The War of the Ring : Chapter 4: The Siege of Gondor続き
いよいよミナス・ティリスが包囲されていきますが,どうせ映画と原作では違うだろうと思い,原作をしっかり観察しようと思います。敵はまずランマス・エホールを壊し,周囲にミナス・ティリス側からは邪魔されない所に堀を作っていきます。そして"missile"登場。え? この時代にミサイル? 辞書を引いたら,ミサイルというのは,元々は飛び道具の意味でした。(汗) これを見たゴンドールの兵は,ミナス・ティリスの城壁はオルサンクの物と同じで頑丈なので壊れっこないと笑います。ところが,この「ミサイル」は優秀で,城壁を越えて第一環状区の建物を直接攻撃,建物はなすすべもなく破壊されます。最後のこの部分だけ映画に出てきましたね。
次に敵は何かもうちょっと小さい物を放り込んで来ました。これはなんと!人の頭!
あーこれも映画にありますね。しかし,その頭は‥,これは書かないでおきます。実はここはおそらくトールキンさんの全作品中でも1番と思われる位な恐ろしい記述でした。(汗)
ここで場面は白の塔へ。すっかりモチベーションを失ったデネソール侯です。つい先日の恐ろしい親子問答はどこへやら,
I sent my son forth, unthanked, unblessed, out into needless peril
これ映画で言って欲しかったですね。
彼はピピンをお役目免除すると言い出しますが,ピピンは,
I do not wish to be released while you live. And if they come at last to the Citadel, I hope to be here and stand beside you and earn perhaps the arms that you have given me.
これピピンの好きなセリフなのですが,これも映画では言ってもらえませんでした。
執政様はそこでピピンをつまみ出したりせず,"servants"を呼んで来いと言い,ファラミアを運び出すのに同行する事を許します。
ところで前から不思議に思っていたのですが,"servants"ってどんな人達なのでしょう? ピピンやベレゴンドとははっきり区別されていますね。強そうで見た目のよい人達のようですので,もしかして,もしかして‥‥,お小姓さん?
と,ここで,トールキンさんが,ちょっと不思議な事を‥,ファラミアを暖かい布団でくるんで運び出すんですね。しかも刺激を与えないように"servants"にゆっくり運ばせる。私はファラミアびいきなんですが,それでもこの破格の扱いにはちょっと微笑んでしまいました‥‥。よく読んでみると,実は他のキャラに対しても同様の扱いをしてます。ボロミアにはアラゴルンからのたっぷりの愛情を注いだ後で(笑)大事に水葬にした事でもわかりますが,それぞれのキャラクタに対するトールキンさんの愛情を感じたシーンでした。