ユーチューバーの北畑淳也さんが運営する「哲学入門チャンネル」に呼んでいただきました。今回はポスト新自由主義の社会を展望するということで、社会的共通資本とベーシックサービスとグリーンニューディール政策の考え方を統合するという話をしてきました。以下、動画を張り付けておきます。話のアウトラインは以下のような感じになっています。
(1) 宇沢弘文先生が目指していた脱成長の定常社会とはどのような状態か . . . 本文を読む
なぜ日本の「知識人」なるものは、自分の言論活動にちゃんと責任を負えないのだ。なぜ間違ったことを言っても、どこ吹く風で、平気な顔をしている人間が多いのだ。なぜ日本人は、こうした「知識人」たちを許すのだ。地質学者の丸山茂徳氏は、2008年に書いた『「地球温暖化論」に騙されるな!』(講談社)で次のように主張していた。「この問題は、おそらく10年もしないうちに決着がつくと思います。21世紀の地球の気温変化は2035年頃が最低値となる寒冷化を示します」。あれから12年。地球は寒冷化するどころか、気温上昇はとどまるところを知らない。IPCCの予測通りだ。「寒冷化」という予測が外れたのだから、科学者としての良識があるのであれば、丸山氏は世間を騒がせたことに対して謝罪すべきであろう。 . . . 本文を読む
私は、いまさらマルクスなんか読んでも未来は何も見えないと考えている。このブログでもたびたびマルクスを批判してきた。それゆえ「資本論」がタイトルに入る本など、敬遠してほとんど読んでいなかった。しかしこの本に関しては、内容はほとんど環境問題についてということなので、読んでみた。
本の内容を簡潔に述べれば、晩年のマルクスは、『資本論』までに自ら構築した理論の誤りに気づき、成長神話を捨て、エコロジーの原則に立脚して、循環型で自然と調和していた資本主義以前の農村共同体を評価し、それを発展させる形での「脱成長コミュニズム」という境地に達していたということ。そして、その晩年のマルクスのビジョンを活かして未来社会を構想しようということである。 . . . 本文を読む
問題は、日米修好通商条約の付属文書である「貿易章程」の末尾にある次の文章である。
和文正文
右(注:関税率規定)は神奈川開港の後五年に至り日本役人より談判次第入港出港の税則を再議すへし
英文正文
Five years after the opening of Kanagawa, the import and export duties shall be subject to revision, if the Japanese government desires it.
和文では、5年後には日本側が提起次第、関税率規定を再議すべしとなっていて、関税率の改訂には再交渉が必要ということになり、日本に関税自主権があるとは言えないことになる。
しかし英文の方を見て欲しい。英文の方を訳せば、「神奈川開港から5年の後、日本政府が望めば、輸入・輸出税は改訂される必要がある」という意味になる。つまり日本が関税率を改訂する(revision)と希望すれば、法的義務としてアメリカ側はそれを承認せねばならないのだ。すなわち、関税率を決める権利は日本側にのみ帰属するのであるから、日本に関税自主権はあることになる。 . . . 本文を読む
いま日本が取り組まねばならない二大課題は、(1)拡大しすぎた格差を是正し人びとの暮らしを守ること、(2)温室効果ガスの排出ゼロを目指して産業構造とライフスタイルを根本的に変えていくこと、であろう。これは別段日本のみならず、人類が生き残りかけて取り組まねばならない二大課題である。そのために必要な税制改革は、金融所得への課税率をアップ、グッズ減税バッズ課税の原則の導入である。 . . . 本文を読む