おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

やっぱり覚えられた

2024年02月08日 | レッスン

3月の発表会に参加される年中の男の子。

昨年9月の最終週からピアノを始めたので、今回は見送ってほしいと思っておりましたが、ママさんの強いご希望で参加することになりました。


正味あと3回のレッスン。

その内の1回を今日終えました。

3曲弾くのですが、最初は不思議な音の国から「電車がはしる」を弾きます。
右手を弾いたら左手を弾くことにし、実質リピートします。

2曲目はロシアの教本から「こいぬたちのワルツ」
そして3曲目がリストのハンガリー狂詩曲第2番のモチーフです。

リストは、前回2小節だけ覚えたので、今日は残りを全部やらなければ間に合いません。


今日覚えた所は手のクロスがあるところなので、混乱するかなと思っておりましたが、「カッコいいところだよ」の言葉で、「よーし!」とやる気が満ちました。

この曲は2回ずつ同じことを繰り返すのですが、今日は1回の時もあれば2回の時もある状態。
2回弾いたら和声が変わるので、1回で先に行ってしまうと和声的にへんてこりんになってしまいます。

あと2回で数えられるようにしなければ。


感心したのはリズムです。

リズムの模倣はまだよくできないのですが、この曲に関しては乗り方が上手くできています。

やはり日本人とは違うなと思いました。

ママさんはルーマニアのかたなので、ロシアの教本から曲を渡しましたら、すぐにロシア語の曲名を読んでいました。
不思議な音の国が日本語がたくさん書かれていて申し訳ないと思っておりましたので、私も少し気持ちが楽になりました。

日本式のピアノの弾き方を教えているのではなく、ヨーロッパで通用するものを教えていることが伝わっていたら良いなと思います。

ママさんのお名前、イリーナさんというのです。
不思議の教本を作った先生と同じだとご存知かどうかはわかりませんが。
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親次第

2024年02月06日 | レッスン

以前イリーナ先生の有料講座で、「子どもの成長は親次第」との言葉がありました。

その言葉に教える身としては救われました。

一部の生徒さんがいつまで経っても音が読めない、スムーズに弾けないのは全て教え方が良くないからだと思い、色々と工夫を重ねてきました。

しかし、これ以上どう教えたら理解できるのか、覚えてくれるのか、もうお手上げと思った生徒たちがいました。少しでも復習してくれたらここまで出来ない、分からない状態は続かないのではと思っても、その気持ちに持っていけない私に問題があると思っていました。


そうやって何十年も教えてきました。

しかし、メソッドを変えてからご家庭の状況が見えるようになってきておりました。
そこにイリーナ先生の言葉。


教える方も献身的でありたいとの想いは変わっておりませんが、相手を選ぶ必要もあると今は思っています。

今日見かけた記事に次のようなものがありました。

「努力できる子の親がしているたったひとつの習慣」という記事です。

 子どもにどれだけ素晴らしい才能があっても、どれだけ有能なコーチの下で練習していても、コーチ任せにしてはいけません。家庭でも「親が」練習につき合い、励ましながら基礎練習を継続しましょう。グループ練習に参加しているだけでは、技能はよくて平均止まりです。平均止まりでは「自信」につながらず、習い事に参加する意義が半減してしまいます。


詳しくはこちら。

「努力できる子」の親がしているたった1つの習慣(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース

 「“正しい努力”を知っている子は伸びる」そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんな...

Yahoo!ニュース

 


これとは別の記事にありましたが、親がやり抜く力を持っていないと子どもも持てないそうです。
習い事は色々とありますが、楽器はこのタイプの方は難しいです。

向き不向きはあります。

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ちいさなハリネズミ

2024年01月28日 | レッスン

カバレフスキーの「ちいさなハリネズミ」という曲。(「かわいいハリネズミ)となっている楽譜もあります)

不思議な音の国を終えた生徒さんに弾いてもらうことが多い曲です。



ドイツの赤いクマさんの楽譜を不思議修了後に使っているので、この曲集に入って間もない頃に弾いてもらっている曲のひとつです。

不思議の教本は腕を使うことを習い始めから行いますので、このような曲はさほど苦労することなく弾けます。


しかし、ピアノを指だけで弾いてくるとそうはいきません。

暴れん坊なハリネズミと化し、デコボコ道もなんのそのなワイルドなハリ坊になってしまいます。

そうならないように、安定した腕の動きが必要です。

さらに、回転も使うと音が生きます。
2匹のハリネズミが正面衝突して、何度も頭をゴツンとぶつける様子が表現できると思います。


回転はDrayerさんの「Little Gems for Piano」のこちらが美しい上にわかりやすいと思います。




ピアノにも弾き方がちゃんとあるのです。
音符と鍵盤の場所を一致させれば良いのではありません。
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無理かと思っていましたが

2024年01月25日 | レッスン

昨年9月の最終週からピアノを始めた年中の男の子がいます。

ご両親はヨーロッパの方です。
お父様のお国にはアリシア・デ・ラローチャという素晴らしいピアニストがいました。お母様のお国には、クララ・ハスキル、ラドゥ・ルプーというこれまた素晴らし過ぎなピアニストがいました。


今年の3月に、その生徒さんが通っている教室の発表会があります。

これまで7月に始めて翌年3月の発表会に参加された就学前の生徒さんはおりました。それでも私は、参加はあと1年待ってほしいと思っておりました。

今回の新しい生徒さん。
とーぜん私は、見送ってほしいと思っておりましたし、見送って頂くつもりでおりました。


ところが、お母様が
「でます!」

おっ、海外の方なのであり得るなと思っておりましたが、あり得ました。

それで私は、連弾と言って、私と一緒に弾くことになると思いますが、まだテンポが感じ取れないので一緒に弾くこともできない状態です、と言うと、

「知ってます!出たいです」


こ、これは・・

日本人は習い始めて1年に満たないと、大体翌年に参加という話になります。曲の準備が出来そうな生徒さんには、大丈夫だと思いますよと話しますが、それでも見送るご家庭は珍しくありません。


そして、参加申し込みを済まされてしまったので、やるしかなくなりました。


曲目を提出するにも決められず、教本の名前を書くことにしました。

生徒さん本人は、自分が何をするかわかっていないのですが、レッスンに集中してとにかく曲を覚えなければいけません。

結局、2曲は覚えられそうでしたのでそれに決めましたが、曲が短いので1分くらいで終わってしまいます。


こ・これでは楽しみにしているご両親がガッカリしてしまうかも・・
と思い、あと1曲なんとか覚えてもらおうと、伴奏が綺麗な「スケールワルツ」にしようとしましたら、本人が気に入らずでボツ・・

もうこのカッコイイ曲を覚えてもらうしかない!と、ロシアの教本に載っているリストのハンガリー狂詩曲第2番のモチーフを使った曲にチャレンジすることにしました。


普段のこの生徒さんの集中力から考えると、この半音を含む曲は複雑で「やりたくなーい」になる可能性大でした。

ところが、絵に助けられました。


この子はなんで水に足を入れているのかと訊いてきました。
説明すると、〇〇くんはそんなことしたことない、と。

雨の日に水が溜まっている所に足を突っ込んだことない?
と訊くと、「あっ、ある」「ズボンがきたなくなる」と。

この子は「ズボンがきたなくなるのに、なんでやってるの?」と。
「みんなにげてる」と生徒さん。

良い所に気付きました。


この絵のおかげで、この曲に一気に興味が湧いたようで、今日は4小節覚えました。

今日はお父様がいらしていたので、他の2曲を含め最後に部屋に入って聴いて頂きました。

まだ覚えたてで、すらすら弾けませんが、それでも「よく覚えた!スゴイよ、〇くん」と大拍手&Baiserの嵐。

本人もとても、とても嬉しそうでした。


褒め方のレベルが違うな、と思ったのでした。
ダイナミック


リストの曲は、これから手の交差があるのでどうなるか分かりませんが、何とかなりそうに思います。

そして、良い音で弾くこと。
このことは「不思議な音の国」でどのように音を鳴らすかをしているので、出来ると思います。それに、根元から太くて真っ直ぐな指をしているので、上から腕を下ろせれば良い音が出せます。

さらに踊っているような音楽にまで達することができたら、最高です!
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専門家だから教えられることを

2024年01月22日 | レッスン

5~6年前まで、ピアノを専門に勉強していなくとも教えられるような事を、ただ工夫して教えていただけだなと最近思いました。


何がきっかけでそう思ったかというと、今、冬に3回だけ受講できる短期レッスンを受けている生徒さんがいます。

私が稼働している楽器店では、夏と冬にそのようなレッスンを受講することが出来ます。

ここ何年かこれを就学前のお子さんが受講することが私の場合は増えていてます。おそらく、年齢的にピアノのレッスンを受けられるかを保護者の方が試すために受講されているのだろうと思います。

体験レッスンで僅かな時間受けてみるより、ずっと確実だと思います。

正直な所、体験レッスンは出来ないことは避けて終わるので、本当の所は保護者の方はわからないと思います。
また、問題を認識できないまま入会されると、現実とのギャップに戸惑われていく可能性があります。


今回申し込まれた方は、保護者の方にピアノ経験があるようで、「子どもにどう教えたら伸ばすことが出来るか知りたい」とアンケートにありました。

電子ピアノをお持ちなようなので、趣味で習ったことがあるのだろうと思います。ご自分で教えるつもりで、最初の導入法をお知りになりたいのだろうと思いました。


私は音符の読み方や鍵盤の場所を教えるのがレッスンだとは考えておりませんので、音符の読み方やリズムをいきなり教えることはしません。

その前の段階にすべきことがたくさんありますので、それを正しい奏法を身に付けると同時に行っています。


この短期レッスンでも同様です。

ただ、3回のレッスンで曲の一部分でも良いので弾けるようにして終わらせています。

手や指の力みがさほどなければ、聞き覚えで1曲丸ごと弾ける可能性があります。そうでなければ、知っている曲の一部分にしています。


弾く時に何に注意を払うか、鍵盤の位置を覚える時にどのようなことをするか、音の聴き取りの最初の段階をどのようなことから始めるか、リズムというものを意識するために最初に何をするか。

これら全てが同時に行われるのがレッスンです。
個別に、あれをやったら次はこれではありません。

奏法そのものも専門家でなければ分かりませんが、これらをリンクさせレッスンを進めるのも専門家でなければ難しいかもしれません。


自分がしていることが随分専門家らしくなったものだと、今回の経験でふと思いました。

以前は工夫することばかりに目が行っていて、正しく教えられていなかったなと思います。

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リリース

2024年01月19日 | レッスン

ピアノは同じ音を続けて弾くのが難しい楽器です。

鍵盤を上にあげてからまた下ろさないと、次の音は綺麗に鳴ってくれません。

ここでの話は連打のことではなく、4分音符のリズムで弾く程度のことです。


生徒さんのレッスンで、同じ音や同じ音が和音に入っている時に、たいてい後の音が汚くなります。

前の音をちゃんと離してから次の音を下ろせば良い、とよく言うのですが、なぜか前の音が離せない人が多く、謎。


最近拝見したイリーナ先生のミラちゃんのレッスンで、同じことを注意されていました。(2’57”から)



イリーナ先生が「どうしてあなたは時々音が鳴らなくなるのかというと」と言った後、「you're not releasing and you're not letting the key go」と仰っています。

それを聞いて、
「リリース、という表現は良いかもしれない」と思いました。                   

小学校高学年以上の大人の方を含めた生徒さんに、同じ音が続く時に前の音を離していないために次の音が上手く弾けずにいた生徒さんがちょうどいたので、「リリースする」と言ってみました。

そうしましたら、「離して」で効果なしだったものが「リリース」で効果発揮!


今週、4人の生徒さんに使ってみましたが、今のところ全員離せています。

なぜでしょう・・

解き放つ感があるのでしょうか・・

それなら、「解放!」でもいいのかな?

きっと、ダメだな。
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いつまでに暗譜 ?

2024年01月17日 | レッスン

イリーナ先生の動画で本番前のレッスンは、緊張感があると思いながら拝見しました。

20回に亘るイリーナ先生の有料講座の最後で、本番前や当日にする事を挙げられていました。
本番当日はどのくらい前に食事を終えておくとか、会場に何分前までに入るとか、靴のヒールは何センチが良いとか。

その中で、暗譜をどのくらい前までにするかというお話しがありました。

年中までは2~3週間前
それ以上は1~2ヶ月前

私自身は、以前は本番1ヶ月前までには暗譜は終えておくようにしておりました。
今はもっと前までに終えないと怖くて弾けないので、準備は年単位になっています。


若い生徒さんたちは1ヶ月前でも怖いということはないので、遅くとも1ヶ月前までに暗譜と考えておりますが、イリーナ先生は全体にもっと早い印象で驚きました。

私の生徒は、1ヶ月前を目安にしているものの、実際は2~3週間前というのが現実です。


暗譜は確かなものにする方法がいくつかあるので、それを習得するためにも早めに譜読みを終え、技術的な問題を解決しておく必要があると思います。

それをしたいのに、譜読みに時間がかかったり、技術的な問題がずっと解決出来なかったりすると暗譜に時間を割けなくなります。
結局、自然に手が覚えたものが暗譜だと思ったまま終え、発表会が終わると弾けなくなる··

しかし、生徒の鑑のような人も中にはいて、発表会が終わっても自分で時々弾いているようで、3か月後、半年後、一年後でも、まだ覚えてると言って聞かせてくれる生徒さんも僅かにいます。

偉いなぁ。


学年が上がってくると、頭で覚えることをしないと緊張で歯車が狂うと大変なことになります。
できればその様なことにはなってほしくないです。

いつまでに暗譜を終える、と逆算して練習を進められるようになってくれると良いのですが、これがわからなくてたいへんです。

逆算は経験からくるものなので、発表会前の先生だけピリピリして本人は呑気という光景はよくあると思います。

学校の試験でもギリギリにならないと勉強する気が起きないという生徒さんがいます。
そのような人はピアノも同じでギリギリです。

そういう人は、勉強を始める時にまず机の上を片付けてと考え、すると、この日は片付ける時間がないから今日はできないになるそうです。

よゆ~

人間はいつからやるとか、これが終わったらやると考えると、結局やらないものです。思った時にさっさと始めることです。


掃除も片付けもさっさとやる。

はい、さっさとやります


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こんなに音が鳴るとは

2024年01月14日 | レッスン

これは生徒さんが発した言葉です。

「この弾き方で、こんなに音が鳴るとは」

大人の生徒さんです。
小学1年生の終わり頃に引き継ぎ、現在社会人3年目。


下に弟さんがいて、同じ時に引き継ぎました。
2人とも無理矢理な弾き方をしていて、本人たちはいい加減に弾いているわけではなく、お母様に小さい頃から無理に難しい曲を弾かされてきたことにより、硬直した手になってしまっていました。

この手を直すのは大変だと思ったのと、先に進まなければ許されない状況でもあり、手を直すことはしませんでした。

2人とも男の子なので、ピアノを長く続けることもないだろうと思っていたのもあり、そのままにしました。今でしたらそのようなことはしないのですが・・

中学受験があり、塾通いも忙しかったので、手のことは完璧にノータッチでした。


大学生になり、やっと時間にゆとりが出来たので、言えること、出来そうなことはやろうと思い、少しずつ弾き方を直し始めました。

社会人になったらピアノは辞めるだろうと思っていたので、大学4年生の時に革命のエチュードにチャレンジしました。

予想に反して、社会人になってもピアノは続け、就職した1年目はちょうどコロナ禍でほとんどオンラインで仕事をするだけでしたが、2年目は残業の日々でピアノどころではなくなりました。ニーヤオートマタでつないだ1年でした。

それでもレッスンは辞めず、3年目になりまた余裕が出来たので、クラシックの曲に戻りました。


今年最初のレッスンで、鍵盤をただ下ろすことをしてみました。そのあと自分で片方の手で腕を下から支えて弾く練習をし、支えを取ってもそれを再現できるようにとやりました。

そうしましたら、「この弾き方でこんなに音が鳴るなんて」と。

良い耳をしています。

鳴る、というのは大きい音が出せるという意味ではなく、弱い音なのに音の広がり方がこれまでと違う、という意味です。


耳の良い生徒さんは皆、驚いたような顔でその場で感覚を忘れないように何度も弾いて確かめます。

この方法でこんなに変わるとは私も思っていなかったので、自分でも驚いています。

音ははっきりしているけれど、全く音楽が流れない生徒さんは、基本的に全ての音をアタックして鳴らしているので、そのような生徒さんにも鍵盤をただ下ろすことをしてもらうと改善できます。

腕の重さとか、深く弾くとかは実感できない人が少なくありません。しかし、鍵盤をただ下ろすだけというのは、ほとんどの人が分かります。

それでも、ただ下ろすことが分からない人はいます。
手の甲と手首の高さが真っ直ぐにならない人は、これがわかりにくいようです。腕の長さも関係している気がします。


25年位前に、イタリアに1年間留学していた楽器店の先生がいらしたのですが、その先生が1年間ずっとスケールをやらされていたと言っていました。鍵盤の下ろし方を習っていたと。

そのお話を聞いた時は意味を把握できておりませんでしたが、今はそういうことかと理解できます。


何も教えなくとも、鍵盤を下ろしている生徒さんというのはいるものです。
音が綺麗な生徒さんは大体そうなっています。

年齢は関係ありません。


鍵盤を下ろすなんてそんなこと常識でしょ、と思われている方もいらっしゃると思います。

鍵盤を下まで下ろして、は昔からよく言われている言葉です。
鍵盤は軽く触れようが叩こうが突こうが下に下がります。

どう下ろすかまで教えなければ、有害となってしまう可能性のある言葉です。
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鍵盤を下ろすだけ

2023年12月29日 | レッスン

案外できていないのが、鍵盤を下ろすこと。

だと、思います。


鍵盤をアタックしたり、鍵盤の上で指だけ懸命に動かしていて、実は鍵盤は下ろせていない、ということは多いと思います。


ピアノの鍵盤は重くないので、少しの力で動きます。

少しの力で鍵盤を下に下げることはできます。しかし、鍵盤を下ろそうと思って下ろすのと、触ったら下りたものでは聞こえる音が違います。


何年も腕の重さを使って音を鳴らすことができない大人の生徒さんがいました。
スライムを使ったりノンレガートのメソッドを渡したりしていましたが、実を結ぶことはありませんでした。

もうその事に触れないようにしようと決めても、弾いている曲が本格的なクラシックなので触れざるを得ずでした。


それがピアセツキー先生の動画を見直して、何の力も加えずに、まず鍵盤を力みなく下ろすことから始めているのを拝見し、これだと思いました。

深く弾く前に、まずはコンと鍵盤を打つことなくただ下ろす。

それをその生徒さんにしてみました。

そうしましたら、翌週、音が変化していました。
前々から、その生徒さんがファンであるピアニストさんの弾き方が、全く力むことなく腕の重さを使って鍵盤を下ろせているから良いお手本になると話していたのですが、少し前にそのピアニストさんの来日時のN響とのコンチェルトの放送があり、それをご覧になったその生徒さんが、本当にちゃんとそう弾いている、とてもよくわかったと。

今年のいちばんの収穫は、鍵盤を下ろすことを知ったことだと。


子どもの生徒さんにも、2つのことを私はこの年末に言うようになりました。

鍵盤をただ下ろして、と、3つの骨が見えるように。


これだけで音が変わります。
深い音は出ませんが、下ろすことが先だろうと気付きました。
決してコンと打たずにただ下ろす。その音で弾き続けられるように。

鍵盤の上で指だけ動かして鍵盤が下りていない音は質が違います。
ゆっくり弾くとほとんどの生徒さんは気付くので、その意識と耳を作り直すところから来年は始めようと思います。


いつまで経っても完成しない自分にあきれつつ、発見できる喜びもあり、生徒さんがいなければ知らぬままでいたこともたくさんあり、改めてみんなに感謝です。


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連弾三昧

2023年12月25日 | レッスン

ここ数年、クリスマスシーズンは生徒さんとクリスマスの曲を連弾するのが私の楽しみになっています。

普段から連弾はしたいと思っていますが、ソロの曲を優先していくと、なかなかそこまで手がまわらずで。

クリスマスを口実に連弾をしていると言って良いかも··


連弾は楽しいですが、相手と息を合わせる、相手の音を聴く、といったことが必要です。

一緒に弾くと、呼吸を合わせる、合図を送ることが自然に身に付いている人と、間違えたと言って勝手に止まる、勝手に弾き始める人がいます。

間違えることは大した問題ではありません。間違えたと言って止まることの方が大問題です。
こんな時、私は弾き続けます。途中からでも入ってこられるはずですので。

しかし、ここから入ろうと待機するでもなく、片手だけでも弾こうとするでもなく、真っ先に諦めることを選択するのは非常によろしくないです。

流れを止めない生徒さんは、必要な音を拾って弾き続け、数小節後に完全復活します。
これはソロでも同じです。

指使いを間違えた、と止まる人がいますが、誰もそんなところを見てはいません。
流れを止めることの方が罪深いです。


音楽は時間の芸術。

始まったら呼吸も始まり、脈打っていきます。

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体の硬さ

2023年12月22日 | レッスン

体の硬さはピアノ演奏にどう影響するのだろうと思います。

実は、小1からレッスンに通っている中3の生徒がいます。

小学生の時は体の軸がいつも曲がっていて、両足が左を向いた状態でピアノを弾いていました。

自覚はないようで、指摘するとよく驚いていました。


スタッカートでカエルを前に飛ばせるようになるのに8カ月かかりました。

8カ月間毎週したわけではなく、3~4週続けてもカエルが必ず下に落ちていたので、間をあけた期間がありました。

間をあけてはまた試しで、8か月後にようやく前に飛ばせるようになったのです。

手首を前に出せば済むことなのですが、私の言い方も十分ではなかったのかもしれませんが、どうしても指だけで弾こうとするので、カエルはピアノの下へと毎回落ちていました。


その生徒さんが、自分は体がものすごく硬いと。
尋常じゃないくらい硬いと。

ふ~ん、そうなの。

と大して気にもしておりませんでした。


中学生になり、体の軸がだいぶ真っすぐになっていました。
足が斜めを向いていることもなくなりました。

レッスンで話している時に、腕の力を抜くと言うことが分からないと言うので、腕をだらんと下ろし、ゆっくりと交差させながら上半身を前に倒していくと、力が抜けた状態がわかるとやってみました。

ついでに風車も紹介しておこうとやりましたら、腕が肩からスムーズに回せず、おやおや、なんだこれは・・でした。

力を抜いて振り回せばよいのですが、肘で回そうとしている感じでした。

肩痛いの?と聞きましたら。そうではないと。
なんか回らない、と。

これは年齢的に全く逆だろうと。
私が肩が回らないは、あり得ます。整形外科で動かさないと腕が上がらなくなりますよ、と壁を使って腕を上げさせられた記憶が・・


試しに、これできる?と、よく本番前に舞台袖でやる指を後ろ向きに組んで、そのまま前に倒れていくストレッチをしてみせましたら、後ろで指は組めましたがそこ止まり。

うっ、硬すぎる・・

前屈で足の指まで手が届く柔らかさはなくとも、肩や背中は柔らかくないとピアノは弾きにくいだろうな、と思いました。

そう教えたことはないのに、肘を体に付けて弾いてしまうので、肩の硬さかが関係しているのかな、と思ったりしました。


ピアノと柔軟性について考えたことがありませんでしたが、ちょっと軽いストレッチを教えておこうかな、と思います。



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ピアノを弾く時の指

2023年12月16日 | レッスン

ピアノを弾く指はクネクネしていない方が弾きやすいです。

歩く時に膝がカクカクしていたら歩きにくいのと同じです。


全ての指がクネクネする生徒さんは少なく、1,2本の指がクネッと内側に反ってしまうお子さんが多いと思います。

ピアノを弾く時の指を子どもたちに知ってもらう必要があります。


ピアセツキー先生が消しゴム鉛筆で、「この骨が見えるようにして」と3つの関節を指さしていらしたので、年中の生徒さんに同じように言ってみました。

そうしましたら、内側に反っていた指がピアノを弾く指に変身。
実際に弾く時はまだ重さを支えるだけの強さはありませんので、下から腕を支えてあげる必要があります。

プールでバタ足の練習で手を持ってあげる感じでしょうか?


スイミングに通っているお子さんは少なくないですが、スイミングはこれができたら〇級とあります。

水に顔がつけられるようになったら9級とか。


ピアノもこのようなものがあったら、どのように段階を踏んで曲の演奏に至るか分かるようになるのでは、と思いました。

不思議な音の国用にこのようなものがあっても良いかも・・

椅子に正しく座れるようになったら10級とか。


私の生徒は10級取るのに5年かかりそう・・
取っても剥奪とか・・

笑えない・・


ピアノ演奏には体の使い方があることをご存知ない保護者さんにとっては、このメソッドは何をしているか分かりにくい面があるので、保護者さん向けにクリアしてほしいものを順番に書いたものを作成しても良いかもしれません。


と思い、上巻の分を作り始めました。


1枚にまとめる気でいたのですが、とんでもありませんでした
生徒さんも自分で確かめられるように項目を作りました。

思ったより大変な作業になっていて、本当に生徒さんの役に立つのかなぁと思いつつ、とりあえず上巻の分だけ作ってみようとしています。


考えてみたら、語学学校は課ごとに何を習うか書いた表のようなものが配られていて、どこまで勉強したら何が覚えられるか分かるようになっていたな、と思い出しました。


無いよりは良いかもしれない・・

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おとぎのくに

2023年12月11日 | レッスン

久し振りに生徒さんとの連弾を録画しました。

こちらの生徒さんは、今年の夏頃から10月まで月2回、現在は月3回のレッスンを受けられています。

他の教室で習われていましたが、ピアノの弾き方をきちんと習いたいということで私の所でレッスンを受けられるようになりました。

手のこともですが、音符を読まずに耳で覚えて弾いてきたようでしたので、色々とやり直す必要がありました。


とてもポジティブで明るく、音楽が好きな生徒さんです。
小学校高学年なので、手のことは直すのに時間がかかると思っておりましたが、しっかりと考えてピアノを弾く生徒さんなので、思いのほか直りが速いと感じます。

音の読みも初めは高さがわからず、あちこち違っておりましたが、だいぶわかってきました。

今はリズムが課題です。


今日は、連弾曲集「おとのくにへ」の最後の曲”おとぎのくに”を弾き、この曲集を無事に修了しました。
この曲集には伴奏CDが付いているので、時間がある時にはいつでも一人で復習が出来ます。




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頼りは耳

2023年11月27日 | レッスン

前回、楽器を弾く体づくりが出来ないまま進むと悪い癖になり、弾きにくさの原因になると書きました。

投稿したものを読み直していて、楽器は音の良し悪しは耳で判断するしかないのだと改めて思いました。


スポーツですと、逆上がりが出来なければわかります。だから練習します。
前転が出来なければやはりすぐに分かります。だから練習します。
練習をするうちにコツを見つけ、できるようになるかもしれません。


ところがピアノは、音が汚かろうが滑らかでなかろうが、鍵盤の場所を押すなり触るなりすれば知っている曲になります。

ヴァイオリンはキコキコ、ギーギーした音で弾いても美しくないことはすぐに分かります。だから、ボーイングの練習を丹念にして美しい音で弾けるよう練習します。


ヴァイオリンのボーイングのことを検索してみましたら、EYS Music Schoolさんの記事に、
「バイオリンのボーイングはなぜ重要なのか」「正しくボーイングできないと?」というものがありました。

次のように書かれています。

「バイオリンのボーイングはなぜ重要か」
バイオリンのボーイングがバイオリンを演奏する上での音色に関して、全てを支配していると言っても過言ではないでしょう。バイオリンには弦をこする位置、「鳴るポイント」が決まっています。その「鳴るポイント」を常に弾いていれば、美しい音が鳴り続けます。しかしそこから外れてしまった場合、せっかくの演奏が台無しに。バイオリンのボーイングはとても重要です!

「正しくボーイングできないと?」
正しくボーイングができないと、音がかすれたり、雑音が鳴ってしまったりします。また、音飛びを起こしたり、スラーがきれいに掛からなかったり、、、その影響は数えきれません。正しいボーイングは弓の軌道を正しく取ることだけではなく、弓の力のかけ方にも影響してきます。このことからも、いかにバイオリンのボーイングが重要かお分かり頂けることでしょう。

その他にも、正しい腕の使い方、手首、指についても書かれています。
【バイオリンのボーイングとは?】正しいやり方とよくある悩み3つを現役プロが徹底解説 | Music Lesson Lab


こちらの記事を読んでいて、ヴァイオリンの世界はしっかり基礎が共有されていると思いました。上手く弾けない原因と対処法があるようです。

おそらくこちらの記事を書かれた方の独自の考えではなく、ヴァイオリン界では常識なのだと思います。


ピアノは、これがない・・

音が鳴らない、硬い、パサつく、滑らかさがない。
この原因がどこにあるか講師自身もよくは把握していないので、しっかり弾いて、なんてことになり根本的な解決に至らないように思います。

ヴァイオリンは世界に通用する日本人が多いですが、ピアノは全く逆です。


ピアノはどう身体を使う楽器かを、教える人間が正しく理解する所から始めないとこの先も永遠にこのままだろう、と自分はなんぼのもんじゃと思いながら思うのです。


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楽器を演奏すること

2023年11月25日 | レッスン

少し前に受講した発達障がいの講座で、楽器の演奏は知的作業が必要で難しいことなのだと講座の先生が最初に話されていました。

本来そういうものなのだと、音楽の専門外の先生に言われてスッキリしました。


楽器産業は、楽器演奏は難しいものだと認めてしまっては楽器を買ってもらえないし、習ってももらえません。
だから音楽は楽しい!となったわけで、その矛盾の中で教える方は悪戦苦闘しているわけです。


簡単ではなくとも音楽にじっくり向き合う時間から得られるものは、想像以上のものがあります。
生徒さんたちがいつの日か、楽器を習っていて本当に良かった、幸せだと思ってもらえる日がきてくれたら、私にとってもそれはとても幸せなことです。

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