今日は歯科治療の予約日だった。
私は10時からだと朝からわかっていたのに、9時45分になって気がついた。
そのときは朝食を終わったときだった。
何してんだ、おれ。
1時間、私の頭の中で狂っていたのか。
それからトイレに行った。
食事したあとに私は必ずトイレに行きます。
行かなかったら一日が始まりません。
頭の中ではトイレのあとにシャワーを浴びたいな、と思った。
いや、これは昨日から考えていたことだ。
歯の治療をするために、30歳前後の女性が私の身近に接近する。
加齢臭は出てないか?
それはなくても体臭はないか?
60代の私としては、とうぜんシャワーでも浴びなければ、申し訳なくて治療は受けられない。
ところがトイレから出たのは9時52分だった。
私は必死になって着替えて部屋を出た。
車を運転していて私は大事なことに気づいた。
歯の治療が終わってから今日の治療代の精算をする。
そのあと、次回の予約をする。
そのとき私の場合、出勤シフト表がなければ予約をすることができない。
私はいつも夜勤のときの午前中を治療の予約日といていた。
その出勤シフト表を忘れてしまったのだ。
しかたない、治療が終わったときに暫定的に予約日を決めて、
家に戻ってから修正すればいい、と思った。
10時2分ほど前に歯科クリニックの待合室に入った。
私は、心の中でホッとした。
しかし私は、いつまでこんなことをしているんだろう?
歯の治療は30分ほどで終了した。
私はこれで歯の治療が終わり、よかったな、と思った。
ところが、女性の医師がいう。
「右の虫歯の治療は今日で終了です。次から左の虫歯の治療をしましょう」
「……えっ、まだ終わんないの?」
私は、去年の9月から歯の治療をしている。
7ヶ月が終わろうとしているのに、まだ虫歯の治療が終わんない。
まいりました。