おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

指の置き方

2023年12月12日 | 重力奏法

モスクワ中央音楽学校のピアセツキー先生の動画を、5年振りに見てみました。

2018年にブログでご紹介したものですが、当時は字幕機能が限られた言語にしかなかったのか私が気付かなかったのか、何を話されているかは全くわからない状態で拝見していました。

現在では、完璧ではなくともある程度知ることができる日本語の字幕が見られます。


私自身も2018年と言えば、このメソッドで教え始めて間もない頃で、子どもたちの癖がどのようなものかまだ分かっていない状態でした。

どのくらいで力みなく弾けるようになるか、いつ頃までには基本的な手の使い方が出来ると良いか、それらの目安さえ分からない頃でした。

字幕でご覧になられていない方がいらっしゃいましたら、是非、字幕をお使いになってご覧になって下さい。





改めて拝見して驚いたのが、ピアノの鍵盤に指を置く一番最初のことに、レッスン回数を何度も使っていることです。

消しゴム付き鉛筆を生徒さんの指の下から当てて、「押さなくていい、なんにもしなくていい」と力まないことを最初にしています。生徒さんには馬に蹄鉄(馬の靴とも)を履かせていると話しています。そして、この骨が見えるようにしてと、第1、2、3関節を指さしています。指がクニャとすると、これは蹄鉄ではない、馬は落ちる(翻訳ではそうなっていますが、転ぶではないかと思います)と仰っています。

消しゴム鉛筆の目的を私は指のどこで弾くかと捉えていました。しかし、ピアセツキー先生の動画では、指の関節を意識する、指をぐらぐらさせずにピアノは弾く、そしてそれを力まずにするのだと教えるために使っていると思いました。


3の指で鍵盤を順番に弾く時に、下におろしたあと何をしているかと手首のことを言っています。小さなため息のようなもの、と手首から僅かな動きで移動していますが、それを生徒さんに先生の手の上に手を載せてもらったり、先生が手を持って一緒に弾いたりして教えています。
お家の人には、手首で呼吸することはお子さんには言う必要はない。言うと手が緊張し始める、何も考えなくて良いと仰っています。

子どもには、感覚として分からせると理解できます。
イリーナ先生の教本もですが、理論的なこともまず感覚として掴んでもらってからそれが何であるかあとから理解する。


ピアセツキー先生、あらゆるところが力んでいる。残念ながら今はこのままでしょう。早くこれがなくなるほど良くなる。と、はっきり言っています。
手を持った時に、3ヶ月経っても指、腕、手首が力んでいるとピアノを弾くことは困難です。
できれば、音を読み始める前にこれはほぼ無くしておきたいです。

ただ、日本では先に進まなければ何をしているのだ、となりがちです。
何をしているのだは、こちらの台詞と言いたいのですが、自分の教え方のせいで生徒さんが出来ずにいると考えるのも日本の先生です。
責められずに済むレッスンを、趣味で習っているということを盾にして続けているのが日本のピアノ教育だろうと思います。

コンクールに出たり、賞をとるお子さんだけが特別なことを教わるのではなく、ピアノを習う子どもたち全てが本当の事を教わるのが当たり前になってほしいと思います。


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これは間違いですよ

2023年12月05日 | 重力奏法

こちらは間違った弾き方です。

手首を前に動かしながら突くように弾くのではなく、上から真っ直ぐ真下に下ろします。



こちらの動画にコメントがあったので見てみましたら、
ドイツ語で、「とても良いテクニック。良い生徒、良い先生」とありました。

3の指でノンレガートから習い始めることは大賛成ですが、これでは正しい奏法にはなりません。

ご注意ください。

イリーナ先生も次のようにコメントされています。
「The weight should drop into the keys, not to pushed out.」
(重みは鍵盤の中に落とすべきで、押し出すものではない)

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無敵スライム

2023年11月30日 | 重力奏法

ドラクエのスライムは最初に出てくる弱っちいモンスターですが、ピアノレッスンのスライムは、無敵です。

はぐれメタル並みの10000ポイントの効果があります。


もう30年以上前から付き合いのある大人の生徒さんがいます。
正確には私が途中で楽器店を辞めたので、しばらくレッスンでお目にかかることはなく、私が地方に住んでいたこともあり手紙のやり取りだけでした。
復帰してからも他の先生に習われていたので、時々レッスン室にお顔を見せに来てくださる元生徒さんでした。

それがその先生が退職されたのを機に、4年ほど前から再び私のレッスンを受けられるようになりました。


その間に私はイリーナ先生のレッスン動画等で奏法を新たに学んでおりましたので、久し振りに彼女のレッスンを再開して身体が使えていないことがとても気になりました。

以前はそのようなことに気付いておりませんでした。
音楽がとても好きで、熱心で良く弾ける生徒さんという印象でした。


その彼女に、少し前に改めてスライム効果を訴えました。

今日のレッスンで、「おや?腕の重さが使えるようになったところが何か所かあるな」と思いながら演奏を聴いておりました。

演奏後、そのことを言うと、電車の中でスライムを押していると

出してやると変な人に思われるから、鞄の中に入れてこうかな?と思いながら押しているそうで。


4年前にもスライムの話はしており、ご本人もスライムを買って試したようですが、その時はよくわからなかったようです。

なので、ずっと音の深さが足りなく、せっかく良い感性をお持ちなのに活かしきれていないと思っておりました。

それが、スライムに自らリトライされ、研究され、ついに感覚をつかみ始められたようです。


深く弾く感覚がつかめると、音色、タッチの幅が広がり、呼吸も大きく取れるようになります。すると音楽が大きくなります。自由度が増します。


一瞬で逃げられてしまう”はぐれメタル”ですが、攻撃が決まるとザクザクポイントを稼げます。

ピアノのスライムは逃げませんので、何度も試してポイント(コツ&感覚)を稼いでほしいです。

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手の支え方

2023年08月29日 | 重力奏法

ピアノ導入教本「不思議な音の国」は、原題は「Tales of a Musical Journey」と言います。

著者はウクライナ出身、アメリカ在住のイリーナ・ゴリンさんです。


私は彼女のレッスン動画から多くを学びました。
彼女の動画が一番わかりやすかったからです。そして、生徒さんの音の美しさと音楽表現は本物のレッスンをされている成果だと思いました。


この教本は、大きな腕の動きから学び始めます。

それはピアノは指だけでチョコチョコと弾く楽器ではないからです。

腕が動かせるようになるためには姿勢がとても大事です。
背中の支えがなければ腕は自由に動かせません。しかもピアノは自分で腕を持ち上げて弾く楽器です。

背中でコントロールするから、ピアノは背中で弾くと言われるのです。

イリーナさんのレッスンでは生徒さんの姿勢を何度も何度も直されています。
足も平らにコインを踏むように置いてと何度も何度もおっしゃいます。


日本の習字を思い浮かべると、やはり姿勢が大事です。
それは腕を使って書くからです。

美しい線を書くためには腕の使い方を知らなければなりません。

私は習字は習ったことはありませんが、先生が生徒さんの手を持ってお手本を書く光景は知っています。

考えてみましたら、ピアノのレッスンでしていることとそっくりです。


イリーナ先生が生徒さんの手を支える様子は多くの動画で見ることが出来ます。

ついつい3の指や手首の動きに目が行ってしまいますが、ちゃんと腕が下がらないように、手首が下がらないように支え、そして第3関節の手の平側に先生の手を入れていらっしゃいます。

指を支えるのは指先ではなく、指の根元です。

第3関節の感情線の少し上あたり。

その様子はこちら。



4歳になる前にレッスンを始めた生徒さんは、直したくとも1回弾くともう弾く気が失せてしまうことが多く、もっと集中力が付いてきたらやろう、と考えてきました。

年長の終わりくらいになるとグンと集中力が増し、何度か続けて弾いてもらっても大丈夫にはなるのですが、それまでには既に良くない癖がついてしまっています。

それを直す根気は本人にはなく、なぜ直すかも理解できないので、結局そのままになってしまったのが私のレッスンです。


説明しなくとも、イリーナさんのように何かにつけ手を支えておくべきだったと思います。
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子供の力を信じて

2023年08月27日 | 重力奏法

固定5指のことを前回書きました。

ドからソまで12345の指を置いておくと曲は弾けてしまう、という導入法です。

指の番号を見るだけでも弾け、音を読む手間が省けてしまいます。


最初はハ長調でそれを行い、次は手の位置をト長調やヘ長調に移動させ、また同じことをやるだけの便利な導入法です。


習い始めから5本の指を色々と使えます。
上達感が味わえます。


この方法に馴染んだ生徒さんが、右手メロディーの中に上行形「ドミソド」と、もし出てきたらどのように弾くでしょう。

指使いは「1235」

多くの生徒さんは頑張って指を開くと思います。
届くようになるまで何十回も練習する生徒さんもいるかもしれません。

仮に、それで届くようになったとして、手を開いたまま弾く「ドミソド」はどんな音がするでしょう?特に「ソド」の所です。

痛々しく硬くこわばった音だと思います。音楽にはなりえない音です。

そして先生方はこう言います。
「もう少し手が大きくなったらもっと楽に弾けるようになるから、今はこれで十分よ」と言ったことを。


残念ながらこの生徒さんは手が大きくなってもこの弾き方しか知らないので、このままです。

表情のない素っ気ない音です。
機械的な音とも言います。


固定5指でピアノレッスンを始めることで起きるデメリットの代表はこれだと思います。

この導入法で始めても、指導者が手の使い方を注意深く教え、生徒さんも進みが速ければ、この状態を長く続けることはないので、大きな弊害に合わずに済むかもしれません。

しかし標準的な進度の生徒さんの場合、固定5指は悪い癖しかつかない可能性が大きいです。


子供だからこんなものだろう、小さい内は皆こんな音だ、ともし思っていらっしゃるとしたらそれは間違いです。


初めてピアノを弾く時から、腕を大きく使い、腕の重さで音を鳴らし、指・手首・腕が力まないように教える方法が今の日本にはしっかりあります。

一番使いにくい1の指からピアノを習い始めさせることは、悪循環を生みます。


固定5指で半年でもレッスンを受けてしまった生徒さんがどのような状態になるかを、これまで何人も見てきました。

たった半年で腕は固まります。
指だけで弾くと手首も腕もロックされて動かせなくなります。

それを解くのは最低でも習った倍の時間がかかります。


ピアニストのような腕や手首を使った弾き方は、専門家や上手い生徒さんだけが出来ることではなく、誰でもできます。

何歳からでもできます。

但し、8歳までに覚えた身体の使い方は一生残るそうです。
人間は慣れるのに66日。

初めから本物を習った方が楽です。


それから固定5指は曲のレパートリーが狭くなりがちです。
右手メロディー、左手伴奏、音域2オクターブ位という定型。

腕が大きく使えると、広い音域を白鍵だろうが黒鍵だろうが初歩から弾け、様々な音楽のパターンを弾くことが可能になります。


子供は大人が考えるほど出来ないものではありません。
パターン化したもので固まってしまう前に、指導者が世界を広げること。

難しい曲を早くから弾かせる意味ではありません。
そのような曲ではなくとも、音楽の扉を大きく開く曲がたくさんあります。


3の指でノンレガートから始める導入法を「ロシアンメソッド」と日本では言っています。

この指導法を実践されている先生は以前より増えているはずですので、内容をお知りになりたい方は探されてみると良いと思います。

ただ、日本では音楽表現そのものを追求する高度な内容を指導される先生方もいらっしゃいます。

子供たちに教える基本的なことを知りたい場合は、子供の指導を中心にされている先生を探された方が良いと思います。


実践しなくとも、ピアノを教える先生はこのメソッドのことを知っておくべきかな、とは思います。

趣味の方の方がピアノの先生より詳しい場合もあるので、負けてちゃいけません。

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固定5指の弊害

2023年08月26日 | 重力奏法

ピアノを初めて習う生徒さんに、何の音、何番の指から教えていらっしゃいますか?


多くの先生は、

「まん中のド」「1の指」

だと思います。


そして、右手の「レ」は2の指、「ミ」は3の指・・

左手は「まん中のド」から始める場合と、「1オクターブ下のド」から始めるパターンに分かれると思います。

「まんなかのド」なら「ド」は1の指、「シ」は2の指・・
「1オクターブ下のド」でしたら、「ド」は5の指、「レ」は4の指・・


これを『固定5指(こていごし)ポジション』というのはご存知でしょうか?

この方法で教えていらっしゃる先生は、手を固定させて弾く「固定5指メソッド」で教えていらっしゃいます。

゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜


ご自分がどんなメソッドで教えているか、なぜそのメソッドを選んで教えているか、把握されていますか?


このメソッドで教える利点はなんでしょう?

読んだとおりに指を動かすと曲になる、だと思います。
保護者の方にも進み具合がわかりやすいです。


では、ピアノは指だけで弾く楽器かを考えてみて下さい。

固定5指で、腕全体を使ってピアノを弾く基本の動きを習得することをいつ行いますか。

鍵盤を指でひとつひとつ押すだけでは音楽にはならないことは、先生方は皆さんご存知です。

゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜


指で鍵盤を押さえることが習慣になってしまった生徒さんに、腕の重さを使い音を鳴らすこと、手首の横の動きを使って重さを移動させながらレガートで弾くこと、手首の縦の動きで呼吸をしフレーズのわかる演奏をすることを、いつ教えますか?


固定5指で広い音域の曲を演奏することを、どのくらい進んだら行いますか。

調号が3~4個の黒鍵を使った曲をどのくらい進んだら試しますか?


゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜


あれこれ書きましたが、6年前まで私自身が自分がどんなメソッドで教えているかなど考えたこともありませんでした。


まん中のドから教える、それはその音から読む練習をするから。
1の指から弾き始める、ドレミファソと当てはめたらそれは当然のことだから。


そのように教えてきました。


その結果、音が鳴らずスカスカ、パサパサ。さらに、レガートが上手く弾けない生徒が少なくないという結果を招きました。それを改善するために、1の指でドを弾く前に、黒鍵を234の指で弾き、音の動きと腕の向きを合わせることを教えはしました。

しかし、教本がこれを活かすつくりにはなっていなく、解決策を見つけられずにいました。


゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜


それが6年前に、ロシアンメソッドの教本に出会いました。

このメソッドのことは知ってはいました。

ノンレガートで3の指から始める。知っていたのはそれだけでした。
そのメリットまではわかっていませんでした。


5年前から実際にその教本を使いレッスンを始めました。

飛躍的に生徒さんたちが上達したとは言えないかもしれませんが、少なくとも指だけで音を押さえる生徒さんはいません。


少し前に、4月にあった発表会でお手伝いされた教室のスタッフの方から、

「先生の生徒さん、全員手の使い方が綺麗でした。先生が使っている本がどんな本かやっと分かりました。ほかの生徒さんと全然違う」

と言われました。


使っているのは「不思議な音の国」です。
導入はこれ一択です。

楽器店で取り寄せ不可で、都内ですとカワイ表参道店でしか取り扱っておりません。

なので、スタッフの方も教本の中身をじっくりご覧になったことはなく、謎だらけの本でした。


生徒さんの演奏を聴いて、私はもっと音が鳴っても良いはずだと不満でした。このメソッドで教え始めて5年目を迎え、最近やっとコツがつかめてきた気がします。

音の発音やニュアンスを伝えることは当たり前のレッスンになっています。


私は先生方が指導法についてご自身でよく勉強されていることを知っています。

ただ気になるのは「NATO」になってはいないかということ。

海外で日本人は「NATO」と言われているらしいですが、「No Action ,Talk Only」のことだそうです。

話は聞くけれど、行動には起こさない。

これは日本人の気質です。
やってる感だけあっても意味はないです。

なぜこうなるかは、日本人は失敗を咎めるからだそうです。

なので、失敗しないこと、無難なこと、手慣れたことを行い、試行錯誤して成果を上げようとしなくなる。

何はともあれ、やってみること。
挑戦し、失敗を重ね、成功の糸口を見つけること、と最近読みました。

その通りだなぁ、と思います。


私の世代はまだ失敗から学ぶ機会があったように思いますが、誰も傷つかない、傷つけない教育が必要以上に行われた時期があると思います。

守られたまま育ってしまった世代が、どんどん社会で活躍する年齢になっていると思います。

円安の影響で演奏会もこれまでとは変化して行くかもしれません。
昔に戻って行くかもしれません。


本物に触れる機会が失われることがないことを祈ります。

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ロシアンメソッドと重力奏法

2023年07月27日 | 重力奏法

ロシアンメソッド、重力奏法。

ピアノを弾く人や教える人がよく耳にするこの二つの言葉。


人によって捉え方にばらつきがあるかもしれません。

ここにロシアピアニズムが入ってくると更に区別がつかなくなってくるような具合で··


私個人の見解ですが、自分では次のように整理しています。


ロシアピアニズムに関してはピアノ初心者が行える世界ではありません。
また、ロシアで学んだり、ロシア人に師事し勉強した人たちでなければその表現法は教えることはできないと思います。

なので、それを求める人はそのような先生を探す必要があります。但し、ロシア人だから全て同じように弾くわけではないと理解しておく必要もあると思います。


その表現の基礎に当たるものが重力奏法です。
これはピアノの一般的な奏法です。

この奏法を身に付けるのに効率よく考え出されたのが、ロシアンメソッドと理解して良いのではないでしょうか。


以下は私のホームページに載せてあるものです。宜しければ参考にお読み下さい。


◆◆◆◆


ピアノはとても大きな楽器です。

その楽器を鳴らすにはとても指だけでは鳴らすことは出来ません。腕の重さを使うことが必要です。

この腕の重さを使って弾くことを重力奏法と言います。これはピアノを演奏するための一般的な奏法です。


腕は腕の根元である肩甲骨から使います。

肩甲骨から大きく腕を使えるようにすることから習い始めるものをロシアンメソッドと言っています。

 
このメソッドは、「3の指」で「ノンレガート(一音ずつ繋げずに弾く)」から始めます。​
この時に講師が生徒さんの腕が力みなく、柔軟な手首で、そして指の関節がぐらつかないように手を支えます。


ノンレガートのあとは、レガート、スタッカート、アクセント、テヌートという音の発音法を短い曲の中で覚えていきます。
これはピアノ演奏の公式の様なもので、基本的な手の使い方があるのです。


これらが気持ちの伝わる演奏へとつながります。
これは​プロになるために行う特別な導入法ではありません。
効率よく身体を使い、表情のある音を生み出すこと。

曲から受け取った想いを、聴いている人に届けることができるように。


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子供にピアノを教える先生

2023年07月17日 | 重力奏法

キーシンの先生や上原彩子さんの先生、最近ではドヴガンの先生、ジョージアのツォトネ・ゼジニジ君の先生。

皆さん女性の先生です。

女性の先生は名教師が多いように思います。

飴と鞭を上手く使い分けていらっしゃることもあるかもしれませんが、体格の面で子供に教えることのできることが多いのでは、と思います。


ピアノは腕を根元から使い体を大きく使えた方が、音が鳴り表現力が豊かになると思います。

体が小さいと腕をしっかり動かさないと音が鳴りません。
鳴らないと指が弱いと考えてしまい、そちらを鍛えようと無理な練習に走ってしまう。これは昔の日本人です。


先日、河村尚子さんのラフマニノフ2番のコンチェルトの動画をご紹介しました。

腕はこう使うというのがよく分かります。


同じ曲で、清水和音さんの演奏が自動で出てきましたので、どう演奏されているか拝見しましたら、ほぼ腕は動いていません。

動かなくとも、肩幅があり、手の平に厚みがあり、指が太く、腕もおそらく太く、胴体も太いと思われるので、そのような方は腕をただ下ろすだけで音は鳴るわけです。


男性のピアニストや先生はそのような条件を持っていらっしゃる方が女性よりずっと多いと思います。

動かさなくとも勝手に音が鳴る人と、動かさないと鳴らない人では教える時に差が出ます。


趣味で習っている人たちは、男女にかかわらず専門家のようにピアノを長い時間弾いているわけではないので、椅子に座ったまま体を上手く使うことが上手にできません。

なので、音が鳴らない人が少なくないのです。
だから余計に、腕を大きく使うことをまずは身に付けてほしいと思います。


腕は上に上げれば肩甲骨は必ず動きます。
それを下ろせばいいだけです。スラーの始まりの音でまずは必ず実行すること。離れた音も横にずらすのではなく、上に上げて移動する。

下ろし方は先生にちゃんと教わる必要があります。叩いて良いという意味ではありませんので。

曲が複雑になると、スラーの開始が左右で異なるものの連続になります。
それが両手同時のタイミングになったら、同じ方向を向いて音楽が進みだしたということです。

長いスラーになったら重さをなくさないように弾いていきます。
途中で下手に手首を動かすと、水中から何度もプカプカ口を出して息を吸う金魚のようになってしまいます。

(金魚が上の方に上がって口をパクパクさせるのは水中に酸素が足りない酸欠状態で、水中でゆっくり口パクパクは酸素が足りているのだそう。ピアノ演奏は重さ=酸素と考えると分かりやすいかもしれません。)


冒頭の所を比べてみて下さい。



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腕を使っているのがよくわかる

2023年07月13日 | 重力奏法

河村尚子さんのこちらの演奏、ピアノは腕全体を使って弾く楽器だと言うことがよくわかります。

こんな風に音が鳴らせたら、たくさんのアイディアが浮かんできそう。


楽しいだろうなぁ
いいなぁ


体が大きく使えると小さくも使えるので、表現の幅が広くなります。

いいなぁ


腕は細いより太い方がお得。

これだけは私も負けてない






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音が下がり過ぎ

2023年07月08日 | 重力奏法

メソッドを変えて教えるようになったのは、生徒さんに美しい音で弾いてほしかったからです。

豊かな音色とか、軽やかなタッチとか、そのような本格的なことを望んで始めた訳ではありませんでした。


生徒さんの出すスカスカで何も伝わってこない音には気が滅入っていました。
趣味で弾く子供はこれが普通だろうと思っていても、この苦痛は年数を増すごとに蓄積されストレスになっていました。


それがある時、小さな子供が大人のような音で弾いている動画に出合いました。
ロシアの子供たちです。

なんだこれは ?

ロシアンメソッドというものは聞いたことがある・・

最初はテキストの差だろうと思い、それを調べました。
確かに質の良い作品を子供の頃から弾くようになっています。

しかし、それだけで生徒たちは上手くなるはずはありません。


なんだろう?と過ごしている内に、趣味で弾いている子供さんたちで、さらに先生がとても優しく教えていらっしゃるのに、生徒さんたちが皆、美しい音で弾いている動画に出合いました。

それがイリーナ·ゴリンさんの動画です。
良い音で音楽的な演奏をどの生徒さんもされていました。

その秘密を探るべく夜な夜な、彼女の動画を見続けました。


そして、偶然にも彼女の作った教本の日本語版の存在を知りました。
それを知ったのは、日本語版ができて半年位経った頃だったようです。


彼女のレッスン動画からはたくさん学ばせて頂きました。

現在も彼女の教本を使い、レッスンを進めております。


私のストレスは以前より大幅に減り、思いの外、音のニュアンスを作り出し音楽を表現するレッスンが成り立ってきています。

初級の内は何度も言い続けなければいけないことがありますが、これは音を良くするためで、楽器のレッスンでは当たり前のことです。
むしろこの事がレッスンできるようになっただけでも喜びです。


さて、本題。

腕をリラックスさせ、上からしっかりと下す。
これにより本来のピアノの音が出せるようになるはず。


ところが、気付けば音が下がり過ぎ。

ダラリとしてだらしない音がします。
特に手首が下がる生徒さんはそうです。

下げてばかりでは、いけなかったのだと思います。

支えを作らなければいけなかったと思います。


だからイリーナさんは、小さな生徒さんの腕と手首をいつも支えていらっしゃるのだと思います。

音を出す力は肩甲骨から送り、腕を持ち上げる意識は鎖骨。
この2箇所を意識すると音はすぐに上げられます。

しかし、小さな子供にはそのような話をしてもわからないので、イリーナ先生はいつも支えていらっしゃるのだろうと思います。


手首の動かし過ぎと音の下がり過ぎには注意です。
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手首動かし過ぎ

2023年07月07日 | 重力奏法

メソッドを変えて教えるようになって6年目を迎えました。

小学校でしたら6年生です。そう考えるとけっこう大きくなりました。

初めからこのメソッドで習っている生徒さんは一番大きくて小学5年生です。
もっと上の年齢の生徒さんは途中から「不思議な音の国 下巻」を使ったり、先に進んでいた生徒さんは曲を弾きながら奏法を直していきました。


この途中から直した生徒さんたちに少々気になる傾向があります。

なにせ私は、音が鳴らせるようになることを第1目標にこのメソッドに変えましたので、腕をリラックスさせ鍵盤を下にしっかり下ろすことをしてきました。

その結果、どうなったかは次回に書くとして、今回は別の気になることを書きます。


手首です。

以前は手首を使う意識を持たない生徒さんばかりでしたので、このメソッドで手首の横の動き、縦の動きに注意を向けることが出来るようになりました。

ただこれは、音を最後まで聴く、どう音を終わらせるかをイメージする力が関係します。聴くことをお粗末にする人はいつまで経っても身に付きません。


さて、本題です。

途中からメソッドを変え、現在中学生になっている生徒さんたち。

私が手首のことをよく言っていたので、本人たちは実はそれがどのような効果を生むかを正しくは理解していなかったようで、とにかく動かせばいいになっている様子が見られます。

必要のない所で、方向を変えるように手首をいちいち動かしていたり、インヴェンションや古典派ソナチネ・ソナタで、手首だけで歌わせようとして急にグワンとした全くその時代に合わない音で弾いたりと、これはこれで厄介な問題が発生しています。

本人たちは無意識にしていることが多く、簡単には直せません。


手首は使えば良いというものではありません。
特に音を出す時に手首から前に動かすと安っぽい音になります。

手首から動かすのは音を離す時が最も多いと思います。
音の切り口を丸くしたい時です。

横に動かす時は手首だけが誘導しているわけではありません。手首だけグルグルしていては音は浮き上がって行きます。重さの移動が伴わなければなりません。


というわけで、表情のある音を求めて手首を使うことを教えてきましたが、思わぬ方向に向いてしまい、どうすれば良かったのかと思っています。

手首が不必要な所で上がると、流れている水が止まったり漏れたりします。

水道管の補修工事が必要。漏水を止めなければ・・


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ロシアンメソッドとは?

2023年07月06日 | 重力奏法

ロシアンメソッドとは、腕の重みを力みなく使い、美しく歌う音で弾けるようにするために、どのように教え始めるかを考えたメソッドです。

音楽は音が全てです。
美しい音で演奏するという、音楽の大前提にたって作られたメソッドです。

ピアノは触るだけでは本物の音は鳴らない楽器です。
触っただけで出てくる音は音楽になる音ではありません。
ピアノが持っている美しい音、自分が持っている音を引き出すために、まずは腕の大きな動きから習い始めるのがこのメソッドの特徴です。


゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜゚


このメソッド(ピアノ導入法の意)では、日本で一般に行われている鍵盤の中央に手を固定し1の指(親指)でドの音を弾くことからは始めません。

黒鍵を使ったり離れた音を弾くなど、腕全体を大きく動かすことから始めます。
3の指(中指)を使い、一音一音を離して弾くノンレガートという奏法を大きな腕の動きで弾いて行きます。

真ん中のドから音を繋いで弾くレガートをすぐに始めてしまうと、固定された腕で指だけで音を無理やり繋げることになり、それは美しい音が出せないばかりか場合によっては手を痛める原因にもなってしまいます。


゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜゚


腕の根本(肩甲骨)から弾けるようになると細かなタッチも習得しやすくなります。
その細かなタッチが音楽を伝える助けになり、心の中にあるものを表現する演奏へとなります。


ノンレガート習得後は、レガート、スタッカート、アクセント、テヌートといった音の発音法を習得していきます。

これらのアーティキュレーションは短い曲の中で覚えていきます。
アーティキュレーションの手の使い方は、ピアノ演奏の公式のようなものです。基本の使い方があり、それにより音を作っていきます。

それらを習得するための曲がロシアンピアノスクールの教本には豊富にあります。


゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜゚


このメソッドは初めはすぐに知っている曲を弾くことはできませんので、遠回りをしているように感じるかもしれません。

しかし、正しいピアノ奏法を習い始めから身に付けることは、生涯の宝になるはずです。


但し、正しい奏法が身に付くように復習を繰り返して下さい。


このメソッドは、良い音でピアノが弾けるようになりたい人、長くピアノを弾き続けたい人のためのものです。

その気持ちがあれば、誰でも始めることが出来ます。


゚・*:.。. ☆☆.。.:*・゜゚



腕を大きく動かします


深いタッチと手首の使い方


生徒さんの手の支え方


ロシアンメソッドは旧ソ連のピアノ教育者が考え出したピアノ導入法です。
アルタボレフスカヤが中心となり考え出されたと言われています。彼女は現在のウクライナ出身です。上の動画の先生もウクライナ出身で現在はアメリカ在住です。彼女が作った子供の導入教本「不思議な音の国」(原題はTales of a Musical Journey)は日本語に翻訳されたものが自費出版されています。
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ニマニマ

2023年07月02日 | 重力奏法

こちらのインスタの存在をずっと知らずにおりました。

なんということ・・

拝見していて思わずニマッとしてしまいました。
下の動画です。

メロディーを受け渡して弾くことから習い始めることは、「不思議な音の国」でもお馴染みです。

腕を大きく使い滑らかに演奏します。
音をよく聴かないと美しいレガートにはなりません。


アーティキュレーションの手や重さの使い方をこれも「不思議な音の国」ではみっちりやります。

これを”公式”と言い表したのは良いアイディア!

基本の手の使い方がアーティキュレーションにはあり、これがイリーナ先生の仰る「誰でもある程度の音楽的な演奏ができる」という意味なのだと思います。

この公式は気を付けて使わないと、音が綺麗で良く弾けているけれど、音楽は感じていないよね、になってしまいます。


<svg width="50px" height="50px" viewBox="0 0 60 60" version="1.1" xmlns="https://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="https://www.w3.org/1999/xlink"><g stroke="none" stroke-width="1" fill="none" fill-rule="evenodd"><g transform="translate(-511.000000, -20.000000)" fill="#000000"><g><path d="M556.869,30.41 C554.814,30.41 553.148,32.076 553.148,34.131 C553.148,36.186 554.814,37.852 556.869,37.852 C558.924,37.852 560.59,36.186 560.59,34.131 C560.59,32.076 558.924,30.41 556.869,30.41 M541,60.657 C535.114,60.657 530.342,55.887 530.342,50 C530.342,44.114 535.114,39.342 541,39.342 C546.887,39.342 551.658,44.114 551.658,50 C551.658,55.887 546.887,60.657 541,60.657 M541,33.886 C532.1,33.886 524.886,41.1 524.886,50 C524.886,58.899 532.1,66.113 541,66.113 C549.9,66.113 557.115,58.899 557.115,50 C557.115,41.1 549.9,33.886 541,33.886 M565.378,62.101 C565.244,65.022 564.756,66.606 564.346,67.663 C563.803,69.06 563.154,70.057 562.106,71.106 C561.058,72.155 560.06,72.803 558.662,73.347 C557.607,73.757 556.021,74.244 553.102,74.378 C549.944,74.521 548.997,74.552 541,74.552 C533.003,74.552 532.056,74.521 528.898,74.378 C525.979,74.244 524.393,73.757 523.338,73.347 C521.94,72.803 520.942,72.155 519.894,71.106 C518.846,70.057 518.197,69.06 517.654,67.663 C517.244,66.606 516.755,65.022 516.623,62.101 C516.479,58.943 516.448,57.996 516.448,50 C516.448,42.003 516.479,41.056 516.623,37.899 C516.755,34.978 517.244,33.391 517.654,32.338 C518.197,30.938 518.846,29.942 519.894,28.894 C520.942,27.846 521.94,27.196 523.338,26.654 C524.393,26.244 525.979,25.756 528.898,25.623 C532.057,25.479 533.004,25.448 541,25.448 C548.997,25.448 549.943,25.479 553.102,25.623 C556.021,25.756 557.607,26.244 558.662,26.654 C560.06,27.196 561.058,27.846 562.106,28.894 C563.154,29.942 563.803,30.938 564.346,32.338 C564.756,33.391 565.244,34.978 565.378,37.899 C565.522,41.056 565.552,42.003 565.552,50 C565.552,57.996 565.522,58.943 565.378,62.101 M570.82,37.631 C570.674,34.438 570.167,32.258 569.425,30.349 C568.659,28.377 567.633,26.702 565.965,25.035 C564.297,23.368 562.623,22.342 560.652,21.575 C558.743,20.834 556.562,20.326 553.369,20.18 C550.169,20.033 549.148,20 541,20 C532.853,20 531.831,20.033 528.631,20.18 C525.438,20.326 523.257,20.834 521.349,21.575 C519.376,22.342 517.703,23.368 516.035,25.035 C514.368,26.702 513.342,28.377 512.574,30.349 C511.834,32.258 511.326,34.438 511.181,37.631 C511.035,40.831 511,41.851 511,50 C511,58.147 511.035,59.17 511.181,62.369 C511.326,65.562 511.834,67.743 512.574,69.651 C513.342,71.625 514.368,73.296 516.035,74.965 C517.703,76.634 519.376,77.658 521.349,78.425 C523.257,79.167 525.438,79.673 528.631,79.82 C531.831,79.965 532.853,80.001 541,80.001 C549.148,80.001 550.169,79.965 553.369,79.82 C556.562,79.673 558.743,79.167 560.652,78.425 C562.623,77.658 564.297,76.634 565.965,74.965 C567.633,73.296 568.659,71.625 569.425,69.651 C570.167,67.743 570.674,65.562 570.82,62.369 C570.966,59.17 571,58.147 571,50 C571,41.851 570.966,40.831 570.82,37.631"></path></g></g></g></svg>
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最近生徒さんに、腕の重さという表現より肩甲骨から弾くと言った方が音が変わることが判明。

肩甲骨から手を開くようにすると言って、空中で手をパ~と開いてもらい、そのつもりで弾く、と言うと伝わります。

最初はとにかく、肩甲骨(背中)から水道を鍵盤に流し続けられるようにすること。

上達してきたら、どのくらい水を流すかをまずは、手首を蛇口にして大きく開けたり小さく閉じたり出来るようにして、次第に手首だけで調整せず背中でも調整出来るようにしていくと、演奏している時に指が鳴らしている感覚はなくなり、胴体が音を鳴らしている感覚になり、自分自身が楽器のような感覚になってきます。

ピアノを弾くには背中が大事。

初めてウィーンでレッスンを受講した時にできるだけ聴講もしたいと思い、聴ける先生のレッスンは全て聴講しました。

その時にある女性の先生が、小柄な方にもかかわらず、しかも普通の椅子に座り背もたれに思いっきり背中を付けて足を組んだままベートーヴェンのテンペストをちょっと弾かれた時に、驚くほどの厚みと重みと鳴り響く音に「えっ 」と口が開いてしまいました。

その姿勢では音なんか鳴らないと思っていたので、「どうして?」と唖然としました。

ミシェル・ダルベルトやルプー、ヴォロドスが背もたれに背中をぴったり付けて演奏している姿を見かけますが、そう言うことなのだろうと思います。

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誰でもできる、ある程度の音楽的な表現

2023年06月18日 | 重力奏法

「不思議な音の国」の著者、イリーナ・ゴリンさんは、誰でもある程度の音楽的な演奏は可能である、と仰っています。

この言葉を聞いた時は、これまでたくさんの子供たちのレッスンをしてきて、そうとは言い切れないと思いました。


しかし、今はその意味が理解できます。
出来る出来ないはあるので、誰でもとは私の場合は言い切れませんが、そういう意味かということはわかります。


「不思議な音の国 下巻」では様々なアーティキュレーションの発音法を覚えます。

一般的な教本ではここまで細かな音のニュアンスは求められていません。
つなげて弾いたり、切って弾いたりすれば良しという進め方になり、正直な所はやくブルグミュラーやソナチネまで進んでくれると、感情的なものと結び付けて音のニュアンスを作り出すことができるので、とにかく速く進んでほしいということになります。

だから、速く進む生徒さんは表現力が付いて行き、そうではない生徒さんは音楽的な表現からは遠いところに漂流することになります。



”誰でもある程度は音楽的な表現ができる”、これは感情的なものと結びつかなくとも出来てしまうということでもあります。

そうならないために、「不思議な音の国」の曲は楽しい気分の曲だけではなく、悲しい曲も多いですし、美しい曲もたくさんあります。
習い始めに短調の曲が一番多い教本かもしれません。


さて、他で習っていて移動してきた生徒さんの場合。
本人と親御さんが、美しい音で弾けるようになりたい、ピアノの弾き方をきちんと習いたいという理由で講師を変えられたのであれば、音楽的な表現ができる技術を身に付けることが出来ます。

音が自分で読める生徒さんでしたら、「不思議な音の国 下巻」を使う必要はありません。
「はじめの一歩」でも良いかもしれませんが、音を作り出す技術に特化したグネーシナの「ピアノのABC」が良いです。





このテキストを使い始めた小学5年生の生徒さんがいますが、ノンレガート、メゾスタッカート、スタッカート、テヌートの弾き方が既に最初の2曲でできます。

生徒さん用に購入しておいたものがあるので現在の4分の1の価格でお渡し出来ましたが、今取り寄せるとこれもたいへんな額になります・・
The Piano Abc Gnesina - AbeBooks

実は、製本する必要がありますが、ダウンロードできます。
きちんと楽譜になったものの方が大切に扱ってくれますが、円安の現在こちらで凌ぐことは出来ます。
ダウンロード→фортепиано азбука PDF

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指をほぐす&開く体操

2022年11月26日 | 重力奏法

私は首のヘルニアで7年間まともにピアノが弾けない時期がありました。


右腕に痛みが出てしまい、指がパンパンにむくみ、手の平が常に熱で熱くなっておりました。
15分弾くのがやっとで、半年くらい経って30分弾けるようになりましたが、それ以上は無理でした。


忘れてしまいましたが、1時間弾けるようになるまでに1年はかかったと思います。それ以上はどう頑張っても1時間半が限界で、それが7年続きました。無理をして弾いてしまうと、そのあと2~3日はピアノが全く弾けなくなるという状態になり、生徒さんのレッスンは続けていたので、左手だけでレッスンをしていました。


それがある時、急に2時間弾けるようになり、そこから1週間くらいで2時間半。そのあとは3時間弾いても何ともなくなり、気力さえあれば何時間でも弾けるようになりました。



徐々に弾けるようになってきた頃に、こちらの動画の様な体操を毎日するようになりました。

ピアノを弾く前に必ず行い、就寝前にも行いました。
歩きながらでもできるので、そんな時にも行いました。

実はこれは、学生の時にゼミの先生が手の体操があるとコピーをして渡して下さったもので(本を買うととても高いからと)、その時は全く試さなかったのですが、それから10年くらいして何気にその存在を思い出しやってみたのです。

続けていると指の間が以前より開くようになり、それまでハノンやスケールでウォーミングアップしなければ指が動かなかったのですが、この体操をするだけで問題なく動くようになりました。

たくさんありますが、毎日できて覚えきれるものを選んで行いました。トータル5分。


これを結構長い期間、10年位は毎日しておりました。
そうしましたら、同じようなものが、ある学校の教室に貼ってありました。
記念に写真に撮ったのがこちら。


こちらは、演奏前に体をほぐす時用のものだと思います。私も演奏前にはこのようなことをしています。


初めの1分半位のものは私はしておりません。上の写真のように肩や手首をほぐすところから始め、そのあとに指の体操に移っていました。
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