須賀しのぶ著、「革命前夜」
1989年、ベルリンの壁が崩壊する前に東ドイツのドレスデンに音楽留学した青年を軸にした物語。
音楽の話かと思いきや、東西ドイツの社会の違いがその場にいるかのようにわかり、何度もこれはフィクションなんだと思いながらも、著者の念入りな資料考察の下に作り出された話に、歴史の勉強にもなりました。
1989年の夏に私はウィーンを初めて訪れました。
その頃はまだペレストロイカ以前で、飛行機はアンカレッジ経由。
乗り継ぎの待ち時間を含め、ウィーンまで24時間はかかったと思います。
その頃、ハンガリーに入国しやすくなっていると聞いていて、不思議な気がしていました。
この本を読んで、ハンガリーの方が東ドイツより先に西側に開放されていたと知り、今頃そうだったのか・・と。
この本を読みながら、情報規制された「無知の谷間」は過去の話ではない、と悲しい気持ちになりました。