らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「発覚」の使い方

2016-12-08 | 雑学

私の知り合いの中には、違和感を覚える言葉を使用する人がたまにいます。
例えば、「病院に行って検査をしたら○○病気が発覚した」という言い方をするのです。
皆さんはこの言い方は正しいと思われますか?

発覚とは、広辞苑には、罪悪・陰謀又は秘密のあらわれること。露見。と説明しています。
辞書が示すように、「発覚」は「よくないことと知りながら、わざと隠していたこと」に対して使うというのが本来の使い方なのです。

では病気はどうなのでしょうか?
「病気」は「よくないこと」なので部分的には条件を満たしているとも言えますが、「(その存在を知っていて)わざと隠していた」わけではないので、あまり相応しい言い方ではありません。

「発覚」の「発」という漢字は、むかしは「発く」と書いて「あばく」と訓読みをしていたことがあったようです。
現代では「秘密を暴く」などの「あばく」は「暴く」と書くのが一般的ですが、「発」の字が「あばき出したり、隠されているものを表に出す」という意味で用いられている漢字熟語もいくつかあります。
例えば、
発・・・隠された不正や悪事をあばいて世の中に知らせること。犯罪などの事実を、さらけ出すこと。
発・・・悪事などをあばいて公表すること。よくないおこないを、あばき出すこと。
掘・・・埋まっているものごとを、掘り起こすこと。人に知られていない優れたものや人を探し出すこと。

ある調査機関が「発覚」を使用した次の二つの文について、どちらが正しいかウェブ上でアンケートをしたそうです。
   A・・・診察を受けて、胃かいようが【発覚】した
   B・・・隠していた悪事が【発覚】した

その結果、全体としてもっとも多かったのは「Bは正しいが、Aはおかしい」という回答だったそうです。
しかし若い人の間ではこの答えの割合が少なくなっていて、「どちらも正しい」や「Aは正しいが、Bはおかしい」というものもあったと言うことです。

また、「○○との熱愛が発覚」とか「一般男性との交際が発覚しました」という使い方が週刊誌などでされていますが、これらはそのような事実を「わざと隠していたこと」であったとしても、別に「よくないこと」ではないことから、相応しい使い方ではないと言うことです。

正しい日本語の使用は難しいですね。