アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

CAに注意されてしまいました

2015年09月30日 | Weblog
 「昭和10年生まれだ」という男性と、鹿児島~羽田のJALで隣同士になりました。いきなり靴を脱いだその男性、裸足でした。石田純一かと思ってお顔を見たのですが、「80歳だ」という顔でした。
 すぐに話しかけてきまして…
 「いい体してるなぁ、仕事は何をしているんだ?」
 「(一瞬、プロレスラーです。とジョークで返えそうと思いましたが正直に)む、無職です」
 それからの90分、80歳の独擅場(どくせんじょう)。

 まず、自分の職業の紹介…かなりやばい(否定的意味)職業のため、ご紹介できません。そして私を、その仕事の、「○○県の社長にする」というのです。初対面から10分も経たないうちに、社長にしてくださる!即座にお断りしましたがね。冗談じゃない、私が仮にその仕事をしたとすれば、一族郎党から総スカン必定。
 「名前と住所をこの紙に書いてくれないか」
 悪人には見えませんでしたので、名前と住所を書きました。紙を渡してから、まずかったかなと思いましたが、悪用されることはないだろうと…。

 「オレは、靴下を家内に履かさせていたんだ。家内を亡くしてから、靴下を履かなくなったよ」それで、裸足だったんだと納得。
 鹿児島大学水産学部出身の80歳…「昨夜は知事と一杯やったので、気合いを入れてやった」とウソぶいていましたが、まんざらウソでもなさそう。80歳で国立大出身は、そうそういない。Jクラスの乗客でもあるし…。

 話は、「鹿児島県は狂牛病が出ないが、宮崎は出る(鹿児島自慢)」「大友宗麟の一村一品(大分自慢?)」「やらずぶったくり(鹿児島卑下?)」「鹿児島では、お墓に花を絶やさない(自慢だな)」・・・話は、汲めども尽きぬ泉のように出るわ出るわ。

 ここで、スッチーじゃなくてCAが現れた。
 「お声のボリュウムを下げてください。ほかのお客様にご迷惑です」と、ピシャリ!私まで、にらまれた。私は適当に相づちを打っているだけなのに。にらまなくてもいいと思いましたよ。
 しかし、そんなことでへこたれる80歳ではなかった。

 「鹿児島ではね、人は城 人は石垣 人は堀なんだよ。だから、教育をしないんだ。教育をすると、殿様の座を脅かす奴が台頭するからね」
 この話の意味が理解できませんでした。教育をすると、殿様の座を脅かす輩が台頭する…コレは、分かる。そのことと、「人は城 人は石垣…」と、関係があるのか?

 私が知っている、「人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり」の意味は、「どんなに城を堅固にしても、人の心が離れてしまえば世を治めることはできない。情けは人をつなぎとめ、結果として国を栄えさせるが、仇を増やせば国は滅びてしまう」…こんな意味だと思っていましたが…?80歳の考えは、「情けは味方 仇は敵なり」を抜かしたもので、「人ってものは、殿様を守る城であり、石垣であり、堀なんだ」ということらしい。反論しませんでした。なぜかって?よりによって座席が、JクラスのA1とA2。目の前で、CAがにらんでるんだも~ん。