そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

サンドニの快勝

2012-10-13 21:42:41 | Sports
フランスに勝っちゃいましたねえ。
終了間際の鮮やかなカウンター一閃!という勝ち方も含めて興奮しました。

けど、シュート数はフランス21本に対して日本は5本。
日本代表の進化と、現状の限界と、いろいろと思うところある試合でした。

1.守備陣の奮闘
最大のポイントは、試合開始直後の連続CKのピンチを含め、フランスの猛攻をギリギリのところで防ぎ続けたことですね。
ビッグセーブ連発の川島は本当に頼りになるし、吉田・今野のCBも集中していた。
右SBに内田ではなく酒井宏が起用されたのはちょっと驚きでしたが、攻めでは持ち味を出せなかったけど、守備は頑張ってました。
長谷部や遠藤もよく戻ってました。
清武と香川のサイドのところでの守備が効いてなかったのが攻め続けられた一因ですかね。
まあもともと守備力が高い選手ではないし、どっちかのサイドが岡崎だったらまた違ったかもしれません。

2.フランスの攻撃
ベンゼマやメネーズのフィジカルの強さを前面に出した圧力は強烈でした。
でも、サイドからクロスを放り込んで高さを生かして競り、こぼれ球を遠目から狙ってくるシュートばかりで単調だったようにも思います。
このあたりが最近国際大会で苦労しているフランス代表の課題なんでしょう。

3.日本の前半の攻め
ほぼチャンスゼロでしたね。
あれだけ押しこまれれば然もありなんですが。
後ろでボール奪っても出し所がない。
無理やり前線にくさび入れてもハーフナーや憲剛が起点になれない。
まあでも彼らだけの責任ではないですね。
前田・本田だったら…とつい考えてしまいますが、全体の戦況があれでは前田・本田が出ていても大して変わらなかったかもしれません。

4.長谷部
守備では頑張ってたと思いますが、前方への動きが物足りないというか元気が感じられなかった。
やっぱり全然試合出てないとね…
ミスパスが多いのは以前からだと思いますが。

5.後半になって
ハーフタイムに、サイドで起点を作れという指示が出たとのことですね。
だいぶボールが回せるようになりました。
ベンゼマが下がったり、フランスがペースダウンしたのもあるとは思いますが。
その意味でもあの惨憺たる出来だった前半を無失点で凌いだのは大きかった。

6.元セレッソ三人衆とゼロトップ
後半途中で、憲剛⇒乾に交代して、トップ下に清武、香川、乾とセレッソから欧州に飛び立った三人が並びました。
乾は好調そうでしたね。
最後のほうで、ハーフナー⇒高橋という交代があったのもちょっと意外でした。
遠藤と香川が一つ前のポジションに上がって、香川がトップ、遠藤がトップ下。
ゼロトップ気味、と云ってもよいのかな。
この試合のように、強豪相手でボール支配が難しい場合にはハーフナーや前田みたいなタイプをトップに置くのではなく、ゼロトップ気味のほうがよいのかも。
オプションが増えたのはよいことでしょう。

7.香川
決勝点をしっかり決めるあたりは千両役者ですが、全体としては、うーんという感じですね。
前半苦しい中でこそ、さすがビッグクラブのレギュラー級という格上感を見せつけてほしかったんですが。
その点でいうと長友のほうが格上感を見せてくれた印象です。

さて次はブラジル戦ですか。
楽しみだ。
アウェーでの強豪国とのテストマッチ、これからもどんどん機会を増やしてほしいものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム』 東 浩紀、北田暁大

2012-10-10 23:13:52 | Books
東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)
東 浩紀,北田 暁大
日本放送出版協会


ともに1971年に生まれ、東京校外で生まれ育ち、現在も東京に暮らす批評家と社会学者が、東京の街をネタにして社会論を語り合います。

こういうの、面白いんだよね。
自分も東京で生まれ育って、しかも同世代(北田氏とは学生時代個人的に親交があったりする)なので、こういう話を居酒屋でするんだったらぜひ参加したいなと思ってしまう。
しかし、果たしてこれはアカデミズムなのだろうか、という疑念は読んでいる間常につきまといました。
だって殆ど個人的な体験と印象のみに基づいた議論なんだもん。
スノビッシュなお化粧はされているにしても。

とはいえ、2005年に出された本で出版後7年も経過しているわけですが、ここで語られている現象はますます現実に進行しているようには思えます。
「国道16号線化(ジャスコ化)」だとか、見た目だけでは地域の貧富差がわかりづらくなっているだとか。

東氏はそうした「動物的な事実の避け難さ」を容認しているのに対して、北田氏はそれに抵抗したい志向がある、という違い。
その違いは下北沢の再開発に対する評価の違いなどに現れます。

自分、個人的にはジャスコ化は仕方ないんじゃないかな…と思ってしまうほうなので東氏寄りと云えるかもしれません。
でもそれって情報化や人の行き来が簡単になったことにより生じた画一化、というか「画一」範囲の拡大なんじゃないの?という気もします。
昔は村や集落レベルで「画一」していたのが、東京とか日本という広い範囲での「画一」に拡大した、みたいな。
まあ、いずれにしても街の個性が薄まって、つまんなくなっているのは確かですけどね。

今後高齢化が激しく進んだら、こうした街の風景もまた変わっていくんでしょうね。
どう変わっていくのかはまったく想像がつかないけど。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本という国が受賞

2012-10-09 23:42:44 | Society
昨日来、山中伸弥さんのノーベル賞受賞の話題で持ちきりですな。

3年前に、山中さんとiPS細胞についての本を読み、以下のようなブログ記事を書いております。

「iPS細胞ができた!」 山中伸弥、畑中正一

記事中では分かったようなことを書いてますが、3年も経つとさっぱり理解もクリアされているもんです…

昨日の受賞記者会見でも「日本という国が受賞したのだと思っている」というようなことを言われていたのが印象的でした。
最近の日本人ノーベル賞受賞者は日本人といっても欧米の大学に在籍されているケースも多かっただけに、京都大学の研究室で日本の学生たちに支えられながら研究を続けて…という点では確かに感慨も違います。

こうした世のために役立てることができる研究成果を出す人物を、日本の大学や研究機関が輩出するということは、日本という国の国際的ステータスを維持したり高めたりする上で本当に価値あることですね。
ただし、その成果を享受するのは別に日本人だけではなく、地球上のあらゆる国の人びとであってよいし、またそうあるべきなのだと思います。
だからこそ誇らしいわけです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする