○梅雨入り後の6月、先日また筑後地方に営業で出張した。あちこちまた珍しそうな建築物があり、通りすがりに撮影していく。
西鉄甘木駅〔昭和23年(1948)〕。戦後の建築で、ところどころ改造されつつも、昭和前期の木造の壁や形が残っている、現役の駅舎だ。
ホームの内側から見る駅舎。駅名表示も「まだ あまぎ」。終点だし。
自販機と昔の切符売場、自動改札が共存する駅舎内。
沿線のビルと比べると、建物の大きさがわかる。歴史的な風情が漂っているともいえよう。
BGM:
Don’t Want To Know / Bryan Ferry (「Mamouna」)
この「別室」でRoxy Music について書いた最初は多分2004年の「別府に行った時、朝方だというのに偶然いきなりラジオからブライアン・フェリーのへろへろとした歌が流れてきてあまりにも合うので感激(笑)した」時だ(><)。どこか20世紀ぽいレトロでダンディでどこかキッチュも加わった雰囲気を漂わせるという点でふさわしい、という。だから近代化遺産だの町並だの景観を探索しながらイマジネーションを高めつつふらふらと散歩するのにも合う。1994年の「Mamouna」は、買った時は就職したての頃で生活にも精神にも全く余裕がなく、ゆっくり聴き味わう時間もなくて、随分後になって聴き直すことになったCDだ。その最初のナンバーから。「お、始まったな」という不穏で耽美なギターの刻み。
月末の原稿〆切に向けて作業中で暇もない時節なのであるが、こういう音楽を改めて聴いていると、時間の流れる感覚の感じ方が変わってきて、何か大事なことを思い出しかける、というか、かつてそうであった過ごし方を思い出すような気分だ。ちょっとひといき、コーヒーを入れ直して、自宅の窓から湾岸の夜景をぼんやりと眺めてしまう…というふうな。
(※写真:深川江戸資料館の町の夜明け前のセットを歩くキイロイトリ><) (20130624)