さて、11月の「小さな景色」。
何を作ろうか、迷いました。
11月ってつかみどころのない月ですよね。
寒いとはいえ寒すぎず、秋と言うには遅く、冬と言うには早い...
そんな時、用事があって実家の町に行きました。
用事を済ませて駅まで歩く道すがら、赤い実を発見!!
ついつい歌いだす「真っ赤だな~」
おまけに実家のほうはどこの家の軒先にも、柿の実がなり放題!!
橙色の電燈がいっぱい灯っているみたいで、それはそれは美しい。
昨今、クマ被害が深刻で山のほうでは、庭先の果物をそのままにしておいてはいけないということなのに、わが実家方面 まだそれほど田舎っていうわけではないのね、と変に安心したペケママでした。
というわけで作った11月の「小さな景色」
柿の木はハロウィンの木のリメイク!!
10月20日に娘がブラジルに帰ってしまって以来、夫は目に見えて力を無くしてきたように思います。
歩くことも難しくなってきました。
それでも、朝起きたら足のマッサージと屈伸、病院のリハビリセンターの先生が持たせてくれた器具での手や腕の運動など、とにかくその時にできることを毎日続けていました。
この時点でまだ介護認定は下りていませんでしたが、実家の町が無償で貸与してくれた車いすで、一日に一回は必ず外にお散歩に出るようにしていました。
この車いすは本当にありがたかったな。
10月の「小さな風景」は夫の世話などもあり、2日かけて作った作品でしたが、11月のこの「小さな風景」は半日で出来上がりました。
これを作っている間、夫はずっと眠っていたんです。
この日以来、夫はこちらから働きかけないと、ずっと眠っている日が多くなりました。
散歩に連れていく時にも一人で立っていられないので、玄関に椅子を準備しておいて、車いすを準備する間そこに座らせておいたり、通院もいつも頼んでいるタクシー会社さんが車いすごと乗せられる介護タクシーを回してくれるようになりました。
夫はきっととてもつらかったんだろうなと思います。
それでも、最後までどんな人にも「ありがとう」と声にできない声で告げていました。
11月10日に夫は4度目の入院をしました。
11月の「小さな風景」ももちろん一緒に。
そして小さなお地蔵様たちに見守れながら旅立っていきました。
最後の最後まで、本当にお地蔵様のような微笑みを浮かべて。
そんなこんなで迎えた12月。
今月はもう作るの止めようと思ったの。
作る意欲が全くわかなかったし。
でも、思い出したんです。
夫の御棺が火葬されようとした瞬間に言ったこと。
「行ってらっしゃい。早く帰ってきてね。」
不謹慎だったかもしれないけど、夫の御棺にそう叫んでいた。
その時、夫は必ずどこかに帰ってきてくれるって思ったんです。
それは植物や動物など、命のあるものとは限らない。
風かもしれない、日の光りかもしれない。
大切なのは「私がそれを感じられる」ことではないかなって。
そうしたら、これを作りたくなったの。
プレゼビオ キリスト生誕の場面
本当は馬小屋の場面なんだけど、馬 難しかった...
なので、ネコで許してもらった
いや、許されてないかもしれないけど...
おまけに今回初めて「素焼風粘土」ってのを使ったんだけど、この扱いがまた難しかった。
伸ばそうとするとボロボロすぐに壊れてくるし、水をつけるとドロドロになるし、おまけになかなか乾かないし。
でも、作ったらなんだかほっとした。
小さかった娘が眠っているのを、夫と二人で覗き込んでいたころのことを思い出していた。
そうそう、こういう時、かならず夫がそばにいてくれているんだよなって感じた。
となりで「なんだそれ!!下手くそ!!」って言ってるのかもしれないけどね...
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