おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

エリーザベト・レオンスカヤ 東京春祭 2018年4月4日

2018年04月04日 | コンサート情報
1945年生まれ、ジョージア出身ウィーン在住のレオンスカヤのシューベルト・チクルスの第1日目を聴いて参りました。

6日間でシューベルトのソナタ(未完の3曲を除く)全曲+さすらい人幻想曲を演奏されます。

遺作のソナタ2曲のプログラムだけでも大変なことだと思うのですが、ソナタ全曲とはたいへんな偉業です。

本日の曲目は、
ピアノ・ソナタ 第1番 ホ長調 D157
ピアノ・ソナタ 第4番 イ短調 D537
ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 D850

シューベルト特有の「死」を予感させる曲目ではありません。
そばで歌っていたと思ったらいきなり遠くへ行ってしまい、戻ってきた時には厚い和音になり付点のリズムで踊り、これで終わるのかと思っていると新たな旋律がひょっこりやってきてさらに続き、こうしてシューベルトのソナタは長いものになるのだなと思いながら聴いておりました。

正直な所これらの作品は全楽章を通して完成度が高いわけではなく、レオンスカヤの演奏だから集中して聴き続けられたと思います。

彼女の持ち味でもある重みのある音、柔らかで品のある弱音、落ち着いた呼吸、必要な時に見せる若さある情熱。作り込まない自然さ。

第17番は40分かかる大曲です。
演奏後立ち上がった彼女の頬は紅潮しておりました。

70代の女性がシューベルトのソナタ全曲を生で演奏されるその情熱と体力。
当然ですが、ロシアン・メソッドですので無理のないリラックスした奏法で演奏されています。

アンコールでシューベルトの即興曲Op.90-4 変イ長調を演奏して下さいました。
低音で奏でられた深く息の長いフレーズと中間部で見せた瞬間的にほとばしる情熱。

今日のプログラムはそのような要素の少ない曲かと思いましたので、遺作のソナタを是非聴いてみたいと思いました。
(聴きに行けないのですが・・)
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