カニのシーズンとなりましたね。
北陸から山陰にかけての各漁港にはズワイガニが水揚げされていますが、ズワイガニはその土地土地で別々の名前をつけられているようです。
鳥取県や島根県などでは「松葉ガニ」、福井県では「越前ガニ」、石川県では「加能ガニ」、そして 京都府京丹後市の間人漁港では「間人ガニ」 などと呼ばれています。
余り知られていないようですが、種々のカニを食べ尽くしたと言われる作家の渡辺淳一氏が、この「間人ガニ」について「艶めいた絶世の美女のごとき」と評し、「味は淡白で香ばしい。美味、ここに究めり」と絶賛したそうです。
でも今日はカニの話ではなく、「間人ガニ」の「間人」についてのご紹介です。
「人間」という二文字の漢字を逆に並べたこの「間人」を何と読むのかお分かりでしょうか?
「かんじん?」それとも「まびと」でしょうか、「或いは「はしうど」でしょうか?
「間人」は、京都府京丹後市丹後町の地名で、読み方は「たいざ」と読み、その謂れについては次のように伝わっています。
聖徳太子の母である間人(はしうど)皇后(穴穂部間人皇女:あなほべのはしうどのひめみこ)は、6世紀末、大和政権の蘇我氏と物部氏との争乱を避けて、今の丹後町間人(たいざ)に、子の厩戸皇子(後の聖徳太子)とともに身を寄せました。
村人たちの手厚いもてなしへのお礼にと、この地を去る際、皇后は自らの名「間人」(はしうど)をこの地に贈りました。
しかし、村人たちは畏れ多いことから、皇后が退座したことにちなみ、読み方を「たいざ」にしたと言われ、「間人」と書いて「たいざ」と読むようになったということです。
ところで、今日のタイトルの「間人から間人へ」は読めなかったのではないでしょうか?
筆者のらいちゃんは「はしうど」から「たいざ」へというつもりで書いたので、そのように読んでいただければと思います。
地名の謂れには興味深いものがありますね。
この「間人(たいざ)」の地はカニだけでなく、夕日も綺麗ですよ。
京都丹後地方に旅行した時には一度夕日をご覧になってみては如何でしょうか?
・6年前に撮影した「間人」の夕日です。