土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」に、
このようなことが書かれています。
お料理と人間との間に箸を揃えて横に置くのは、
自然と人間、お天道様から生まれた恵みと人間との間に
境を引いているのです。
私たちは「いただきます」という言葉で結界を解いて
食事を始めるのだと考えられます。
昨年、オンラインで受講した講座で、
ピアノの前に座っていきなり弾き始めるのは、
ご飯を食べる時に、「いただきます」も言わずに
いきなり食べ始めるようなものだ、と講師の先生が仰っていました。
その例えはわかり易いと思い、
その後レッスンでこのフレーズをよく使っています。
弾く前に息を吸って、と言うより子供たちにはピンときます。
土井さんの結界を解く話。
音楽もそのような神聖なものを始めさせてもらう、
そんな感覚があるべきなのだろう、と思ったのでした。
「一生懸命したことは純粋なことで、純粋なことは最も美しく尊い」
レッスンで度々この言葉を思い出して過ごしています。