そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

発表会

2006-07-29 23:49:54 | Diary
このブログに書くのはたぶん初めてだけど、趣味でアコーディオンを弾いています。

一昨年結婚したときに、披露宴で新郎自ら何か余興をやりたいと思ったのだけれど、いかんせん何も芸が無い。
何故かふと小学校時代に音楽の授業の合奏でアコーディオンを弾いたことを思い出し、ネットで教室を探して門を叩いた。
先生がとても良い人で、披露宴まで僅か3ヶ月、「弾けるようになるものでしょうか?」と恐る恐る尋ねた自分に、「何とかやってみましょう」と突貫工事で教え込んでいただいた。
披露宴ではお世辞にも上手な演奏ではなかったものの、何とかギリギリ形にはなり、(少なくとも気持ちは伝わったようで)大きな拍手をもらうことができた。

その後もレッスンには隔週で通い、先生に紹介してもらって安い(といっても20万円したけど)中古のMyアコーディオンも購入したが、仕事もあり、家庭でもヨメさんの妊娠、出産、育児とバタバタであまり練習時間も取れない。
ということで上達のスピードも亀の歩みのようではあるのだが、先生の勧めもあって今回教室の発表会に出場することにした。
身内だけの発表会でも、やっぱり緊張。

でも、出場して良かった、と思う。
実は、最近アコーディオンに対するモチベーションが低下していた。
難しい楽器なので、やっぱりなかなか上達しない。
せっかちな性分の自分は、そのことがちょっとイヤになっていた。
発表会に出ること自体がコミットメントとなり、モチベーションを高めるというのもある。
それだけでなく、今回初めて他の生徒さんの演奏を聞いた(いつも個人レッスンなので)のだが、上手い人は本当に上手で難しい曲を鮮やかに弾いている。
その姿を見て「いつかああいうふうになりたい」という思いが強くなった。
そのためには練習が必要だけど。。

発表会の後、ちょっと実家に寄ったのだが、そこで一本のカセットテープを渡された。
母親が、自分の小学校六年生のときの担任の先生と今でも手紙のやり取りなどをしており、その先生が当時のクラスの合唱・合奏を吹き込んだテープを保存しておられ、それを送ってくれたのだと言う。
うちに持ち帰って聴いてみたところ、「史上最大の作戦」の合奏が録音されていた。
実は、冒頭に書いた、アコーディオンを弾いた小学校時代の合奏とは、まさにこの「史上最大の作戦」だったのだ。
何たる巡り合わせ!
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続・Yahoo!検索の信頼性

2006-07-25 20:25:41 | Weblog
先週のエントリで、Yahoo!の検索結果でこのブログの一部記事が上位に表示されることについて書いた。
その後忙しくってネットへのアクセス自体あんまりしてなかったのだが、アクセス解析を見るとYahoo!検索結果経由の訪問が急に減っているようだ。
で、先ほど改めて「世界 ベストイレブン」「夏目漱石 三四郎 感想」と入力してYahoo!検索をかけてみたところ、このブログの記事が表示されなくなっていた!
タイミング的に、Yahoo!検索の信頼性を揶揄するようなことを書いたのが癪に障って(?)下げられたのでは、と考えたくなるが、まさかねぇ。
そういえば、先週の日経朝刊特集記事「ヤフー どこまで強いか」では、検索エンジン任せのGoogleに対して、Yahoo!では「人手を介した」検索サービス作りをしているといったようなことが書かれていたが、まさかこんな場末のブログまでチェックしてたとしたら恐るべしだけどね~
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Yahoo!検索の信頼性

2006-07-19 22:27:36 | Weblog
このブログのアクセス解析を見ていると、特定のエントリにアクセスが多いことがわかる。
ここ数ヶ月の間、もっともアクセスが多いのは、去年の9月に書いた「世界のベストイレブン」というエントリ。
そして最近では「『三四郎』夏目漱石」というエントリへのアクセスが急増しているのである。

いずれもYahoo!での検索結果ページから飛んでくることが多いようだ。
で、試してみたところ、Yahoo!で「世界 ベストイレブン」と入力して検索してみると、驚くことにこのブログのエントリが約78,700件中2番目に表示されるのだ。
また、同じく「夏目漱石 三四郎 感想」で検索をかけると約14,600件中10番目に表示される。
これらの表示結果から訪ねて来る人が多いようだ。
因みに、Googleで同じように検索してみても、このブログの記事など影も形もない。

今日の日経新聞朝刊企業総合面の連載「ヤフー どこまで強いか」によれば、米国では検索市場シェアでGoogleの後塵を拝しているYahoo!だが、日本ではその地位が逆転し、Yahoo!(Overture)が6割、Googleは4割のシェアだそうだ。
が、こんな閑散としたブログのどうでもいいエントリをあんな上位に表示するなんて、Overtureの検索エンジンの性能もかなり疑わしいものである。
日本におけるYahoo!検索の地位も安泰ではないのではないかと思う今日この頃。
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非上場ですか

2006-07-18 19:29:33 | Society
パロマ湯沸かし器事故、ほかに10件 死者20人に (朝日新聞) - goo ニュース

パロマといえば竹下景子、というイメージがあるが、やっぱり名古屋の会社だったのかぁ。
先ほどパロマのWebサイトを覗いて見たが、一般的な大企業のWebサイトには必ず載ってるIR情報が一切掲載されていなかった。
調べてみると、やはり非上場。典型的な創業者同族経営の企業らしい。
事態が発覚した時点での記者会見では、「製品自体には問題が無く、不正改造を施した業者の責任」と被害者面をするなど、企業の社会的責任・コーポレートガバナンスといった世の流れに対するどうしようもない「鈍感さ」を見せていたが、さもありなんという感じである。
非を認めようとしない社長始め幹部の姿を見たときは「株主代表訴訟対策か?」とも思ったが、そういうわけではなかった。

松下電器が石油暖房器回収時の迅速・適切な対応で却って評判を上げたのと対照的に、企業イメージの低下は著しいものがあると思われるが、パロマの製品って一般消費者が直接購入するというより業者経由の方が圧倒的に多いという気もするので、案外売り上げにさほど影響しなかったりするのだろうか?
いや、やっぱりダメージあるだろうな~
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原油とマーガリンの奇妙な関係

2006-07-14 22:49:27 | Economics
マーガリンに値上げ圧力 菜種油、自動車と取り合い (朝日新聞) - goo ニュース

ちょうどマーガリンが切れたので、会社帰りに買って帰ったら、こんなニュースが。

マーガリンやマヨネーズなど菜種油を主要原料とする商品に値上げ圧力がかかっている。原油高を背景に欧米で菜種油を自動車燃料向けに使う動きが広がり、環境利用と食用との間で奪い合う構図だ。

菜種油で走る車なんて、供給を圧迫するほど普及してるのか?!と驚いたが、

欧州連合(EU)は03年の政令で植物油を原料とするバイオディーゼルの利用を促しており、05年は菜種油の食用と燃料用がほぼ均衡した。

ということらしい。
まあ確かに菜種油なんて摂取できる絶対量がそんなに多くはないようなイメージはある。

しかし代替エネルギーとして活用したものが、こんなに簡単に逼迫してしまうんじゃ、本末転倒のような気もするが・・・
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サウナかよ

2006-07-13 22:55:50 | Diary
今日は仕事で、一日中外回りしていた。
オソロシイほどの湿気だった。
まるでサウナに入ってるかのよう。

サマーバケーションシーズンなのか知らんが、ここのところ昼間移動していると外国人旅行者の団体さんによく出くわすが、この湿度では彼らも堪らんだろう。
仕事が全部終わって帰るところで、同行した人に誘われたのでキオスクで缶ビール買って電車の中で飲んでしまった。
夕方、東海道線の車内で缶ビールをぐびぐびやってる二人組を見かけたあなた、そのうちの一人が自分です。

さっきちょっと外に出てみたが、この時間になってもモワっとした空気が澱んでいる。
エアコンをつけたまま寝るのは、自分もヨメさんも好きじゃないし、赤ん坊の身体にも良くないと思うので、これまではオフタイマーを設定していたのだが、今晩はさすがにつけっぱなしじゃないとツライかもしれん。
子供もここのところ毎晩暑さですぐ目を覚まし頻繁に夜泣きするようになってしまった。
その度に授乳して寝かしつけるヨメさんも、もうグッタリである。
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罰金100円

2006-07-11 18:20:58 | Society
ワールドカップも終わったので、スキンも夏らしいのに替えて気分一新。
久しぶりに小ネタを取り上げてみます。

琉球大教授が遅刻学生に罰金100円、未払いは欠席に (読売新聞) - goo ニュース

琉球大工学部(沖縄県西原町)の教授(62)が、昨年度後期から今年度にかけ、担当する機械システム工学科2年の必修科目の講義に遅刻した学生から、遅刻1回に付き罰金100円を取っていたことが10日、わかった。
払わなかった場合は、欠席にしていた。同大は近く調査委員会を設け、教授の処分を検討する方針。
教授が調査に応じないため、受け取った罰金の総額と、使途は不明だが、同学部は「教育と称して金銭を受理するのは倫理に反する」と説明している。
昨年11月、学生からの相談で事実関係が判明。同学部は電話や文書で教授にやめるよう勧告したが、教授は「教育の一環だ」などと主張、徴収を続けたという。

記事の書きぶりだけ読むと、偏屈な頑固ジジイという印象もするけど、学部側が処分理由として挙げている「教育と称して金銭を受理するのは倫理に反する」というのも的が外れてる気がする。

論点は、このようなローカルルールを作る権限をこの教授が有しているのかどうか。
学部が教授を縛っているのがどんな契約形態なのかよく知らんけど、まさか「学生から金品を徴収してはいけない」などといった細かい規定があるとも思えず、「教育者としてふさわしくない行為すべからず」といった包括的な定め方がされてるんだろう。
学部側の説明はそういった根拠規定に基づくものなのかも。

道義上あるいは手続き上もっと問題になるのは、このローカルルールを決めることに、どれだけ学生側の意見が反映されているのかどうか。
民主的に多数決なんてとこまでは求めないにしても、学生側が意見を述べる機会を与えていたのか。
一方的なルールの押し付けじゃ、手続の瑕疵を言われても仕方が無い。

さらに集めた罰金の行方はどうなるのか。
ゼミや研究室だったらコンパ代に遣うとかできそうだけど、講義だからねぇ。
教授の懐に入るんじゃ問題ありだろう。

ローカルルールを設けること自体は許容されたとして、あとは実効性の問題。
上の読売の記事では触れられていないが、同じ件を取り上げた日経新聞の記事では「100円払って出席にしてもらえるなら安いもん」だという学生の声を紹介していた。
そんな開き直りをされちゃうんじゃ元も子もないが、誰でも一度くらいは遅刻をするもので、常習者を取り締まるのが制度目的だとすればあまり重い罰金を科さない方が合理的なのかもしれない。

・・・などとムダに分析してみたが、実はうちの職場で定例的に行なっている打合せも集まりが悪く、このニュースに触発されて次回から遅刻者には罰金100円を科すことが本日合議により可決された。
今日は日本中で同じようなことやってる職場、多いんじゃないかな。
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総括らしきことを

2006-07-10 23:46:48 | Sports
1ヶ月に亘るワールドカップの饗宴が終り、玄人・素人による大会の振り返りがそこかしこで為されている。
このブログでも総括めいたことを書いてみようと思う。

一言でいえば、ここ10年ほど世界のサッカー界を引っ張ってきたスーパースターたちが、一つの区切りをつけた大会だったと言えるのではないかと思う。
ある者は現役引退を、ある者は代表引退を言明している。
ジダン、テュラム、マケレレ、フィーゴ、カーン、カフー、ロベルト・カルロス、トッティ、ネドベド、そして中田英。
代表ユニフォームを身に纏う彼らの姿を観るのはこれが最後。
さらに、ロナウド、ベッカム、ラウル、デルピエロ、カンナバロ、ヴィエラ、クレスポ、ファンニステルローイ、シェフチェンコ、といった選手たちも代表からすぐにいなくなりはしないとしても、年齢的に4年後の大会で今以上のパフォーマンスを見せられるとは考えにくい。

自分が初めて本格的にワールドカップで世界のサッカーの凄さに触れたのは、高校3年生の時、1990年イタリア大会だった。
93年にJリーグが始まり、ドーハの悲劇。
サッカーブームの中、94年に行なわれたアメリカ大会は、ちょうど大学4年の就職活動の時期だったが、ほとんど全ての試合を観たといっても言い過ぎでない。
そのアメリカ大会の後くらいのタイミングで世に出、スターダムへと上り詰めていったのが、上述した選手たち。
実際、1972年生まれのジダン、フィーゴ、ネドベドは自分と同い年だし、自分自身の年齢やサッカー観戦歴と照らしても、20世紀の終りから21世紀の初めにかけての一つの時代が終わったという感慨は深い。

一方で、今大会は新しいスターたちの台頭があまり目立たない大会だったとも言われている。
確かに、若いながらも既にビッグネームとなっているカカ、ルーニー、C・ロナウド、ロッベン、メッシといった選手たちも、それほどの輝きを見せたともいえず、これまであまり知名度の高くなかったリベリー、ラーム、ポドルスキ、セスク、マスケラーノなどの活躍はあったが、一気にスターダムにのし上がったというほどでもない。
が、こんなものではないだろうか。
例えば今をときめく(今大会ではときめかなかったが)ロナウジーニョだって、4年前の日韓大会の時期にはさほどの強烈な印象を残したわけでもない。
きっと上に挙げた彼らの中から次代を担うスーパースターが現れてくるに違いない。

束の間の休暇を挟んで、新しいシーズンはすぐに始まる。
優勝したイタリアではビッグクラブの不祥事・降格も言われていて、移籍市場を賑わすことだろう。
我らが日本代表も、新しい指導者の下、わずか1ヵ月後には早くも親善試合・公式戦が予定されている。
世界との距離は再び遠くなってしまった感はあるけど、一つ一つステップアップしていくことを期待したい。


最後に、今大会の私的ベストイレブンでも選んでみたい。
全部の試合を観たわけではないので、まったくの私見である。

まず、GKはブッフォンで文句ないだろう。
彼に限らずツェフやファンデルサールなど世界的に評価の高いGKはさすがのプレーをみせてくれた。
日本代表では唯一賞賛された川口にしても、彼らと比べてしまうとやっぱりかなり見劣りがする。
彼らにとっては「神懸りセーブ」は当たり前のプレーで、その上でミスと呼べるミスを一切しないのがスゴイ(川口は、オーストラリア戦での判断ミス、クロアチア戦でのバックパス見切りあわやオウンゴールなど、ミスの多いキーパーだと思う)。

続いて、DF。
センターバックは、これまた文句なし、完璧だったカンナバロ。もう一人はテュラムあたりが順当なんだろうが、無失点のまま大会を去ったスイスに敬意を表して、あえて屈強な若手センデロスを選出したい。韓国戦での流血ヘディングゴールが印象的。
右サイドバックはザンブロッタも捨て難いが、フランスの鉄壁守備陣の一翼を担ったサニョルを。
左サイドは、オーストラリア戦のPK奪取、ドイツ戦の決勝ゴール、優勝を決めたPKと印象的な場面での活躍が目立ったグロッソ

MF。
守備的MFは優秀な選手が多かった。特に決勝に進出した両チームのボランチコンビは出色だったが、攻撃参加で活躍したピルロ、ヴィエラよりも、あえてガットゥーゾマケレレを。無尽蔵な運動量とボールを掻っ攫う巧妙なスキルが素晴らしかった。
攻撃的MF。一人は、フランスに活力を取り戻す原動力となった新星リベリー。もう一人は迷うところだが、やっぱりいろんな意味でジダンかな。

FW。
やや竜頭蛇尾に終わったけど、得点王のクローゼは文句なし。高さにスピードとテクニックが加わった。
もう一人が難しい。相棒ポドルスキ、1トップで苦労しながら好機をものにしたアンリ、ロナウド、クレスポ、フェルナンド・トーレス・・・など候補はいるんだけどどうもパッとしない。
あえて渋いところで、エクアドルのベテランストライカーデルガドを選出。フォワードらしい働きが印象に残っている。

こうしてみると、ボランチより後ろの選手はワンサカと名前が出てくるんだけど、攻撃の選手はなかなか出てこない。
これも今大会を象徴してるのかな。
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愚かな失敗

2006-07-10 06:18:20 | Sports
最後の最後に失敗してしまった。

ワールドカップ決勝戦。
いつものように、録画しながら5時ごろ起きて時間差で観ようと思って前日HDレコーダーをセットした。
4時半ごろ目が覚めたので起きてみると、レコーダーが作動していない。
予約時間、AMとPMを間違えていた・・・orz
いつもは前の晩にセットするのに、昨日に限って昼間のうちに予約したので手が滑ってしまった。

が、不幸中の幸い。
慌てて生中継を観ることに切り替えたところ、既に後半35分過ぎだったがスコアは1-1のタイ。
そのまま延長突入したので40分くらいプレー時間があったし、PK戦もリアルタイムで観ることができた。

80分間は観てないので試合内容へのコメントはできないが、自分が観てる間は完全にフランスのペース。
イタリアは守り一辺倒で、攻めに転じても連戦の疲れからかまったく攻撃を作れない。
延長に入って、リベリーの突破からのシュート、ジダンのフリーでのヘッドとフランスに決定的チャンスが続いた。

そして、最後の最後に「愚かな失敗」を犯したのは・・・
延長後半、ジダンが(いろいろ伏線はあったんだろうが)考えられない愚行でレッドカード退場。
結果論だが、PKでの敗戦もジダン退場で流れが固まった感がある。

これで現役引退。
本当にそれでいいのか?
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美しいサッカー

2006-07-07 23:19:21 | Sports
ワールドカップもいよいよ3決と決勝戦の2試合を残すのみである。

ミサイル騒ぎで撹乱されてしまったが、準決勝のイタリアvsドイツは、これまで自分が観たサッカーの試合の中でも五指に入るほどの名勝負だった。
延長終了間際での決勝、ダメ押しゴールという試合展開のドラマ性ももちろんだが、そこに至るまでの攻防も互いの持ち味をぶつけ合い、凡ミスもラフプレーも皆無と言ってよい、「美しいサッカー」を見せてくれた。

この大会のドイツの攻撃は非常に迫力があった。
体力にモノを言わせたパワープレーというのともまた違う。
スウェーデン戦のクローゼ→ポドルスキの2発、アルゼンチン戦のボロウスキ→クローゼのヘッドつなぎに代表されるように、一瞬のスキを力強く且つ俊敏にこじ開ける、「ナタの切れ味」と表現できる破壊力。

そのドイツの破壊力あふれる侵入を次々と防いでいくイタリアのディフェンス。
「カテナチオ」の語感からくる硬質さは感じられず、アルゼンチンやポルトガルのディフェンスのような狡猾さともまた違う。
クレバーで、それでいて強靭な、「しなやかさ」を感じさせる。
それにしてもカンナバロは本当に凄いディフェンダーだ。

そして、何より「美しい」という印象を残してくれた最大の要因は、イタリアの2ゴール。
グロッソの1点目にしても、デルピエロの2点目にしても、まさに「糸を引くような」軌道の美しいシュートだった。
その2つのゴールを演出した、ピルロとジラルディーノのラストパスも。

準決勝のもう1試合については、ポルトガルもいいチームだったが、やはり戦前予想した通りストライカーの弱さが出てしまった感がある。
キックオフ直後の、C・ロナウドの中央へ切れ込むドリブル→デコのミドルシュートの場面には「おっ」と期待させられたが、それ以降攻撃陣がフランスの守備陣にまったく歯が立たなかった。
結果的に、PKの1点が明暗分けた形だが、例えあのPKが無かったとしてもフランスがいつかは点を入れて勝っていた試合だったように思う。

さて、決勝。
イタリアの「美しいサッカー」にすっかり魅了されてしまったので応援したいところだが、今大会は相性がそのまま結果に出ている傾向が強いので、ジダンが有終の美を飾る結果に終わるかもしれない(もしかしたらPK戦で決着とか・・・)。
とにかく好試合を期待したい。
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