夫が緩和ケア病棟に入院してから始めた「小さな景色」作り。
何のことはない、付き添いの時間を持て余しての手遊びです。
緩和ケア病棟に入院したとは言っても、夫は自分のことはみんな自分でできる病人でした。
素人の手に負えないことは、みんな看護師さんたちがやってくれるし。
唯一「食べる」ことだけは積極的にしないので、毎日夫のご飯を作って食べさせることだけに時間を費やしていた感じです。
まあ、それもお願いすれば看護師さんが手伝ってくれるのですが...
基本的に「食べられない」ことを前提とした「高栄養輸液」を点滴しているので、少々食べられなくても問題ないのです。
それでも「口から食物をとること」を忘れて欲しくないと思い、せっせと夫が食べられるものを工夫して作っていただけなのです。
さてさて、ペケママの「手遊び」最初の作品は...
お月見ウサギ!!
毎朝夫と散歩していた病院の屋上庭園
ここのススキを見て作りたいなと思ったの。
中秋の名月には月明りで明け方に目が覚めました
病室が西側だったので、沈もうとしていた月明りが差し込んできたのです。
ちょうど様子を見に来てくれた看護師さんと 3人でしばらく月を楽しみました。
10月はハロウィン
みんな同じ白い紙粘土をベースに作っているので、黒いフクロウやネコちゃんを作るのに、パステルをほぼ一本削って色を付けたわ。
娘が日本に来るのを機に主治医の先生が退院させてくれたので、家でせっせと作りました。
夫は緩和ケアに入院したら退院できるとは思っていなかったみたいで、退院できる嬉しさ半分、家で過ごすことが出来るのか不安半分だったみたいです。
夫が退院するためには、点滴で入れている薬を経口摂取できるようにしたり、家で高栄養輸液を点滴し続ける必要があったりしました。
薬は薬剤師さんたちと相談して錠剤を粉状にしてもらったり、シロップに代えたりしてもらったり。
点滴は体内にポートと呼ばれる点滴液を受ける袋を埋め込み、そこに針を刺し、点滴液を入れるようにしました。
針を取り換えるのは一週間に一度、普段は針につながっている管についた接続部分に点滴からの管を繋ぎます。
一日1パック(1000ml)を約10時間かけて体内に入れていきます。
管のつなぎ方、ポート(点滴を受ける袋)を管理するための生理食塩水の注入の仕方などをみっちり看護師さんから教えていただいて、私が毎日点滴をしていきました。
針は一週間に一度替えるのですが、これはさすがに怖い。
ということで、これは訪問看護師さんにお願いをしました。
病院では日中行っていた点滴ですが、家に帰ってきたのを機に夜の間にするようにしました。
日中は点滴スタンドから離れて、日本に来てくれた娘と3人で近くに買い物に行ったり、散歩に行ったり。
夜は点滴をしながら娘の話を聞いたり、一緒にテレビを見たり。
本当に束の間でしたが 今までわが家で過ごしてこなかった「家族の時間」を過ごすことが出来ました。
そんな時間を彩ってくれたハローウィンの風景でした。
あら、思ったより長くなってしまったので、続きはまた明日。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます