エストニアの天才プログラマー少年が時代に翻弄されながら歩んだ半生を辿る。日本の作家が、こんな小説を書いてしまうという想像力(創造力)の豊かさにまず恐れ入る。
読んでいると、いろんな想いが想起される。
今や小国ながらIT先進国として有名になったエストニア。ソ連崩壊の時代に、バルト三国の一国として独立の闘争があったことはもちろんニュースでは知っていたが、その背後にこの小説で描かれるような苛烈な背景があったとは全く考えたこともなかった。
IT化に成功したのではなく、国が生き延びるためにIT化を成功させるしか途がなかったのだ。
そして、国家と民族の間の軋轢と衝突は、純粋だった少年少女たちの仲を引き裂き、人生の隘路に迷い込ませていく。
早熟の才能の持ち主が「消えた天才」となっていく姿は切ないが、すべてを洗い流すようなラストに向かう展開は安らかさを漂わせる。
#ブクログ
読んでいると、いろんな想いが想起される。
今や小国ながらIT先進国として有名になったエストニア。ソ連崩壊の時代に、バルト三国の一国として独立の闘争があったことはもちろんニュースでは知っていたが、その背後にこの小説で描かれるような苛烈な背景があったとは全く考えたこともなかった。
IT化に成功したのではなく、国が生き延びるためにIT化を成功させるしか途がなかったのだ。
そして、国家と民族の間の軋轢と衝突は、純粋だった少年少女たちの仲を引き裂き、人生の隘路に迷い込ませていく。
早熟の才能の持ち主が「消えた天才」となっていく姿は切ないが、すべてを洗い流すようなラストに向かう展開は安らかさを漂わせる。
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