「土曜ドラマスペシャル『蝶々さん』〜最後の武士の娘〜」を観た。
それなりではありましたが、イマイチでした。
私の心をギュッとつかむところがなかった。
市川森一の原作・シナリオでした。
私は、この人のドラマはいつもこんな状態で放り投げられてきた。
感動した記憶がありません。
山田太一や倉本聰のシナリオではいつも感動させられてきたのですが…。
ドラマより、私が印象深かったのは、
蝶々さんを小さい頃から好きだった伊作という男の昭和期を野田秀樹が演じていた。
前編を観ていたときは誰だか分からなかったが「いい俳優だな」と思った。
後編のテロップを観て野田秀樹と知った。
彼は、日本を代表する演出家でしょうが、役者としてもうまいと思った。
実は、彼の学生のときの芝居を私は観ていたのです。
私が東大生協駒場店の職員をしていたとき、いつも映画や芝居を一緒に観に行っていた
バイトのナベさんに誘われ大学内でやっていた夢の遊眠社の芝居を観たのです。
(現在、ナベさんは演劇集団水無月にいて芝居に関わっている)
あのときは唐十郎の「少女仮面」だったと思う。
野田秀樹のすごい演技を目の前で観た。
それ以後、私は彼の芝居は観ていない。
今日あらためて野田秀樹の演技を観てうまいな、と思った。
「蝶々さん」を観てよかったと思ったのはこのことだけです。