今朝、8時5分からのラジオ文芸館を聴いた。
ここのところ毎週聴いているが、あまり感銘を受けた作品がない。
土曜日の朝は、私が睡眠不足でいい体調で聴いていない、ということもある。
なので九想話にも書かない。
今日の「棚の隅」(作 連城三紀彦)もあらすじを聴いて期待したんだが、それほどでもなかった。
小さな玩具店を経営する康雄は、10年前に離婚した。
今は、前妻の子どもの毅を実の息子のように優しく育ててくれる再婚した妻と、
ささやかながらも幸せに暮らしている。
そんなある日、中年の女性客が棚の隅にある売れ残ったおもちゃを買って帰る。
その女性客は、前妻の擁子だった。
かつて、自分と幼い子を捨てて従業員の男と逃げた擁子の来訪に、康雄は戸惑う。
ここまではどんどん物語に引き込まれていった。
ところがそのあとがなんとも私の興味を引かさせてくれなかった。
その女性の客は、何度か店にやってきて、棚の隅にある売れ残った玩具を買っていく。
何も康雄とは話さない。
康雄は、前妻が男と逃げてどんな暮らしをして今日まできたか、
などと知りたかったがその女性と話さないのでわからな。
そのうちに女性は店に来なくなった。
それで話は終わりだ。
これまでも連城三紀彦の小説は読んでいて、私の好きなものが多かった。
しかし、この小説は私にとってイマイチだった。