アマゾンわんわん日記 2018

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無敵の怠け者

2017年01月31日 | ブラジル雑記
現在我が家には家事の手伝いをしてくれる、いわゆる「メイドさん」がいません。
数年前にそれまで働いてくれていた人が辞めてしまって以来、気に入る人がいなかったこともあり、ずっとメイドなしの生活です。
ブラジルに来て以来、ずっとメイドに家事を手伝ってもらっていたので、最初は、いえ今でもたまに「しんどいな~」と思うことはありますが、まあ、人を使うこともそれなりにしんどいですから。
これはこれで気楽な生活です。
表のガレージをごしごし掃除していると、「あなたはセニョーラなの?メイドなの?」と怪訝な顔をされることはありますが。

リオからマナウスに移ってきて、最初に戸惑ったのが「メイドの見分け方」でした。
リオではメイドはたいてい色の黒い人たち。
住んでいる場所もいわゆる「ファベーラ」と言われる場所が主でした。
でも、マナウスは違うの。
普通のお宅のセニョーラもメイドも同じような顔つき、いでたち。
挨拶するのにも、悩んじゃったわ。
知り合いにこの話をすると「うふふ、セニョーラもメイドもどちらもカボクロが入ってるからでしょ。」って笑っていました。

うん?「カボクロ」??

一般にはインディオとの混血の人たちとか、キリスト教化したインディオとか言われるけど、定義としては正式にはブラジル北部地方の森の中に住む貧しい人たちを指す総称なんだそうです。
もちろん、森のインディオも含まれます。

ブラジルでは一般的に「カボクロは怠け者」だといわれています。
中隅哲郎さんの「ブラジル学への挑戦」によると、その昔ポルトガル人が侵攻してきたときに森のインディオを奴隷として使おうとしたそうですが、あまりの怠け者ぶりに諦めたのだそうだけです。
唯一、グアラニー族だけが白人の考えるような「働き」をし、そのために結果として「狩られる」ことになったのだとか。

この怠け者の「カボクロ」達。
自分たちが怠け者なだけでなく「働く」という行為を「嫌う」のだそうです。
女性も男性も日長一日、集まっておしゃべりをし、酒を飲み。
今でも、マナウスの市内でも郊外の学校でも「お昼を食べに」だけ、子供を学校に通わせる親がいるそうな。
生活保護を受けるために、子供をもうけ、生活保護のためだけに学校に通わせるがいるそうな。(子供にきちんと予防接種を受けさせ、学校に通わせないと生活保護が出ない)

みんながみんな、そうなないのでしょうけどね。
「カボクロ」じゃなくてもそういう人もいるでしょうし。

でも、まあ、身の回りをずらずらっと見渡してみると、確かにリオより多いよね、無為にだらだらしてる人。
仕事のやる気が全くなさそうな人。
堂々と立派に仕事をさぼる人。

人の悪いところを数え上げたらきりがないね。
これも、地域性ということか...
そもそも、「生育環境と人種」が違うんだから、私たちの視点だけで判断しちゃあいけないよね。

そういえば、昔、醍醐 麻沙夫さんの「アマゾン河の食物史」でこんな記述を読みました。
あるカボクロの集落で、見た風景。
ある家族は、朝から焚火にタンバキを一匹入れておきました。
昼には半身を家族がそれぞれ自分の好きな時に身をつまみ、ファリンニャ(マンジョッカ芋の粉)と食べます。
夕方になると主婦はタンバキを裏返して家族に「JANTAR(夕ご飯)」と声をかけます。
すると、家族はまた昼と同じように食べ始めるというわけ。
醍醐さん曰く「世界で一番手早い夕食の準備」

真似したいもんです。


コメント
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