そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「紅白」の新しい楽しみ方

2012-01-03 22:42:05 | Entertainment
この年末年始はヨメさんの実家で過ごしてました。
大晦日の夜は、茶の間で大型テレビを囲み、酒飲みながら紅白歌合戦を視て過ごしたんですが、片手にスマホ持って自らもツイートしながら、TL上を流れる皆さんのツッコミや感想を眺めているのが実に楽しかった。

長渕剛が石巻の学校の校庭からロケで出演し、長々と一席演説ぶってから熱唱しておりましたが、これに対しては絶賛ツイートと揶揄めいたツイートがTL上を交錯して非常に興味深かったです。
世の中には長渕剛に心酔する人間と受け付けない人間と、二種類の人間が存在することがよく分かったのでありました(自分は勿論後者なのですが)。

それにしても何だかんだ皆さん視てるんですね、紅白。
人それぞれ感受性も違いますし、ウィットに富んだツイートもたくさんあり、大勢でヤイノヤイノ云いながら眺めるにはやっぱし未だに絶好のコンテンツなんですな、と。

ところで、長渕とは対照的に、椎名林檎に対してはほぼ全てが絶賛ツイートといった感じ。
確か紅組の前半のトリだったかと思いますが、自分も視ていて「もしや今年は紅が勝つかも」と思ったのでした。

昨年の年始に『紅組は負け続ける』などというエントリで「たぶんこの先紅組が勝つことは永久にない」なんて書いてしまった手前、(別にどうでもいいんだけど)以下言い訳めいたことを書いてみようと思います。

今回は、上述の林檎さんやユーミンなど、紅組に出色のコンテンツがあったのに対し、白組は相変わらずのSMAPと嵐だのみでマンネリ感が否めず。
おまけに例年なら圧倒的な実力の違いを見せつけるコブクロも不在、前回の桑田圭祐復活と云った目玉もなく、長渕に西田敏行に千昌夫じゃ、そりゃ主婦層には受けませんがな。
一方で昨年「主婦層には大して響かない」と評したAKB48やKARA、少女時代あたりが、一年の間に随分と茶の間に浸透したのが誤算?でございました。

ということで、紅組は負け続ける、なんて書いちゃったことをお詫び申し上げます(どうでもいんだけど)。
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テレビから時代劇が消える

2011-02-12 11:20:03 | Entertainment
今日の日経新聞朝刊終面文化欄によれば、地上波テレビ放送から時代劇が消えつつあるとのこと。
時代劇制作スタッフの後継者育成が問題になっているそうな。

その一方でCS放送の時代劇チャンネルは契約者・視聴者を増やしており、近年は日本映画でも時代劇の興隆が目立つ。
年配者中心に時代劇人気に衰えが出ているわけではないようです。

地上波テレビで時代劇枠が減り始めたきっかけは、世代別視聴率が導入されてからとのこと。
消費意欲が相対的に低い高齢者層が視聴者の中心であることが可視化されスポンサーから敬遠されるようになった、という事情のようです。

こうして、地上波テレビは女性や子供に受けのいい同じような番組だらけになり、”消費力”の低い年寄りや男性は見る番組がなくなってテレビ離れする、という現象が起きているわけですね。
困ったもんだ。

でもまあ時代劇専門チャンネルの例が示す通り、CMに支えられた地上波放送から締め出された層が有料放送に移行していく過程、と捉えることもできるのかもしれません。
テレビCMで頻繁に流れるような一般消費財に金を遣わない分、有料放送に金を払うというのはあながち合理的な構造なのかなとも思います。
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紅組は負け続ける

2011-01-10 21:36:34 | Entertainment

「溜池通信」さんの「かんべえの不規則発言」1月7日付け記事で、紅白歌合戦での紅組6連敗を枕に日本経済について語られています。

論旨の中心は、「日本経済は本気で闘おうとしているのか?」という点であり、それについては自戒も含めてまったく同感なのですが、ここではあえて傍論である「紅白歌合戦で何ゆえ紅組は負け続けるのか?」という点について。

何ゆえ紅組は負け続けるのか、簡潔に云えば「AKB48に関心のある層(男性)は紅白など視ないが、嵐に関心のある層(女性)は紅白の視聴者の中心である」という点に尽きるのではないかと思います。
いくらAKBがアトラクションや他の歌手のサポートで画面に出まくったところで、視聴者の中心である主婦層には大して響かないため得点につながらない。
ましてや少女時代やKARAなんかが出た日にゃかえって主婦層の反感を買って逆効果であるのは間違いない。

紅組を勝たせようとするなら、白組のラインアップを落とすしかない。
具体的にはジャニーズを減らして、演歌歌手と中高生にしか人気ない若僧で固めるとか。
でもそんなことしても誰も得しないのでやるわけがない。

というわけで、たぶんこの先紅組が勝つことは永久にないように思います。
それこそ八百長でもしなければ。

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ミニシアター系受難と2010年私的ベスト10

2010-12-30 15:55:26 | Entertainment

昨日今日と、日経朝刊終面文化欄に「凍えるアート映画」というコラム記事が掲載されてました。
先日、恵比寿ガーデンシネマが閉館というニュースもあったし、渋谷あたりのミニシアターもここ数年で閉まるところが続出、採算が見込めないので海外の映画祭での受賞作品でも配給に至らず日本未公開となりかねないケースも出てきており、ミニシアター系・アート系映画には厳しいご時世。
このままではシネコンでのマス向け映画(ハリウッド製ビッグバジェット作品や大量にタイアップ広告露出される日本のTVドラマの映画化作品)ばかりになってしまい、映画鑑賞文化の劣化が進むとの危機感から、一方ではTOHOシネマズの「午前十時の映画祭」のような名画掘り起こしの動きも出てきているとの由。

個人的にはミニシアター系ばかりに傾倒しているわけではありませんが、多様性が失われるという点ではやや気になる情勢ではあります。
90年代のミニシアター系バブルが崩壊したという一面はあるような気もしますが。

今年、劇場観賞した新作映画は17本でした。
コドモが生まれて以降激情観賞数も激減していたので、ここ数年では最多の本数。
内訳は、洋画11に邦画6ですが、年の後半はぜひ観たいと思う洋画があまりなくって邦画中心になっていきました。
考えてみると、上記したミニシアター系の不振というのも一要因だったのかもしれません。

個人ベスト10を挙げるとすると以下の通り。

1 インセプション
2 第9地区
3 トイ・ストーリー3
4 悪人
5 インビクタス 負けざる者たち
6 抱擁のかけら
7 マチェーテ
8 ローラーガールズ・ダイアリー
9 ノルウェイの森
10 NINE

奇しくも1、2はいずれもSF系ですが、新鮮な設定と映画ならではの表現に挑戦しているのが心地よかった。
3、5はさすがの完成度、4は力作。
6や7は個人的に好み。
8は健闘、9は期待通りの出来、10は逆に期待ほどではなかった。

総じていうと、今年は心底感服するほどの大傑作には残念ながら出会えなかった気がします。
来年に期待。

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字幕テロ雑感

2010-11-29 23:45:46 | Entertainment
「龍馬伝」暗殺シーンに「愛媛知事選」当確テロップで苦情200件

ネットの世界じゃ、「字幕テロ」っていうみたいですね。
誰が言い出したんだか知らないけど、絶妙なネーミング。

しかし返す返すもなんであのタイミングだったのかねえ。
もしかして、選挙速報の当確情報ってコンピュータと連動してて、人の判断を伴わずに自動で表示する仕組みになってたりするのかな?
なんか当確って、他局に先駆けて出さなきゃいけないみたいな強迫観念に捉われてるからねえ(特にNHK)。
別に出すのが5分遅れたからって結果は変わらんのに。

せっかく強制的に地デジ化させようってんだから、技術的に何とかならんのですかね。
字幕のスーパーインポーズって、映像に被せて表示するからこうなっちゃうわけであって、映像の放送とは別にデータ放送の情報ルートで流したりとか。
録画には影響を与えずに、リアルタイムで視聴している場合のみ強制的に画面が一回り小さくなって周囲の枠の部分に速報の文字情報を表示するとか。
もはやリアルタイム視聴ばかりじゃなくて、ディスクに録画しておいて視るスタイルが一般化してるわけだし、録画で視てりゃ速報とか関係ないですからね。
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龍の魂

2010-11-28 22:29:28 | Entertainment
「龍馬伝」が完結しました。

最終回は地上波の放映で観ましたが、一年納めのクライマックス、近江屋での暗殺場面のまさにその時に、愛媛県知事選の選挙速報字幕が表示されるいという興醒めの極致。
NHKも無粋なことしてくれるもんです。
まあでも、龍馬が夢描いた「上も下も無い」自由な民主社会の象徴である公職選挙の速報ですから、仕方ないとしましょうか。
幸い夕方のBSハイビジョン放映のほうも録画してあるので、あとでもう一回観直してみようと思います。

個人的に、大河ドラマをちゃんと観たのは20年以上前の「独眼竜政宗」や「武田信玄」以来。
しかもそのときも最後までは観なかった憶えがあるので、一年通してとなると小学生の頃の「峠の群像」以来かもしれません。
といいつつ、「龍馬伝」も初回から観ていたわけではないんですが。
2月くらいからかな?

最初は、その映像作品としてのクオリティの高さに惹かれて観始めました。
撮影、照明、美術などの質の高さが、従来のテレビドラマのレベルを遥かに越えていましたね。
それから段々と内容面にも惹かれるようになり。

社会が成熟し、旧来型の政治経済が行き詰まる中、グローバル化という新たな開国を迫られている今次のご時世において、この「龍馬伝」が描いたものは現代的意義を持っていたように思います。

ドラマの前半部、開明的な思想に傾倒していく龍馬が、攘夷という形で武士社会の真髄を守ろうとした武市半平太と袂を分かっていきますが、その二人が京の土佐藩邸(だったかな?)で最後の別れになる腹を割った語り合いをした場面がもっとも印象に残っています。
大きな目的は共有しながらも、守るべきものを捨てられない武市と簡単に捨ててしまうことができる龍馬。
何かを変えることは、何かを捨てることであり、時に苦しさを伴う。
そのことを誤魔化さずに描くことがこのドラマには通底していました。
そして龍馬も、結局は急激に「変える」「変わる」ことへの反発から生命を奪われてしまいます。

他に特に印象に残っているシーンを挙げると、
・薩長同盟のための西郷・木戸会談実現についに辿り着いた龍馬が、会談に向かう直前寺田屋でみせた得も云えぬ高揚感
・後藤象二郎と対決した清風亭会談の緊張感
の演出あたり。
特に後藤役の青木崇高の怪演は、個人的にこのドラマのベストアクトだったと思います。

それにしても、ドラマとはいいながらも、龍馬という人間の人生を目の当たりにすると、生きる活力が湧いてくる感じがします。
ビジョンをストーリーとして語り、地位の上下を問わず周囲を巻き込むことによって、考えを実現していく。
日常のビジネスでも必要なことですね。
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ポプラ社小説大賞雑感

2010-11-01 23:07:43 | Entertainment
水嶋ヒロさんに小説大賞 賞金は辞退、「大変光栄です」(共同通信) - goo ニュース

あまりに出来過ぎな展開に、至る所であれこれ詮索されているようですが、いやホント深読みのし甲斐があるというか、表から見ても裏から見てもいいニュース素材ですな。

以下、雑感。

・最初に思ったのは「ポプラ社小説大賞」ってなんやねん?ということ。ポプラ社って子供向けのイメージしかないんですが。

・で、話によれば、大賞の賞金2000万円は破格だとか、それでいて第一回以来大賞受賞者は出てなかったとか、来年から2000万円はやめるとか。そこだけ聞くといかにも胡散臭いっすな~。

・少なくともポプラ社にとっては利点だらけの話です。話題性はたっぷり。自社から単行本化すれば大ヒット間違いなし。おまけに賞金は辞退してくれるってんだから。

・一方で水嶋ヒロにとってはどうなんだろ。わざわざ文学賞に応募しなくったって、出版社に持ち込めばネームバリューで本は出せるだろうし、まさか金に困ってるわけもないし、純粋に腕試しがしたくて応募したように思える。

つまるところポプラ社が金脈を掘り当てた?
実際作品読んでみりゃどんなもんか分かるんですがね。
金出してまで読みたいとは思わんですが。
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耳馴染みっておそろしい

2010-08-08 21:19:47 | Entertainment
今日はサザエさんの実写版ドラマやってましたが、その前の通常枠アニメ版でも、昭和60年に放送された三谷幸喜脚本の作品を特別放映していました。

カツオとワカメの声優さんが交代する前の作品のはずですが、聴いていてまったく違和感を感じない。
というか、現在の声との違いが全然聞き分けられない。

ところが、いっしょに視ていた4歳のうちの長男は「カツオくんの声が変だ~」とか言うんですよね。
馴染みがないとやっぱり違和感があるらしい。

基本的に同じトーンの声優さんを起用しているから、というのもあるんでしょうが、子供のころから耳馴染んだ声はなかなか忘れない、ということなんでしょうか。
それにしてもなぁ…
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けろっこデメタンに思う

2010-05-22 20:23:00 | Entertainment
夕方、TOKYOMXテレビで、アニメ「けろっこデメタン」の再放送をやっているのをコドモといっしょに観ました。

こういう、主人公が不幸な境遇で、周りに陰湿にいじめられる、でも負けない…ってタイプのアニメ、昔はたくさんやってましたよね。
個人的には嫌いだったけど。
アニメだけじゃなくってドラマも。
「おしん」とか、「細うで繁盛記」(観たことないけど)とか。

最近は、少なくともアニメではそういう古いタイプの悲劇って絶滅したんじゃないだろうか。
世の中が健全な方向に変わったことの証左だと思う。
ドラマだと、時々主人公がいじめられることを売りにしたのをやってるけど、ギミックでやってる面が強いような気がするので、昔とはニュアンスが違う。

だけど、そういう古いタイプの悲劇に対する需要って、今でも一定程度存在して、韓流ドラマがその受け皿になっているのかな、なんて。
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掘り下げ不足で物足りない

2010-05-16 23:27:56 | Entertainment
NHKのプロジェクトJAPAN、シリーズ「日本と朝鮮半島」、第1回に続いて第2回「三・一独立運動と”親日派”」を視ましたが、イマイチ物足りない内容で面白くなかった。

三・一運動の激しい抵抗にあった日本の半島統治が武断的なものから懐柔的なものへと形を変え、その過程で”親日派”を養成する方策も採られた。
その中には、三・一運動のリーダー的存在だった人物もおり、彼らは現在の韓国では反民族派のレッテルを貼られたリストに載せられている。
…というあまり捻りのない話を通り一遍やっただけ、という印象。

どうせやるなら”親日派”の人物をもう少し幅広く追って、彼らが半島の近代化に与えた功罪をもっと掘り下げてほしかった感あり。

最後の解説員のコメントも腫れものに触るような感じで、あまりいただけない。
親日派リストの件が持つポピュリズム的側面についてはきちんと指摘した方がよいのではないか。
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