチの関係に無駄が多いよう。第一関節で発音部分を味わうようにし、あとすべての部分を脱力した練習を」

といういわずもがな・・というか10-4の公開演奏でそれで出来たらプロですって(笑)みたいなことが続いていた。


初めてステップで録音してみたのだが、びっくりしましたねえ。
たいして速いと思っていなかった10-4ですけど、いやもう速かった。
しかもポイントポイントで興奮してさらに加速しているかのようで、よくこれで空中分解しなかったよなあと(しかけたが・・・・・汗)不思議なくらいだった。
だってですね、2分30秒はかかっていたのが、2分14秒で弾いてましたから。
・・・ポリー二まであと13秒だっ・・・
ってそんなこと言ってるヒマあったらミスなくせよ、ですね(逃)。


というわけでなんとか終わったステップの長い長いご報告でした。
もし全部におつきあいくださった方がおられましたら、感謝申し上げます。




チェンバロステップ 本番

2007年11月05日 01時16分28秒 | ピアノ
短い休憩の間に急いで着替えて、ホール入り。
先ほどの先生によるミニレクチャー&コンサートがあった。
クープランやヘンデルの曲の演奏、あとバッハのト長調のメヌエットの装飾音の即興的実演などをされたが、なぜあのように細かくトリルが入るのかが不思議だ。
たぶん力の加減なのだと思うのだが、私にはとてもとても無理な感じ・・・。


そののち子どもたちから演奏が始まったのだけれど、ある意味、ピアノ以上に指の独立が必要で、ペダルでもアクセントでもごまかせない分、きちんと動いてない指がバレバレ。タッチはピアノとまるで違うわけなのだが、逆に鍵盤のそばから勢いをつけずに打鍵するというのは、ムダな動きを極力排するということであり、そういう意味でもこういう楽器を弾いてみるのは勉強になる。
子どもだから、弱い指もそれはあるのだけれど、今日の子たちは大変上手だったと思う。

先週の火曜日にレッスンを受けて以来、私も「強弱をつけずに声部を際立たせるやり方」ということをずっと考えていたわけなのだけれど、それはひとつにテーマの歌い方(アーティキュレーション)をしっかり決めたならば、それがその後中声で出てきても、低声で出てきても、まずはその歌い方を踏襲するということ。
そして強弱が使えないのなら、時間差を使うしかないだろう・・ということで、チェンバロ盤をあらためて何枚か聴いてみたなら、「よたってる?」と思うほど、次のフレーズと間があいていたり、カノンのように次々と受け継がれる部分に微妙な間があったりで、明らかにピアノでもしやったなら先生に叱られそうなことが堂々とまかり通っていて(爆)、どう考えてもチェンバロとピアノの奏法は相当な違いがありそうだった。
そういうこともあって、バッハに関してはテンポは今までより遅めに設定しておいた。

一方、ショパンの10-4なのだが、これはもう最後の最後までテンポの方針決まらず・・というよりは、弾きたいテンポでは弾けず、かといってきちんと細かいところまで確実に弾こうとすると、失速したような感じで気分が悪い。
究極の選択だけれど、もし会場に「私の演奏」を聴きたいと思ってきてくれた人がいたとしたら、「丁寧で安全でぬるい」演奏よりも「乱暴で危険で激しい」ショパン(殴)を聴きたいかも・・と勝手に思い、その路線をとることにした。
・・・・ただもうこれは賭けだし、まともなピアノ弾きの考えることではない・・・・


友人は口ずさみながらチェンバロを弾き、心から楽しんでいるようだった。
続くピアノでの、モーツァルトのトルコマーチも弾きなれた曲で安定感があった。
そのあとに、私のショパンかっ?!!いいのかっ?!


ショパンのエチュードはあんまり上がっていた気もしないし、速い気もしなかったのだが、あちこちで大小取り混ぜてにぎやかにミス連発。でもミスで正気に返っては止まってしまうので、死んだふり(?)をしてやりすごした。
早い話が「いいじゃん細かいことは」という演奏だったと思う。

バッハ(「音楽のささげもの」より<3声のリチェルカーレ>)のほうは、鍵盤の狭さになれないことで生じる細かいミスはあったが、適当に「よたって」(?)それなりに気分よく弾けたと思う。


~~~~~~講評&反省へつづく~~~~~