そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

年金減額時代の幕開け

2009-10-30 23:08:59 | Politcs

日航対策本部が初会合、国交相「政府一丸で支援」(読売新聞) - goo ニュース

 日航再建に向けた最大の課題が企業年金の積み立て不足額約3300億円の扱いだ。財務省や日航の主力取引銀行には「公的資金や追加融資が年金の<RB>補填<RP>(</RP>に使われるのはおかしい」との意見が根強い。

 会合でも年金問題に関する発言が相次いだ模様で、大塚耕平・内閣府副大臣は会合後の記者会見で、年金積み立て不足の減額を「議論していく」と述べ、再建には国民の納得が必要との見方を示した。

 企業年金水準の引き下げは不可避のため、国交省は年明けの通常国会で特別立法に取り組む考えで、対策本部のメンバーとなった厚生労働省、法務省と協議を進める。

現行法では、年金支給額の減額には現役社員、OBのそれぞれ3分の2以上の同意が必要。
それは困難なので特別立法で減額を強制しよう、ということのようであります。

日航の現状を考えると年金支給額減額は避けられないことなのかもしれない。
特別立法が成立したからといって、むやみやたらに他社でも同じように年金減額が当たり前に実行されるようになるわけではないとは思う。

が、この特別立法は、「重大な一歩」を踏み出す分岐点になるのではあるまいか。
すなわち、これまでまことしやかに語られてきた「年金なんてどうせもらえねえよ」という危惧が、強制的な形でついに現実化する初めてのケースを我々は目にしようとしているのではないか、ということ。

一つ前例ができれば、後を追随するハードルはずいぶんと低くなる。
人々は将来に備えて財布のひもを固くし、返ってくるはずのない国民年金保険料の未納はますます増加する…そんな年金破綻に突き進む悪夢のスパイラルがついつい頭に浮かんでしまいます。

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日本人は「知らない人」を無闇に殺さない

2009-10-29 22:49:30 | Society
亀井大臣が家族間殺人の責任を大企業に負わせる発言をした件については、このブログでも以前にちょっと触れましたが、統計データを紹介しているブログ記事があったのでリンクさせていただきます。

犯罪統計より(Chikirinの日記)

この記事を読んで、なるほどと膝を打ったのは、人はそんなにむやみに「知らない人」を殺したりしないということ。
確かにねー、全殺人における家族間殺人の割合が多いというのは、社会の治安がいい証拠なんだな。
“身内の犯罪”である殺人が減ってるのは、人間関係が薄くなっているからって見方もなかなか面白いな。

記事の中で、犯罪の認知比率について触れられているけど、世論に影響を与えるのは「マスメディアを通じての認知比率」になるのでしょうな。
昔に比べてメディアも飛躍的に発達したので、子どもへの虐待事件など発生の都度大きく採り上げられる分、統計上は赤ん坊殺しが劇的に減っているにもかかわらず増えている印象が植え付けられる、ということでしょうね。
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この期に及んで臨時祝日?

2009-10-28 23:21:15 | Politcs

今臨時国会で、目下のところ個人的にもっとも注目しているのは、郵政見直し法案でもモラトリアム法案でもなく、コレです。

天皇在位20年祝日法提出へ(産経新聞)‐Yahoo!ニュース

自民党は27日午前、天皇陛下の即位の礼から20年目を迎える11月12日を臨時の休日とする法案を、議員立法で臨時国会に提出する方針を決めた。他党にも賛同を呼びかける。関係者によると、衆参両院の内閣委員会で委員長提案の形で進めば早期成立は可能だが、民主党が応じるかどうか微妙だという。

世間的にはほとんど注目されてませんが、システム業界にはヤキモキしながら推移を見守っている人がたくさんいるはず。
特に影響が大きいのは金融機関でしょう。
仮に祝日になって金融機関間の決済システムが動かないことになったらいろんなところに影響が出る。
ATMの手数料など、休日の手数料を適用するとしたらそこも設定変更が必要。
以前、パーキングメーターの休日判定がバグったってニュースもありました。
鉄道など運輸業界は休日ダイヤにする?それとも平日ダイヤで割り切るか?
ETC割引は?

天皇の即位20周年を祝うことに反対するつもりは微塵もないのですが、こんな直前になっても祝日になるか否かはっきりしないというのは迷惑千万。
解散総選挙で廃案になって、もはや立ち消えだと高をくくっていたら…

結局、民主党の対応がポイントになりそうですが、岡田外相の「お言葉」騒動の直後だけに表立って反対はしづらそうだし、党議拘束なしの自主投票が有力か?
そうなると法案成立の可能性がけっこう高かったりして・・・
成立するなら成立するで、早くして欲しいんですが。

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苦肉の策か、災い転じて…か

2009-10-27 21:45:28 | Economics

ケンコーコムが海外子会社設立まずは日本向けに一般医薬品販売(INTERNET Watch) - goo ニュース

ケンコーコムは26日、シンガポールに子会社を設立し、EC事業の国際展開を開始すると発表した。26日には、シンガポールの子会社により日本の消費者向けに医薬品の販売サービスを開始。2009年内には海外在留法人向け、2010年をめどにアジア全域向けにサービスを拡大する予定。

まずは日本への逆輸入から始める、というところがミソのようです。

医薬品の通信販売については、2009年6月に改正された薬事法の施行規則により、インターネットを通じては原則として第1類・第2類の医薬品は販売できなくなり、離島居住者および医薬品の継続購入者のみにネット通販が制限されることとなった。ケンコーコムでは、この省令は違憲だとして2009年5月に行政訴訟を起こしており、現在も係争中だ。

日本のケンコーコムのサイトでも、現状では原則として医薬品の販売はできないが、購入を断らなければいけないケースなど必要と思われるユーザーに対しては、ケンコーコム シンガポールのサービスもあることを案内していくという。

もともと海外展開の意向があったのだとしたら、薬事法改悪がお尻を押すいいきっかけになったとも言えるのかもしれません。

記者会見で、シンガポールの子会社を通じて日本向けに医薬品の通販を行うことは「抜け穴的」な商法ではないのかという質問に対して、後藤氏は「2000年にネット通販を開始した頃から、アジアや世界でも展開したいと考えていた」と回答。薬事法改正問題以前から海外展開を検討していたが、「薬事法改正などの問題を通じて、日本という閉ざされた世界でいびつな競争をしているのではなく、できるだけ早く世界に出ていかなければと実感した。その意味では、海外展開のスピードを考えていたよりも若干早めた」とコメントした。また、こうしたサービスを展開することについて、厚生労働省にも確認したところ、日本の薬事法的には問題ないとの回答を得たとしている。

今後、逆輸入が盛んになったら、また難癖つけて規制をかけられそうな気もしますが。
元気のある会社ほど、こうやってしがらみだらけの日本から出ていくんでしょうね。

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菊花賞雑感

2009-10-25 21:05:37 | Sports
菊花賞、スリーロールスが勝つ 8番人気、浜中俊騎乗(共同通信) - goo ニュース

またもや武豊が1番人気の馬で沈む姿を見ることになった。
90年代から2000年代前半にかけて、武豊が神憑っていた頃をよく知る者としては寂しい限りであります。
結果的にリーチザクラウンはG1を勝つ器の馬ではなかったとも思うけど、そういう馬に騎乗することになっている時点でかつてとは様相が違っているような気がする。
かつての武豊だったら、今回でいえばイコピコとか、勝ったスリーロールスとか、そういったポジションの馬への騎乗が自然と回ってきて、またユタカかよ…といった感じで勝利をさらっていったはず。
今日のレースのリーチザクラウンも、お世辞にも巧い騎乗とは言えなかった。

勝ち馬もあんまり褒められた競馬ではなかった。
テレビ中継では詳細よく分からなかったけど、審議になった1週目3コーナーの不利の原因になっていたみたいだし、ゴール前ではテレビでもはっきり分かるくらいの斜行。
たまたま後ろから来る馬がいなかったからお咎めなしだったけど、普通なら完全に降着だったのでは。
その割に浜中くんは無邪気に狂喜しており、解説の岡部さんも内心どう思っていたのか…
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’奇跡の復活’はもはや望むべくもないのか

2009-10-22 23:41:44 | Society
田原元騎手を逮捕 覚せい剤取締法違反容疑(産経新聞) - goo ニュース

現役時代からトラブルメーカーではありましたが、いったん道を誤るとなかなか立ち直るのは難しいようで…

こうなってしまうと、あのトウカイテイオー奇跡の復活有馬記念だとか、マヤノトップガンが大外豪快に差し切った春の天皇賞だとか、ああいった名レースまでもが、なんとなく振り返るのが躊躇われるようになってしまうのが残念であります。

しかし田原ももう50歳だったんですね…
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経常利益って日本だけの概念らしい

2009-10-20 22:58:01 | Economics
今日仕入れた豆知識。

企業会計での「利益」の種類の1つに経常利益がありますが、これって日本独特のものなんだそうです。
日本の会計基準にのみ経常利益という項目がある理由はよく分からないけど、以下のような説あり。

日本では伝統的に間接金融による資金調達が主流で、経済活動における銀行の役割が大きかった。
銀行が、貸出先の返済能力を審査するにあたり最も重視するのが、本業の儲け(営業利益)に資金調達力(営業外損益)を加味した経常利益であり、それゆえ日本の会計基準には経常利益が設けられている。

バブル崩壊後、間接金融のウェイトは次第に低下していますが、国際会計基準には経常利益という項目が無いため、国際会計基準が適用されるようになると名実ともに過去の概念になってしまうのかもしれません。
コメント (1)
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「大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清」 松元 崇

2009-10-19 22:59:33 | Books
大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清
松元 崇
中央公論新社

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首相・日銀総裁のほか、いくつもの内閣で蔵相を務め、最期は2・26事件で暗殺された高橋是清という人物にスポットを当てた一冊。
ですが、高橋是清の人物像に深く切り込むというよりは、彼を基軸にして明治維新から太平洋戦争開戦までの日本の財政・金融史を俯瞰することに重きが置かれています。
通常「歴史」を語る際に政治史や社会・文化史の陰に隠れがちな財政・金融という観点でこの時代を改めて振り返ってみると、一般的な日本近現代史とはまたちょっと異なる側面が見えたりして、なかなか興味深かったです。

この時代の財政を理解するにあたって重要な意味を持つキーワードが「金本位制」。
現在の変動相場制に慣れ切っている身には、金本位制の時代の感覚やメカニズムを理解するのがなかなか難しい。
読んでいる途中、当時の経済の動きを追う中で「この場合為替レートがこう動いて…」などとついつい考えてしまったりします。

当時、金本位制を採っていることは、その国の経済の信頼性・安全性の証であり、外資を呼び込み殖産興業を図るために必要なことであった。
一方で、金本位制の下での輸入超過は正貨流出を招くものであり、明治時代を政府は徹底した緊縮財政志向であった。
この本で振り返られている当時の政府の健全財政志向・デフレ志向には、「景気対策」としての財政出動が当たり前のように肯定されている現代の我々からみると驚かされるものがあります。

軍事的には勝利した日露戦争は、賠償が取れなかったことから、財政的には負け戦であった。
第一次大戦の特需で一時的に好景気に恵まれるもののバブルははじけ、さらに関東大震災が追い討ちをかける。
震災手形の処理を契機に深刻化した昭和恐慌下、国は税負担を地方に押し付けたために農村は窮乏し、都市と農村の格差による社会不安が軍部台頭の遠因となる。

高橋是清が絶命するまで、昭和8年~11年にかけての「高橋財政」下では金輸出再禁止と低金利政策による産業振興により、農村疲弊や軍部対応の暗いイメージと裏腹に、日本経済は絶好調であった。
好況を背景に軍部は軍事予算の拡張を要求するが、公債発行の限界を読み取っていた高橋はこれに応じない。
そのことにより、高橋は軍の憎悪の対象となり、2・26での暗殺を招くことになる。

高橋財政が好況をもたらしたことは世間には理解されず、専ら満州事変が景気拡幅を実現したと信じられる。
高橋没後、軍事予算の拡張には歯止めがかからず、日本の財政状況は急激に悪化する。
一般に、日本は「持たざる国」であり、欧米の「持てる国」の敵対政策により追い込まれたとの構図が、現在でも信じられているが、昭和10年前後の好景気時代には日本はけっして「持たざる国」ではなかった。
軍部暴走による財政悪化と日満ブロック化などの国際的な孤立政策が、自らを「持たざる国」へと追い込んでいったのである。

…というのが、この本が俯瞰する大まかな流れです。
一点留保しておかなければならないのは、著者が現役の財務官僚であり、この本自体「ファイナンス」という財務省の広報誌に連載されたものをまとめたものであること。
財政均衡主義への肩入れ感など若干のバイアスは差し引く必要はあるのかもしれませんが、理屈としては正しいことが書いてあると思うし、基本的には客観的な立場で論じられている印象です。

財政肥大による公債負担増や、格差社会による社会不安の増大・右傾化は現代にも通じるものがある、などと通俗的なまとめ方をするつもりはありませんが、当時も今も、経済や財政のメカニズムは一般世間にはなかなか理解されないものであり、それがポピュリズムと結びつくと不幸な結果を招く恐れがある点は同じだな、という感想です。
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季節の変わり目

2009-10-17 23:45:19 | Diary
まだ肌寒さを感じるまでではないものの、日々気温が下がってきている感じがする今日この頃。

先週の土曜は長男の初めての運動会に家族総出しましたが、そのへんからやや体調に変調が出始め、今は下のムスメを除く3人が鼻グズグズ。
軽い風邪程度ですが、今日は3人耳鼻科のお世話になりました。

そして晩飯はちゃんこ鍋。
これから週末は、鍋を囲む機会が増えていきそうです。
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二子玉川をブラタモリ

2009-10-16 23:39:56 | Entertainment
この10月からレギュラー化されたNHKの「ブラタモリ」
品のいい「タモリ倶楽部」といった風合いですが、昨日の放映では二子玉川をブラタモリ。

玉川高島屋内の事務所のカーペットをはがすと、かつてのボーリング場のフロアが現れるってのも面白かったけど、驚かされるのは高島屋建設前、昭和30年代当時の写真。
辺鄙だったんだろうな、とは思っていたものの、あそこまでとは…
一面の田圃の中を玉電が走る様子はまるで「となりのトトロ」に出てくる風景のようでした。

玉電といえば、今の田園都市線のルート、渋谷~二子玉川園の路線ばかりが頭に浮かびますが、番組では砧本村方面への支線(砧線)の跡も探索。
普段よく通る、高島屋北側の細く真っ直ぐな道が玉電の線路跡だったとは、全然知りませんでした。

いやー、じっくり見入ってしまった。
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