今、海外で日本茶がブームになっています。
米国では緑茶がブームとなっており、日本から米国への茶葉輸出額は2014年に78億円となり、2000年からの15年で6.5倍に増えているそうです。
中でも人気のあるのが抹茶で、抹茶アイスは米国で大ヒットしているということです。
アジアでも日本茶の人気は広がっており、アサヒ飲料はインドネシアで攻勢をかけており、タイでは日本のお茶は飲むだけではなく、緑茶で炊いたチキンライスや緑茶カレー、緑茶のスパゲティカルボナーラなど、これまでにない日本茶を生かした創作料理も誕生しているということです。
今後も日本茶は海外で需要が広がりそうで、イスラム教徒の多い中東は、酒を飲まないため、お茶への関心が高く、ロシアも紅茶が浸透しており、最近の健康ブームから日本茶人気が広がっており、今年4月には京都の老舗、福寿園がロシア国内に出店しています。
そして中国でも富裕層を中心に、高品質の日本茶へのニーズは高いということです。
ところで日本茶と言えば、先日、NHKの番組「サキどり」で “日本茶を世界へ!外国人の伝道師”と題して、スウェーデン人のブレケル・オスカルさんを紹介していました。
お茶に恋してスウェーデンからやってきたブレケル・オスカルさんは日本茶インストラクターの資格をとり、日本茶の輸出を担う団体で伝道師として活躍しています。
・静岡の茶畑を案内しているオスカルさん(左から二人目)です
オスカルさんがお茶と出会ったのはスウェーデンの高校三年生の時だそうです。
母国で過ごしていたときに世界史で明治の日本の近代化を学び、それが急進的だったことに興味をもったのがきっかけで、わび・さびを知ろうと日本茶を飲んだのがこの道の始まりだそうです。
最初はいれかたも知らなかったので、ちゃんといれられず、美味しいとも思わなかったそうですが、お母さんの食べ残しは許しません、という教えのおかげで何度か飲むうちにハマっていったとのことです。
彼は2年前に設立された日本茶輸出促進協議会に在籍しており、日本国内や世界各地を飛びまわって美味しい日本茶を紹介しています。
今年4月からは香港・オランダ・イランを訪問し、秋にはアメリカから来日したお茶の専門家一行を静岡と京都に案内していました。
静岡の霧煙る美しい茶畑を見たアメリカの参加者たちはその素晴らしさに一様に驚き、帰国後の日本茶の取り扱いを口々に語っていました。
日本茶インストラクターのブレケル・オスカルさんは「最高の日本茶を海外まで持って行く事例が今までに少ないので、それが可能になるようにいろいろと頑張っていきたい」と抱負をのべていました。
お茶の国内市場が停滞する中、お茶の伝道師オスカルさんには最高の日本茶を伝えていただき、海外での普及と消費量が一層拡大することを期待したいですね。