そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

ビクトル・エリセ二本立て

2010-01-31 21:42:51 | Diary
久々に池袋・新文芸坐へ。

特集上映「世界名作アラ・カルト」、本日はビクトル・エリセ監督の「ミツバチのささやき」「エル・スール」の二本立て。
以前より、切に観たいと思いながらなかなか鑑賞の機会を得ていなかったのですが、絶好のチャンスが訪れました。

それにしても盛況でした。
自分は、9:50分の初回(エル・スール)から行ったのですが、その回ですでに六分の入り。
11:40~の「ミツバチのささやき」の回でほぼ満席となり、帰り際、次の「エル・スール」に向けてはかなりの行列ができていたので、おそらく立ち見が出たのでは。
正直、一般の映画ファンが食いつくメニューとも思えず、コアな映画好きというのはまだまだ根強く存在するのだな、と。

さて、肝心の映画のほうですが、この作家が世の中で称賛されている理由はよく理解できた気がしました。
個人的に印象に残ったのは構図の素晴らしさ(特に「エル・スール」)。
そして、いずれの作品とも少女の目線でとらえた世界を繊細に描いており、しかも父親との関係が大きな意味を持つ点で、まだ幼な子とはいえ娘を持つ父親の身としては、なんとなくドキドキさせられるものがありました。
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今度はゴセイジャー

2010-01-30 22:31:23 | Diary
東京ドームシティーのプリズムホールというところで、「天装戦隊ゴセイジャー」のプレミア発表会なるイベントがあり、コドモの付き添いで行ってきました。

自分が幼児時代に夢中になった「秘密戦隊ゴレンジャー」から綿々と連なるスーパー戦隊シリーズも、本作で34作品目だそうな。
今回のゴセイジャーは「地球を護るために舞い降りた護星天使」だそうで、キャストの若者たちも時代を反映したかのような草食系のキラキラした感じで、とても強そうには見えなかったんですが…

それにしても、こういうイベントって、子供連れももちろん多いんだけど、俳優目当ての大人のファン(男女とも)のグループとか結構多くて、ちょっと異様な雰囲気だったりします。
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「午前零時」 鈴木光司、他

2010-01-28 00:11:56 | Books
午前零時―P.S.昨日の私へ (新潮文庫)
鈴木 光司,朱川 湊人,恩田 陸,貫井 徳郎,坂東 眞砂子
新潮社

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「午前零時」をキーワードにした、13人の著名作家たちによるオムニバス短編集…ときけば、ちょっと期待するものがあったんですが…

人気作家たちが片手間に小手先で参加した、大喜利みたいな出来。
そもそも「午前零時」というモチーフの使い方すら野放し状態。
今日と明日、昨日と今日の境い目という特別な時間を題材に、文学的な情感を生み出そうという試みは一切感じられず。
酷いわ、これ。

まあ、よく顔ぶれをみれば、ミステリ・ホラー・ファンタジー系の作家ばかりで、こっちの期待した方向性が間違っていたのかもしれませんが。
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未来志向

2010-01-26 21:24:11 | Economics

今朝の日経新聞朝刊「経済観測」に、IKEAの日本進出を成功させた欧州ビジネス協会会長トミー・クルバーグ氏への、日本の個人消費をテーマにしたインタビューが掲載されていました。

以下、印象的な部分を引用。

「デフレと呼ばれるマクロの現象をミクロの視点で観察すると、必ずしも悲観しなくてもよいのではないか。多くの人がユニクロで安い服を買えば、少数の人が高級ブランド品を買うようり消費は大きくなる。高品質=高価格から高品質=低価格へと消費トレンドの変化が劇的に起きている。日本の消費者は生まれ変わりつつある」

「潮流に乗り遅れまいとして、今までと同じコスト構造のまま、やみくもに低価格競争に突き進む企業もあるだろう。淘汰が起き、収益を生む事業モデルを創造した企業が伸びていくのは自然な流れだ。その公正な市場競争から、新たな成長企業が誕生し、経済成長を支えていくはずだ」

「主婦を対象に市場調査したところ、日々の生活についての暗い発言が多くて驚いた。住宅ローンや職場のストレス、親の介護、家庭を顧みない夫への不満などだ。人生を楽しむ感覚を忘れ、常に何かを心配したがっているようにも思えた」

「幸せな気分こそが消費の土台となる。日本経済を元気にするには、まず日本人が笑顔を取り戻さなければ。個人が社会から切り離されて孤立している印象だ。新政権の政治指導者には、失敗した過去を語るのではなく、未来志向で希望のある日本社会の姿を描いてほしい」

「競争を恐れず、未来に投資すべき局面だ。外資を交えた企業競争が消費者に利益をもたらし、内需を拡大する。これまで日本は強力な企業社会を築き上げてきたが、過去に築いた構造をどう守るかという後ろ向きの発想に陥っていないか」

素晴らしい。
たいへん感銘を受けました。

経済社会が停滞気味になると、政治が悪い、アメリカが悪い、市場原理主義が悪い、日銀が悪い、ユニクロ価格が悪い…と、何かと「悪者探し」をしたり、かつての栄光に慰みを求めノスタルジーに浸ったりしがちですが、そんなことをしたところで事態は改善などしない。
停滞している時こそ、大切なのは前向きな未来志向ですな。

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17年前の小沢、鳩山

2010-01-24 21:04:26 | Politcs

日経新聞の「私の履歴書」、今月は細川護熙元・首相。
これまでのところイマイチ面白み欠けていたのですが、今朝は当時の8党連立政権を支えた各党幹部のパーソナリティが紹介されていて、なかなか興味深かったです。

まずは、時の人、小沢一郎について。

 いまはちょっと語りづらいが、その小沢氏について、マスコミが細川政権の「二重権力構造」などというのは、実相からはかなり遠い。小沢氏といえば、すぐ「強権」などといわれるが、私が知る限り、物事を決めるとき、必ず「あなたの方はそれでいいですか」と相手の判断を求めながら議論を進めていた。
 きわめて慎重かつ合理的な考え方をする人だが、物事が自分が思っている方向に進まないと横になってしまったりすることもあって、何回か手こずらされた。

「いまはちょっと語りづらいが」との枕詞はあるものの、結構本質を捉えてんじゃないのか、という気がします。
「横になってしまったり」ってとこが実際にはかなり厄介なんでしょうねぇ。

また、武村正義については…

 小沢氏、市川氏、米沢隆氏と対立したのが、官房長官の武村正義氏だ。ムーミンパパと呼ばれたぼう洋とした風貌と体型に隠された戦略性や行動力は、相当したたかなものだった。
 ただ正直いって私にはいまもって理解できないところがある。私とはもともと日本新党と新党さきがけの政治的同志だったが、野党対策の名目で頻繁に自民党と連絡を取っていたことが、与党内で一体どこの官房長官だと警戒を生むことになった。

よくわからんけど、かなりの恨みがありそうですね。

そして、現首相・鳩山由紀夫氏について。

 官房副長官の鳩山由紀夫氏は官邸のさきがけトリオの一角を占めていたが、武村氏のような行動力はなく、見かけどおりの人柄で、私も内輪のような気安さと安心感を持って接していた。真摯に職務に精励していたが、時々、教育的指導で小沢氏にしかられていたようだ。いまもあまり変わりがないようだが(笑)、やはり17年の歳月は長い。

ホント、裏表のない人みたいですね。
なんだか細川さんもちょっと小バカにしてるっぽく聞こえますが。。

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件の土地

2010-01-24 20:38:53 | Diary
陸山会が3億4千万円で購入したという、件の土地。
我が家から徒歩圏内ということが分かり、散歩がてら見物に行ってきました。

遊歩道沿い、246号線からほんの数十メートル入った場所。
広い広い、ゆうに100坪以上はありそうです。

上の写真ではよくわかりませんが、奥のフェンスにポツンと1枚だけ、色あせた小沢一郎のポスターが貼ってありました。

マスコミはさすがにいなかったものの、自分と同じような野次馬が何人か写真撮ってたりして、ちょっとした名所になってるみたいですな。
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「確率的発想法」 小島寛之

2010-01-23 21:53:18 | Books
確率的発想法~数学を日常に活かす
小島 寛之
NHK出版

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確率理論の解説書、というより、広く人間の意思決定について論じた本といった方がよいかもしれません。

最初にまず基礎的な確率理論に関する説明があり、次に大数の法則に基づくフィッシャー流の統計的推定との対比で、ベイズ理論が紹介されます。
また、ギャンブルを事例にして、人間の経済行動を期待効用基準で説明する考え方に触れられます。
ベイズ理論と期待効用基準に踏み込むことにより、客観的な統計的概念に閉じていた確率理論が、主観の世界へと展開されます。

そしてここからが本論。

確率計算が可能な「リスク」と、確率分布さえ不明な「不確実性」を区別して考える、ナイトの不確実性の世界へと踏み出すことで、不確実性の中で、人間がどのように意思決定し、どのように社会を選択するのかについて、数学的に証明しようとする様々な試みが披露されていきます。
人々は不確実性を回避する性向を持ち、マックスミン原理(最悪の数値が最大化されるような行動を選ぶ方法)に従うとの説が紹介される一方、コモン・ノレッジ(ある情報を双方が知っており、且つ、「双方が知っている」ことを双方が知っている状況)という概念が解説され、個人がマックスミン原理に従い行動を選択することと、集団がコモン・ノレッジによる合意から行動を選択することの同質性が指摘されます。

次に、ちょっと意外なんですが、「平等」に関する議論へと論旨が展開されます。
平等と確率って、すぐには結び付かないように思いますが、個人的には次のように消化しました。

不確実性に支配された世界において、人間は誰もが不幸な境遇に陥るリスクに晒されている。
不確実な要因により、結果的に幸福な人と不幸な人に分断されるような「不平等」に苛まれる可能性があり、だからこそ「平等」が目指されるべき規範たり得る。
平たく言えば、世の中が不確実だからこそ「平等」であることに価値があるのである。
不確実性下における個々人による行動の決定が、集団としての社会選択にどのように作用するのか、そのメカニズムを解き明かすところに確率論の出番があり、目指すべき規範たる「平等」を達成するために確率論による分析が有用なものとなる。

ロールズの正義論において提唱された格差原理において、「もっとも不遇な人々の利益を最大化することを目標とし、その目的の限りにおいて不平等は是認される」との命題が提示されますが、このマックスミン原理が、前述した個人の不確実性回避行動におけるマックスミン原理と重なることに気づかされます。

さらにここからが佳境になりますが、不確実性下における推測と行動決定のメカニズムに「時制」の概念を当てはめる試みが論じられます。
即ち、人間は「過去の経験」を基に推測を行ない、行動を決定するという当たり前の現象です。
重要なのは、個人がそれぞれ内面に持っている「公理系(=原則、ルール)」は、その公理系を揺るがすような新たな経験をすることで自己修正され、最適選択を可能にする公理系に接近していくということ、そして、社会に硬直性が存在するとそうした公理系の自己修正システムがうまく働かず最適選択に近づくことができない人々が出現してしまうということ。
それゆえに、教育制度や医療制度などの公共財が重要な意義を担うことが論証されます。

そして、最終章では「時制」に関わるアイデアをさらに発展させ、「そうであったかもしれない世界」に思考を向けます。
人間は、現在を起点に、「もしあの時このような別の選択をしていなかったら…」というように、現在たまたま実現していないが実現してもおかしくなかった事象についても自身の責任の範囲内にあると感じる性質をもっている、という指摘です。
人間の行動決定はかくも複雑なものであり、確率理論はそこまでを射程に入れるべきではないかという問題提起です。

…と、備忘も兼ねて長々とサマライズしてしまいましたが、単なる数学理論の披歴に留まらず、経済社会に対する興味深いアプローチまでをも包含している内容で、たいへんに知的刺激を受けることができました。
自分は、著者の著作では「容疑者ケインズ」を読んでいますが、ケインズ同様、専門家の間ではすでに様々な反論・否定が為されて、過去の遺物となっているロールズに対する熱い思いが伝わってくるのが面白いところです。

著者は、この本の中でしばしば「市場主義」に対する批判的な見解を述べています。
「自己責任」論に対しては、効用の完全知、選好の完全知といった前提条件を見落としている、と。
「構造改革」論に対しては、経済参加者に不確実性回避の行動があると、いくら公の障壁を取り除いても自律的に効率化されるとは限らない、と。
「民営化」論に対しては、上述した公理系の自己修正システムが働かない状況では、教育制度を公共財として提供することの必要性が見落とされている、と。

現在、巷で流れている感情的な反「市場」的言説と異なり、モラルやヒューマニズムに留まらず、数学的理論的見地からの市場主義への反論というスタンスは、とても興味深いと思います。
この本は2004年に書かれたもので、出版からかなり時を経ていますので、こういった観点での研究成果がどこまで進んでいるのか、関心を持ちました。
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テキサスヒット

2010-01-20 22:03:36 | Economics
マック過去最高の売上高 17日に全店で計28億円超(朝日新聞) - goo ニュース

テキサスバーガー、バカ売れしてるみたいです。
今日、会社からの帰宅時に最寄駅近くのマクドナルドの前を通ったら、「本日分の販売は終了しました」との掲示が。

かく云う自分も日曜日に買って食べました。
年に数回しかマクドナルドのハンバーガーなど食べない自分ですら、ちょっと食べてみたいなと思わされるくらいなんだから、やっぱり心くすぐる魅力をもってるんでしょうね。
何度も食べたいとまでは思いませんが。

セットで740円だったか、マクドナルドでは高めの値段ですが、レストランや定食屋で食べることを思えば高くはない。
プライシングも含めてマーケティング戦略がしっかりしてるんでしょうね。
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小沢問題にノレないワケ

2010-01-19 23:15:27 | Politcs
小沢氏、政治資金問題の捜査でしぶとい対局(フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース

小沢一郎の政治資金問題、どうも個人的にノレない。
いまいち関心が喚起されない。

4億円の政治資金収支報告書不記載という嫌疑のセコさがその理由だと思う。
もちろん4億円という金額がはした金だなどと言うつもりはありません。
だけど、彼がこれまでに動かしてきたであろうカネのスケールからすれば、氷山の一角にもならないのではないか。
だから「小沢vs特捜のガチバトル」などと言われても、本質から外れたところで踊られているパフォーマンスを外野から眺めてるみたいで、響いてくるものがない。

もちろん、この件が、「政治とカネ」の問題に留まらず、「政治家の説明責任」だとか「国策捜査」だとか「検察のマスコミ利用」だとか、様々な重要な論点を含んでいることは理解するけど、そのへんについて存分に語るだけの見識も持ち合わせていないし。

で、結局、この騒動がもたらす結果がどのようなものになるのか、という点にしか関心がわかない。

個人的に、この国はもっともっと混乱して、いったん底まで落ちた方が、長期的には早期に「復活」できるのではないかと思っているので、そういう意味で小沢一郎が表舞台から消えてくれた方が混迷の度合いが深まる点で望ましいのではないか、という気がしています。

ところで、どうやら陸山会が購入した件の土地というのは、我が家から歩いて行ける距離にあることがわかりました。
今度見物に行ってこようかな…って、野次馬気分。
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日曜参観

2010-01-17 22:16:06 | Diary
今日は、コドモの幼稚園の日曜参観。
参観する側の立場は人生初の経験です。

昔は「父親参観」といっていたような気がするのですが、最近は家庭の事情によっては日曜だからといって父親が来るとは限らない、という配慮がネーミングに影響しているのでしょうか。
実際、半数近くはお母さんが来ている感じでした。

短い時間で、工作したりゲームしたりということで、なかなかタイヘンでした。
改めて、幼稚園の先生ってすごいな、と思わされます。
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