昨年暮れに知った「みみをすます」という教本。
内容がとても素晴らしいです。
ピアノとソルフェージュの本「みみをすます」 あそびながら基礎ができる音楽性にあふれた教本 - 音楽之友社
音の読み方やリズムといったソルフェージュができる上に、ピアノの奏法を丁寧に覚えていける教本です。
不思議な音の国と併用するのにとても合っていると思います。
ソルフェージュと書きましたが、単に歌ったりパチパチ叩けばよいのではなく、譜読みをする頭の働かせ方を学ぶことが出来る内容です。
第3巻の講師に向けたコメントに、
『譜読みの段階でよく観察し、動きを要約するという頭の使い方を身につけさせましょう』とあります。
音がどうのような動きをしているか、どのようなリズムパターンがあるか。
レッスンで生徒たちにこれに気付かせるよう進めていますが、このような教本があると生徒たちもわかりやすいと思います。
しかもやさしい言葉で書かれています。


ピアノを弾く頭、というのはあると思います。
それは元々あるのではなく、作るのです。
演奏をするには色々と下地が必要です。
音符の読み方がわかったら、その先の譜読みのコツを知る。
そうするとそれがアナリーゼへと繋がって行き、より楽曲を深く知ることが出来、表現の楽しみが増します。そこに作曲家や時代背景が加わると、さらに具体化します。
そうすると、どんな音で表現すべきか考えることが出来ます。
そして、どのように音を作り出すかを知りたくなります。自分で試行錯誤してその音を見つけることが大切ですが、基本的なことはあります。それをレッスンで教えてもらい、様々な曲で習得して行き、いずれ一人でそれができるようになってほしい。
音楽を楽しいと思えるのは様々な下地ができてこそ。
練習をおろそかにして、ただレッスンに行くだけでは身に付くものが少なく、出来ないことが増えていきます。それでは長く続けることは出来ません。
日本語では音を楽しむという字を当ててしまっているので、それが商業的にうまく利用されていると感じますが、何もせず楽しみたい人は音楽鑑賞という方法があります。
アウトプットするには、ちゃんと鍛錬や努力は要るのです。