アマゾンわんわん日記 2018

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ちょっと考えたこと

2012年10月30日 | 人間
先日、知り合いの人と話をしていました。
日本から来た日本人です。

この方の家の電化製品が壊れてしまったそうです。
で、新しいものを探したのだけれど、高い。
聞くと、お値段高めのショッピングセンターで探したということで、もう少しお値段手ごろな電化製品やさんが入っているショッピングセンターを紹介しました。
そうしたら、「そこに行くお金がない」と。
そう遠くもないし「タクシーじゃなく、バスで行ったらいかがですか?」と言うと、
「そんなバスがあるんですか?でもねえ、帰りがねえ…もって帰ってくるのが重いじゃないですか。」
知りませんよ、そこまでは。
配達という手もあるじゃない。
本当に必要だと思ったら、バスででも抱えてくるんじゃない?
ブラジルの人たちは、そうしてますよ。

「新品は高いので、中古を買おうと思うんです。」とその人。
「そうですか。でも、中古のそういう種類の電化製品は、すぐに壊れるかもしれませんよ。」と私。
「いいんです、とりあえず使えれば。」

いろいろ話していくうちに、その壊れてしまった電化製品と言うのは、人から借りていたものだと言うことがわかりました。
「だったら、修理したらいかがですか?新品を買うほど高くないし、どの道、そういうものは借りたときと同じ状態で返さなくてはならないでしょう。」と言うと、そうしたくないんだって。
その電化製品を貸してくれた人が、最近この方にあまりよくしてくれない、嫌がらせのようなことをするので、その人のものは直したくないんだそうな。
なので、中古を買って、とりあえずそれを使って、その借りている電化製品は壊れたままにしておくんだとか。

「でも、返すときには、壊れたまま返すわけにはいかないでしょう?」と私が言うと、
「知らん振りしちゃいますから。」
「ブラジルはすぐに裁判に持ち込むので、話がこじれると、訴えられるかもしれませんよ。」(実は借りているのはその電化製品だけでなく、そのほかいろいろ絡んで来るようでしたので…)
「そのころには、ブラジルから出ちゃっていますから。」

?!

どこかで聞いた話と似ていない、これ?

つい先日、日本のニュースで話題になった、沖縄のアメリカ兵の話。
女性を乱暴して、その次の日に日本を出国しようとしていた、あの空軍兵。

アメリカ兵のほうは、相手に身体的な被害を与えているので、大きく報じられました。
でも、この日本人の方のやっていることも、相手に身体的な被害を与えていないだけで、同じことじゃない?
相手のものを壊してしまっても、知らん振りをして返しておいて、ブラジルから出国してしまえば法的にも責任はなくなるからかまわない、って。

大なり小なり、外国から来ている方たち(私の場合かかわるのはほとんど日本人ですが)が帰国する時って、こういうことってあります。
ピアノのレッスンをしていたときには、最後にちょっとした記念品だけおいていって、お月謝を払わずに帰ってしまった人がいました。
電化製品を売っておいて、品物はブラジルを出る日に相手に渡す。
で、買った人が「壊れている」と気がついたときには、相手はもうブラジルにいない。
メイドに、自分がアパートを出た後の後始末を頼んでおいて、いざすべてが終わってメイドが指定された場所に鍵を届けに行った時には、実はその人はメイドへの支払いを何もおいていかなかったとか。
まあ、細かいことを数え上げればきりがない。

私も「帰国」したことがあるから思うのですが、「帰国」するって、とにかくとにかく忙しい。
いろいろな人へのご挨拶やら、荷物の整理やら、とにかく目が回るよう。
で、本当に毎日の生活が、足が地面についていないみたいになっちゃうんですよね。
なので、前述したようなことも、おこりがち。

でも、「帰国」したほうの人は、帰国後の国で新しい生活を始めるのに大忙しで、こういう「瑣末な」ことはすぐに記憶の中にまぎれこんでいってしまうのですが、そう「された」ほうは、結構長く記憶に残って「ああ、あの人はこんなことがあったなあ。」って思っちゃうんですよね。
たとえ、どんなにその人との良い思い出がたくさんあっても、最後に一つでもそういうことがあると、そちらの「気になる思い出」のほうが大きくなってしまう。

ブラジルに来たばかりのときに、お世話になった周りの人たちに言われたんです。
「外国で、日本人である私達が、無事に安全に暮らしていけるのは、その国の人がいろいろ気を配って助けてくれているからなんだよ。だから、そういう国やその国の人をRespeita(尊重)していかなくてはいけない。」と。
ブラジルは日本とは生活習慣も国民性も違うから、いろいろ困ることも多いし、不満に思うこともあるけど、人間が暮らしているんだから、それは仕方がない。
それは日本で暮らしていても同じだと思う。
ここで不満に思うことは、きっと日本で暮らしていても同じように不満に思うはず。

私は、まだまだブラジルで暮らしていくことと思うけど、最初に教えられたこの言葉を忘れずに、「相手はブラジル人」ではなく「相手は同じ人間」、「ブラジルはブラジル人の暮らす国」ではなく「ブラジルも私と同じ人間の暮らす国」と考え、私らしく、でも「沖縄のアメリカ兵もどき」にならないように気をつけて暮らして行きたいと思っています。

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2 コメント

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Unknown (eminha)
2012-11-10 18:28:04
うーーーん、気持ち分かります!
私達は、75%の顧客が外国人なので・・・。本当、周りの人をごちゃごちゃに使った挙句に、すぅ~~っっとサヨナラする平気な人が多い!
統計的に実は特にアメリカ人にそういう人が多い。。。最後の月の光熱費を払わずに・・とか。現金の持ち合わせがないので相当の物で受け取ったらただの粗大ゴミだった・・とか。送金するから。と言ってしないとか・・・。
こればっかりは、もうここに存在しない人に文句言っても始まらないですもんね。逃げた者勝ち。ので、泣く泣く自分のお財布から出して、尻拭いをさせられています。腹立たしいですが、連絡して、お金を送ってくれ・・等言うのももう面倒で・・。分かってやってる事なのでしょうから、もうまたか・・・と諦めています。

私達も以前、2年間日本へ帰国していた時、隣の人が無償で私達の家の面倒を見てくれていたんです。ひしひしと大変だっただろう。と感じています。今は恩返し中です。

しかし、その日本人の方・・・酷いですね。日本人としてのモラルがちょっと・・凹。
そういう人は、同じような事をされると物凄く怒るんですよね、きっと。笑
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eminha さん (ペケママ)
2012-11-14 06:22:43
最後の言葉、その通りなんです。
周りの人の配慮や気配り、気づかないって、とても悲しいことですよね。
で、不満が募って、また新しい不満を呼び込む、と。

でも、私もきっと、最初に私にいろいろとアドバイスをくれた先輩達がいなかったら、同じような不満を持っていただろうなと思うんです。
で、いやなことを、やり逃げしていた…と。

そういう意味で、ブラジルに来た当初、私にかかわってくれた人たち(夫を含めて)に、本当に感謝しています。

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