ア・ルース・ボーイ

2014年12月07日 | 健康・病気

「ア・ルース・ボーイ」佐伯一麦(かずみ)著 新潮文庫を読んだ。
11月に友人と飲んだときに「読んでくれ」とくれた本だ。
読み始めは、なかなか小説の世界に入れなかった。
やめちゃおうかな、と思いながらも、友人とのことを思うと読まないわけにはいかなかった。
高校を中退した主人公と、
やはり子どもを産み高校をやめた女の子が職安に行ったあたりから、小説の中に入っていけた。
これまで20回近く転職してきた私は、いったい職安に何回行ったことだろう。
しかし職安というものを知らなかった若いときの私は行ったことがなかった
私は、職安というところに良いイメージはまったくない。
> それまで考えもつかなかった、多くの職業を目のあたりにして、ぼくは軽い興奮と大きな自由を覚える。
職安に希望を持った鮮だが、しかし、赤ん坊のいる若い2人に、仕事はなかった。
赤ん坊は、主人公斎木鮮の子どもではない。
鮮(あきら)は、幹(みき)とセックスをしていない。
中学生のときに、ちょっとつきあっただけの関係だ。
鮮は、高校の生活指導部の部長のブラックと呼ぶ先生を殴って高校をやめた。
小学生のときから鮮は、新聞配達のバイトをしていた。
ある日、鮮は沢田という男と知り合い、その男の経営する沢田電設という会社で仕事をするようになる。

いい小説だった。
この小説で佐伯一麦は、三島賞を受賞している。
人生をサボる気のない男が一所懸命生きている小説でした。

コメント
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