木曽地方では土石流を「蛇抜け(じゃぬけ)」と呼ぶ。
険しい谷地形で急流の沢が木曽川に流れ込む。
地質はもろい花崗岩。
今回、南木曽(なぎそ)を襲った“蛇抜け”は悲惨だった。
中学1年の男の子の命を奪った。
1953年にも“蛇抜け”があったらしい。
読書地区には、53年の犠牲者を追悼する「悲しめる乙女の像」があるという。
それには、後世の戒めとなる碑文が刻まれている。
白い雨が降るとぬける(中略)蛇ぬけの水は黒い。
蛇ぬけの前には、きな臭い匂いがする
大量の雨が降ると雨粒がぶつかって落ちるから白い雨になる。
そういう雨のときに“蛇抜け”は起きる。
自然災害は怖い。