ノロウイルスなどによる感染症胃腸炎の患者が11月から急増しており、抵抗力の弱い子供やお年寄りは重症化する恐れがあることから、厚生労働省が警戒を呼び掛けています。
国立感染症研究所によると、ノロウイルスは感染力が強く、1~2日の潜伏期間を経ておう吐や下痢、発熱などの症状が出ます。
予防策として有効なのは手洗いの徹底だそうです。タオルは供用せず、できればペーバータオルの使用が効果的だということです。
また、感染した場合は、おう吐や下痢で脱水症状を起こす危険もあることから、速やかに医療機関の受診を勧めています。
そこで、今日はノロウイルスに対する注意事項について調べることにしました。
「ノロウイルスの特徴」
ノロウイルスは、下痢や嘔吐、発熱などの反応が現れるウイルスで、他のウイルスと比べて感染力が強いといわれており、学校や飲食店などでの集団感染がよく報道されているところです。
一年中ノロウイルスは発生していますが、毎年10月から徐々に増え、冬から春にかけて大流行すると言われています。
潜伏期間は一般的に24~48時間と言われ、多くの場合1~2日で反応がおさまりますが、乳幼児やお年寄りの場合は、重症化したり、治りが遅くなったりすることがあると言うことです。
「感染経路」
一般的に言われているノロウイルスの感染経路は次のようです。
①感染者の便や吐物中のノロウイルスが手につく
感染者の便や吐物により飛び散ったノロウイルスに触ってしまったり、感染者が触れたドアノブなどを触ったりすることで感染することがあります。
感染者の便や吐物には数百万~数億個のノロウイルスが含まれていると言われており、例え少量でも、手や体につくと、体内に入って感染することがあるので注意が必要です。
②乾燥して風に舞ったノロウイルスが体内に入る
カーペットについた便や吐物の処理が不十分だと、それらが乾燥したときに、ノロウイルスが風に舞って体内に入り、感染することがあります。
また、洗濯機に入れると、洗濯機の中でノロウイルスが拡散し、他の衣類にまで菌がつき、感染を広めてしまうことがあると言われています。
③ノロウイルスが手についた可能性の高いまま調理をする
ノロウイルスの感染者が、手にウイルスがついたまま料理をすると、食材や調理器具が汚染されることがあるため、それを食べて感染することがあります。
調理をする人は、ノロウイルスに感染しているかにかかわらず、調理前は手を石鹸でよく洗い、万が一嘔吐や下痢の反応が出ていたら、調理を控えた方が良いでしょう。
また、調理器具が汚染された際には、熱湯やアルコールで消毒することが重要です。
④カキなどの二枚貝を加熱せずに食べる
カキ、シジミ、アサリなどの二枚貝は、ノロウイルスを持っている可能性があるので、生のままで食べると、ノロウイルスに感染する場合があります。
二枚貝は、海水に含まれるプランクトンをエサとしていることから、エサと一緒に吸い上げたノロウイルスが、貝の体内に蓄積されていることがあるようです。
⑤ノロウイルスに汚染された井戸水を飲む
ノロウイルスで汚染された井戸水を飲んで感染することがあります。そのため、井戸水をお使いの方は、定期的な水質検査が重要となります。
因みに、一般的な水道水は、浄水場にてノロウイルスの除去が行われているため、水道水でノロウイルスに感染する心配は殆どないと言われています。
「予防法」
ノロウイルスにならないために心がけたい予防法は次の通りです。
①手を洗う
食事の前はもちろんのこと、不特定多数の人が触る場所を触った後や、トイレを使用した際など、日頃から石鹸でよく手を洗うようにしてください。
意識して手指、手のひら、爪の中など、洗い残しのないように洗いましょう。
②貝類は加熱してから食べる
二枚貝(カキ・シジミ・アサリ)は、しっかり加熱してから食べれば、少なくとも貝からの感染を防ぐことができるといわれています。
ノロウイルスは熱に弱いので、ノロウイルスに汚染されている貝でも、きちんと加熱していれば問題ないようです。
一般的に、加熱する際は、貝の中心部を85~90度で、90秒以上熱するのを目安にすると良いとされています。
③調理台・調理器具を消毒する
汚染された可能性の高い貝を調理した際や、感染者が調理器具などに触れた場合は、他の食材を調理する前に、しっかり消毒をしてください。
調理器具や食器の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムやノロウイルスにおすすめのアルコール消毒液の使用、または熱湯による煮沸消毒を行ってください。
④排泄物、吐物を正しく処理する
吐物がついてしまったカーペットなどは、感染を防ぐために、消毒を行うことが大切だと言われています。
消毒には、次亜塩素酸ナトリウムや、アルコールなどの消毒液を使いましょう
現時点ではノロウイルスに対するワクチンが無いので、感染防止には手洗いなどで予防することが重要とのことです。
元気でお正月が迎えられるよう、十分気をつけましょうね。