先週、ウォーキングをしたときにNHKのスマホアプリ「らじる☆らじる」の
「聴き逃し」で、12月27日(月)午前1時5分から放送の「ラジオ文芸館」を聴いた。
この「ラジオ文芸館」はむかし、土曜日の午前8時頃からやっていた。
いろいろ時間が移動して、最近は、ラジオ深夜便の中で放送されている。
その日の朗読は、浅田次郎の「告白」という小説だった。
高校で同じクラスのあずさとなみは親友だった。
雪が降って早く学校が終わった午後、
マックによったときに、あずさがなみに告白する。
「あいつは、ほんとの父親ではない」と。
あずさは父親のことを「あいつ」と呼んでいる。
ほんとの父親は、あずさが子どものときに家を出た。
ほんとの父親とあいつは親友らしい。
父と母が離婚してから、あいつが家に来るようになり、
ある日、あいつと動物園に行ったときに、
あいつがあずさに「俺をあっちゃんのパパにしてくれ」と言った。
そのときあずさは、何と答えたか覚えていない。
ただ父親の好きだったあずさは、ペンキ臭いあいつがいやだった。
あいつが仕事で乗っているペンキ臭いワゴン車も好きではなかった。
雪の降る量が多くなり、坂の上にある家まであずさの靴では帰れそうもなかった。
なみが、あずさに内緒で“あいつ”に迎えに来てくれるように電話してしまう。
迎えにきたあいつとあずさが帰る。
車にチェーンを巻くのに時間がかかるからと、あいつは歩いてきた。
歩いて帰るときにあずさは、これまで言えなかったことをあいつに、告白をする。
深くなった雪で歩けなくなったあずさを、あいつは背負って歩く。
素敵な小説でした。
私は、何回か胸を熱くした。
泣きたい気持ちにもなりました。
浅田次郎はうまい。
ラジオ文芸館「告白」←ここをクリックすると朗読が聴けます。
(1/3 AM2:00 配信終了)
YouTubeで別なラジオ番組の「告白」を見つけました。
浅田次郎作「告白」朗読・坂本美雨