防衛省の資料を見てわかることは、「ベトナムもフィリピンも中国もやっていることはお互いさまだね」ということであろう。中国の行為が無道だ無法だと言って、一方的にフィリピンの肩を持つような主張をしている人々やマスコミは、南沙諸島がフィリピン領だと根拠をもって主張できるのだろうか? 南沙をめぐっては、フィリピンによる領有権の主張がもっとも根拠がない。中国の横暴によってフィリピンが犠牲になっているかのように煽る世論は、「日本において反中国感状を煽りたい」という米国のCSISやヘリテージ財団など米国軍産複合体に意志から導かれているのであろう。愛国者と思いながら、外国によいようにコントロールされているというのは滑稽この上ない。 . . . 本文を読む
9月11日から昨日(16日)まで短かったが5年ぶりに中国の山村で森林保全に関する調査をしてきた。今回の調査は雲南省の標高2600mの山の中の少数民族の集落。雲南省での調査はじつに12年ぶりだった。まあ、研究の話はやめておこう。
帰りがけに一泊だけ北京に寄った。北京も5年ぶりだった。
北京は、PM2.5騒動が嘘のような青空が広がる秋晴れのよい天気。
天安門近くの王府井の本屋を . . . 本文を読む
前の記事の続きです。これで本日三本目になります。いま仕事の谷間で時間があるので、書けるうちにたくさん投稿しておきます。
前の記事で、「自由・人権・民主主義」などと、よそ様の概念をサル真似で崇め奉るのを止めにしよう、と書きました。アジアの価値はアジアに見出さねばなりません。
それじゃアジア共同体を構築する上での共通の価値とは何かということで、フィリピンの事例を紹介したいと思います。前の記事 . . . 本文を読む
昨日エントリーした差別的反中反韓論についての記事に対し、key-beeさんから解決策として「中国や韓国の政府が、国民の不満のガス抜きに『反日』を掲げるのを止めれば、割とあっさり風化するのではないでしょうか」とのご意見をいただきました。それに対する私のコメントを新しいエントリーといたします(一部加筆修正)。
Key-beeさま
お久しぶりです。コメントありがとうございました。
先方に「反日 . . . 本文を読む
私が昨年の8月9日にエントリーした記事に次のようなコメントをもらいました。私はこういうコメントをもらう度に、絶望的な気分になります。しかし、以下のような露骨な差別意識を持つ日本人が多いことは残念ながら事実です。同じ日本人として恥ずかしい気持ちでいっぱいですが、残念ながら隠しようのないことです。そこで私がもらったコメントをそのまま以下に「さらす」ことにします。
<引用開始>
「あの民族(と言える . . . 本文を読む
前のエントリーで、西欧の個人主義的価値観と東アジアの社会的紐帯関係重視の価値観について比較して論じてみました。そのコメント欄で、山澤さんから仏教や儒教が伝播する以前の「縄文ネットワーク」への注目を促すご意見をうかがいました。そこで、もう少し踏み込んで、仏教や儒教が伝播する以前、さらに言えば稲作が伝播する以前の源日本的な価値観について論じてみたいと思います。私が日ごろ漠然と思っていることを書かせて . . . 本文を読む
以前投稿した共謀罪に関する記事のコメント欄で、山澤さんとChic Stoneさんからそれぞれ批判的なコメントをいただきました。山澤さんは、人間同士の横の紐帯が破壊されていく今のような状態では人々が共謀罪を渇望してしまうのは必然的だと論じ、共同体的な人的紐帯関係の再生を訴えておられます。山澤さんは「人権」や「自由」という西欧的価値観の押し付けに懐疑的です。
また、Chic Stoneさんからは以 . . . 本文を読む
去る2月13日韓国のソウルで「日中韓賢人会議」というものが開催されたそうです。日本からは中曽根康弘元首相、丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長、梅原猛・国際日本文化研究センター顧問、榊原英資・慶応大学教授などが参加しています。『日本経済新聞』はその内容を詳しく報道しておりました。私がこのブログでも触れたことがある「日中韓鉄鋼共同体」構想なども真剣に議論されたようで、大変に嬉しく思った次第です。
改憲派 . . . 本文を読む
前のエントリー記事の続きです。私は、日本が中国と友好関係を発展させ、南京大虐殺事件など過去の問題とも誠実に向き合う中で、中国にも言うべきことは言いチベット自治区や新疆ウイグル自治区の人権状況を改善させていくことが可能になると考えます。敵対的に関係が悪化しつつある中で、互いの悪い点をののしり合っても、事態の改善は決して望めないでしょう。
前のエントリーで、東チモール紛争やフィリピンのミンダナオ . . . 本文を読む
私が8月9日に書いた記事、「世界の親中化と日本の反中化」に対して、まうさんから核心的なコメントをいただきました。私も回答しておきました。
他の方々にも読んでいただきたく思ったので、新しいエントリーとして紹介したいと思います。
まうさんからのコメントは下記のようなものでした。
(引用開始)
日本も中国とは近すぎます。実際領土問題で紛争が絶えません。(しかけてくるのは常に中国です。理由は石油と . . . 本文を読む
先ほど、ブログのランキングというものを初めて見たら、上位にずらりと反中国・反韓国サイトが並んでいるのを知って驚きました。日本では反中国・反韓国論はますます盛り上がっているようです。しかも若い人々があれだから、「この先どうなってしまうのだろう」と暗澹たる思いがします。日本の右派は、どうやら、親米路線がどうして日本の利益になるのかますます説明困難になる中で(現実は被害ばかりですから・・・)、ひたすら . . . 本文を読む
本日は靖国問題に関する私見を述べさせていただきます。靖国問題は、このブログの趣旨との関連性も低いかなと思ってこれまで何も書いてこなかったのですが、今の状況は、もう見るに耐えられないので書くことにします。ブログにおいて、私は東アジア共同体の構築を訴えています。靖国問題が片付かない限り、決して東アジア共同体構想は実現しないと思われるので、未熟な私見ですが書かせていただきます。
小泉首相によると靖 . . . 本文を読む
谷口誠著『東アジア共同体 -経済統合のゆくえと日本-』(岩波新書)という本を紹介したいと思います。谷口誠氏(元国連大使、元OECD事務次長、元早稲田大学教授)は、かつて私の上司であった方なので、多少贔屓目になってしまうかも知れませんが、この本は日本の若い世代、さらには各国語に翻訳してアジア全域の若い世代にも、是非とも読んで欲しいと思っています。
谷口氏の「東アジア共同体構想」は、巷で流行して . . . 本文を読む