日本の近代化を支え続けた、生糸の技術は江戸文明の遺産であり、日本は太平用戦争に突入する直前まで、江戸の遺産で食っていたと言えるのです。来年の大河ドラマの主人公である日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一は官営の富岡製糸工場の設立などに尽力しました。しかし、これは従来の「家内制手工業」から規模の経済効果を働かせる「工場制工業」へと転換させる契機になりましたが、そこで生産される生糸の品質は変ったわけではなく、国際社会で高い評価を受けていた生糸の質そのものは江戸の技術です。ちなみに言えば、渋沢栄一も、もともと深谷の百姓で幕臣に取り立てられて、公費で海外留学までさせてもらっていた徳川政権の人間です。近代的工場制度まで徳川政権の遺産と言えるでしょう。 . . . 本文を読む