倒壊危険、都内の2棟も 不動産会社が購入費返還へ (朝日新聞) - goo ニュース
心配されていた通り、マンションの強度偽装問題はさらに拡がりを見せ始めている。
当面一番気になるのは、欠陥マンションを買ってしまった購入者に対する補償の問題。
2000年4月に施行された住宅品質確保促進法により、新築住宅の基礎工事部分について、売主には10年間の瑕疵担保責任が課せられているとのこと。
今回のシノケンによる購入費返還という措置も、この制度に基づいているのだろう。
ただ、売主の財務状態によっては完全な補償をし切れない場合も出てくることもあるんじゃないか、という懸念は残る。
ところで、最初に公表されたマンションについて、地元自治体から住民に対する説明会が行なわれている様子をニュースで報道していた。
住民の代表は、こんな欠陥を放置した国に責任があるという趣旨で怒りの会見を開いていた。
今回の件、本当にひどい話だと思うし、騙されて莫大なお金を出してマンションを買ってしまった方々には心から同情する。
だけど、ここでいきなり行政の責任を言い出すのは、どうなのかなという気がする。
不動産売買はあくまで民対民の取引と位置づけるのが市場経済社会の原則。
もちろん行政には経済取引の安全性を確保する役割があるので、無関係ではないが。
原則としては、民対民、利害関係者の間で補償問題を解決することが優先されるべきだと思う。
購入者は売主の責任を問い、売主は施工会社の、施工会社は建築事務所の、建築事務所は下請けの責任をそれぞれ問う。
そういったことをやった上で補償しきれない部分が出てきたとき、初めて行政の責任を追求する。
そういう順序を経ずに何でもかんでも国が悪い、行政が悪いということにしてしまうと、責任の所在が曖昧になってしまい、いつまでも同じ事が繰り返されるような気がする。
当事者が補償しきれない部分が発生するリスクをどうするかは難しいところだけど、将来的には不動産(売主)業界全体でセーフティネットを張ってリスクを分散化するようなことも一つの方向性としてあるのかも。
それでもって、欠陥住宅を建設した建築事業主については不動産業界全体で市場から締め出すなど厳罰を与えるとか。
それくらいしないと誰もマンション買わなくなっちゃうんじゃない?