Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

Sくんの生き方

2007年08月01日 | Weblog
昨日取り上げたゼミ生のSくんは,いっぷう変わった学生だ。

イマドキの若者のように髪をツンツン立てたりウェーブをかけたりしているわけでなく短髪というかスポーツ刈りというか,とにかく短くしている。ヒゲもファッションを意識したようなはやし方には到底見えず,指導教員に似た単なる無精ひげだ。うーん,何というか,昭和の時代からタイムスリップしてきたような,下駄が似合いそうな風体の大学生なのだ。

ただ小生,このSくんを高く買っている。ファッショナブルでないところが劣等感を感じさせないからとか,ヨレヨレに見えるTシャツが実はきれいに洗濯されているのが清々しいからとか,そういった理由ではない。もちろん,安アパートに住んでいるのが学生らしく微笑ましいからという理由でもない。

実はこのSくん,中身がスゴイのだ。今日は彼の海外渡航歴について書いてみよう。尋ねてみると,エジプト,ケニア,マレーシア,韓国(3回)という国名が並ぶ。普通の学生の行き先とはちょっと違うように感じられる。

本人は初め,「そこでぶらぶらしていただけだ」と言っていたが,しつこく聞いてみると「エジプトは砂漠を歩いてみたくて行ったんですが,マレーシアはホームステイ,韓国は登山,ケニアではサバンナ歩きがしてみたかった・・・」などと,人とはちょっと違ったところが顕わになってくる。

エジプトでは紅海で泳いだなどと優雅なことを言っていたが,カイロ空港では渡航初日にマラリヤの予防薬を買おうとして言葉が通じず,1時間ぐらいやりとりをした挙げ句やっと手に入れたものの,服用の仕方が分からず適当に飲んでしまったという強者でもある。三大ピラミッドを見学中に,その薬のせいかとても気分が悪くなってしまったのも彼らしいと言えば彼らしい。ツタンカーメン王の黄金のマスクを見学した時には,1時間もずっと見ていたため,ついには監視員に警戒されて博物館を追い出されたという輝かしい経験も持つ。きっと一般の人とは目つきが相当違っていたのだろう。小生が監視員だったら逮捕していたかもしれないぞっ?!

ケニアの空港ではお金を巻き上げられたり,タクシーに乗ったら『地球の歩き方』で「絶対に行ってはいけない」と注意書きのある緊迫した市街地に連れて行かれたりしたこともあるらしく,結構な修羅場もくぐり抜けている。

一方,マレーシアでは冷えたドリアンを腹一杯ほおばり,韓国では屋台で飲んだマンゴージュースが本当に美味しかったなどとのたまい,意外と食通な顔も持ちあわせている。

結局のところ,自由にいろいろなところを旅しているのがうらやましいだけなのかもしれないなぁ・・・ん?・・・いやいや,若い時期にだけ可能な,代え難い体験を存分に重ねていることにまぶしさを感じると言った方が正確だろう。「若いうちは形に残らないものに金を使え」を体現する生き方だ。

ただ,以後危険な目に遭わぬよう,危険を予測し回避する知性と用心深さは身につけなくてはならぬぞっ。これだけは厳重注意じゃっ。忘るべからず!

写真は今日もヘルシンキ大学附属学校の外観。日本の学校もこんなにアートするといいと思わない?
コメント
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