検察審査会から強制起訴された民主党の元代表の小沢被告は、先月26日、東京地裁で「違法性を認識していなかった可能性がある」として無罪を言い渡されました。
検察官役の指定弁護士3人は「心証としては黒なので控訴したい」として一昨日、東京高裁に控訴しました。
さて、東京高裁で小沢被告が1審に続いて無罪となるのか、それとも元秘書らと共謀して収支報告書にうその記載をしたとして有罪となり、敗北感を味わうことになるのか注目されるところです。
剛腕政治家として名を馳せている小沢被告からは、政治家や業界団体、官僚など多くの人たちが何かにつけて指導、指南を受けたのではないでしょうか?
きょうは「敗北」と「指南」の語源について調べました。
「敗北」はご存知のように戦に負けて逃げる事を言い、転じて争いに負けることを言います。
一方、「指南」は南を指すと書きますが、これは指南車が方向を示して導くことから教えを示すこと。即ち、教えを導くことの意味となっています。
では、「敗北」が何故「北」で、何故「指南」は、南を指すのでしょうか?
「敗北」
調べてみると「北」には【逃げる】という意味があります。(広辞苑より)
「北」という漢字は、左と右の人間が背を向けて立っている様子を表していて、【背を向ける・そむく】という意味の漢字だそうです。
そこから【背を向けて逃げる】という意味にも広がり、『敗北』が【負けて逃げる】という意味になったようです。
「指南」
一方、指南は古く中国で作られた「指南車」に由来します。
・これが指南車です(ウィキペディアより)
指南車は二輪の手押し車に木製の人形がついていて、車が回転し向きを変えても、歯車の仕組みで人形の指が常に南を指すようになっています。
中国の伝説の皇帝である黄帝が戦争のときに濃霧で道に迷わないように指南車を作らせたとか、周の時代の政治家が外国の使者に作って贈った、などと言われています。
その後、歯車の仕組みから磁石の仕組みに変化しましたが、それでも「指南車」は常に南を指していました。
「常に同じ方向を指し示す」ことから「人を教え導くこと」も『指南』と言うようになったそうです。
小沢被告から指南を受けられた政治家の皆さん「人を教え導くこと」が出来ているのでしょうか?