代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

真田丸 第8回「調略」感想

2016年02月28日 | 真田戦記 その深層
 コメディタッチの前回とは打って変わって、すごく哀しく、怖い回でした。いままで主人公のダークな側面を脚色して取り繕うという大河ドラマは多かったと思います。「真田丸」はそういう常識を完全に打ち破っています。主人公サイドがよりダークになるように、なるように史実を脚色するという・・・・。  今回描かれたのは、天正壬午の乱における上杉VS北条の戦い。史実では、北条と通じていた春日信達に北条氏直が密書を送 . . . 本文を読む

民主主義とは輿論政治を実現すること

2016年02月23日 | 赤松小三郎
「輿論政治」という言葉は、今日では死語になってしまった。日本語として是非とも復活させねばならない概念だ。「輿論(ヨロン)」という概念は、今では「世論(セロン)」に置き換わってしまったのであるが、本来は全く違った意味で使われていた。「民主主義」とは、決して移り変わりやすく流されやすい世論に迎合することではない。私欲に流されず、道理を明弁する国民代表により、議会の場で公に議論して政策を練り上げ、形成し、執行していくことである。これこそ小三郎が理想とした「輿論政治」の姿なのである。 . . . 本文を読む

日本初の議会制民主主義の建白書 ―上田で原本のレプリカを展示

2016年02月22日 | 赤松小三郎
赤松小三郎が島津久光に提出した建白書の原本が、島津家に大切に保管されていたのでした。島津版で注目点なのは「万国普通公平の御国律(=民主憲法を指す)の制定を、頭を地面につけて首を投げ出す心でお願いいたします」といった「後記」が残されていることです。  これこそ、日本最初の議会政治・立憲民主主義の建白書であり、本来であれば国会の憲政資料館に展示されるべき史料です。 . . . 本文を読む

真田丸 第7回「奪回」感想 

2016年02月22日 | 真田戦記 その深層
 今回は北条氏直軍と滝川一益軍が激突した神流川の合戦から始まりました。「神流川の合戦」って、これまで大河ドラマできちんと描かれたことがないような気がするのですが、一瞬で終わってしまって、ちょっと残念。  ちなみに、神流川の合戦は戦国時代に関東地方で行われた野戦としては最大の戦いだったそうです。せっかく前回北条氏直が出てきたのですから、指揮を執る北条氏直の姿も少し映してほしかったような気がします・・ . . . 本文を読む

真田丸 第6回「迷走」感想 -従属から独立へ

2016年02月15日 | 真田戦記 その深層
 今回は、真田昌幸の思考が「従属」から「独立」へと覚醒した回でした。  終盤で展開された徳川と北条と滝川と真田のそれぞれの思惑の交錯を描写するシーンは鳥肌ものでした。  とくに、北条氏政の高嶋政伸さんの目力はすごかった。真田丸では、北条氏政の方が野心ギラギラの戦略家で、かたや家康は「とにかく生き延びられればよい」という堅実な人物として描かれています。後年、二人の明暗を分けた分岐点を考えると、この描 . . . 本文を読む

サンダース候補の躍進に思う

2016年02月11日 | 政治経済(国際)
サンダースが大統領になる可能性はあると思う。アメリカで左翼政権ができた場合、対米従属を堅持することを自らの使命としている日本の官僚たちはどうするのだろう? 左傾化したアメリカへの対米従属を維持するのか、それとも脱米に動くのか? アメリカ政府が、99%の利害を代表して、強欲な1%の人々との闘いを始めるのであれば、日本の財界は脱米に動こうとするだろう。しかし、ここはぜひ対米従属思考のしみついた日本の官僚たちにがんばってもらって、左傾化したアメリカに追従して格差是正のために政策を実行してほしいものだ。 . . . 本文を読む

追悼 力石定一先生 -エコロジカル・ニューディール政策の提唱者 

2016年02月11日 | エコロジカル・ニューディール政策
さる1月22日に力石定一先生(法政大学名誉教授、経済学・社会工学)が逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。力石先生は、英米で「グリーン・ニューディール政策」と言われだす10年前の1999年ごろから、「エコロジカル・ニューディール政策」を提唱され、鉄とコンクリートの土建国家型公共事業路線から、再生可能エネルギー・緑のダム・LRTなどのクリーン・テクノロジーによる環境再生事業で雇用を吸収し、同時に創造的破壊を生み出すという、ケインズとシュンペーターとエコロジーを統合させる経済政策を訴えてこられました。 . . . 本文を読む

明治維新150周年の2018年大河問題 -アーネスト・サトウはあり得るか?

2016年02月10日 | 歴史
西郷隆盛は国民主権を前提とした国民議会政治を支持していた。つまり赤松小三郎が島津久光に建白し、小松帯刀が積極的に推進し、薩土盟約にも盛り込まれた、国民議会の開設と新憲法の制定という路線を支持していた。この時点では、まだ西郷も赤松の考えに感化されていたのではないかと思われるのだ。注目すべきは、アーネスト・サトウが、西郷の国民議会論を「狂気じみた考え」として退けていることである。イギリスにとって、自らの言いなりになる独裁者が支配している傀儡政権が日本に樹立されることが、もっとも国益にかなうからだ。 . . . 本文を読む

真田丸第5回「窮地」感想 -お笑い伊賀越え劇場!

2016年02月07日 | 真田戦記 その深層
 今回はタイトルが「窮地」にもかかわらずコメディ要素の強い回でした。とくに内野家康と藤岡忠勝は、死地を笑いの渦に変える圧倒的な演技力でした。  重厚な大河を求めている歴史好き男性ファンは引くかも・・・・と思いきや、ツイッターの感想を見ると、皆さんお腹抱えて笑っている様子で、支持の方が多数ですね。なかでも内野家康は圧倒的な人気で、家康ファンが全国で激増している模様。家康と忠勝のおじさん二人に萌える . . . 本文を読む