ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Animal Farm 読書 9章

2004-08-16 23:20:18 | 読書
Boxerの戦いで受けた傷はなかなかよくなりません。彼はもうすぐ定年を迎える所で,かなり衰えも目立ち初めていましたが,それでも構わず働き続けた結果,ついに倒れてしまいます。Squealerは彼を獣医に見せるといい,小屋で休むよう指示します。BoxerはCloverに定年退職を楽しみにしていたと打ち明けます。
その日,Benjaminが息せき切って動物達を呼びに来ました。Boxerを乗せた馬車。実はそれは,獣医などではなく,knacker,すなわち廃馬業者だったのです。必死に呼びかけるCloverに何か気付いたのか,Boxerも馬車を蹴破ろうとしますが,もう彼の足腰は弱っていて,結局逃げる事ができませんでした。

ついに悲劇が起きてしまいます。knackerという言葉は1章にも出てきました。Jonesさんが経営していた時代に,どうせ年を取って使い物にならなくなったらすぐにそういう所に連れて行かれるよ,と行っていた所がありましたが,まさにその通りの事が起きてしまったわけです。これはまさに,ブタに支配される今の状況は人間の時代と変わりのない事を象徴した事件と言えるでしょう。

4~5章辺りからうすうす感じていた事ですが,この話は悪い政治家を糾弾する話ではなく,よく考えもせずにそういうのを許してしまった国民が悪いんだよという事が言いたいんだなという気がしてきました。皆に愛され尊敬されたBoxerを襲ったこの悲劇にもかかわらず,皆またSquealerに丸め込まれて,彼は獣医に手厚い看護を受け,最期は幸せだったと信じ込まされてしまいます。

いよいよ大詰め,あと1章です。果たして胸のすくような救いはあるのか,皮肉な終わり方をしてしまうのか。見届けなくてはいけません。


Run!Run!Run!