雨の山茶花

今日は朝から雨が降っていた。
こんな日に仕事が休みということはありがたい。
雨の中フォークリフトであの広い市場の駐車場を移動しなくていい。
でも、同僚がそれをしている。うしろめたい気もする。

１１時過ぎ、腰痛の治療のために整形外科に行く。
今年はこれで２回目です。
今日行っておかないと火曜日まで行けない。
行く途中、団地の中この山茶花の並木がある。
この山茶花の“かべ”はいいです。
この横を通るのがすきです。

午後、散髪に行く。予約の電話を入れると、
「いつでもいいですよ」と奥さん。
本降りの雨の中、縮めた身体を傘に納めて行く。
客はいなく奥さんと２人だけ。
旦那は奥にいるのか。
とりとめのない会話をしながら髪を切られる。

そのうち「できますか？」と客が来る。
旦那が出てくる。
「５年前に来てたんだけど覚えてますか？」と若い客。
「覚えてますよ。あのときは高校生だったよね」旦那がいう。
「そうだったですね、２３になりました」
「どうゆうふうにしますか？」
「坊主にして下さい」
「長さは？」

「１２月１４日に休んだだけで昨日まで仕事をしていたんです」
なんの仕事をしているのが聞こえなかった。
がんばっている青年がいるんだ、と思った。
帰るとき横目で見ると、口のまわりに無精髭をはやした笑顔があった。
頭も心もいくぶん軽くなって床屋を出た。

明日は仕事だ、雨よやんでくれ。