代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

利根川氾濫図のねつ造が意味するもの

2011年08月16日 | 治水と緑のダム
 前回の記事で紹介した8月5日の参議院決算委員会における大河原雅子議員と大畠章宏国交大臣のやりとりにおいて、ほかにも興味深い事実がありますので補足します。質疑の内容は「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」の下記サイトにあります。 http://yambasaitama.blog38.fc2.com/page-1.html  大河原議員の質問の中で、国交省が日本学術会議に提出したカスリーン台風の . . . 本文を読む

国交省による基本高水算出データ公開の意義について

2011年08月16日 | 八ッ場ダム裁判
 八ッ場ダム情報公開裁判で国交省が敗訴したことを受け、大畠国土交通大臣が控訴するか否かの政治的判断に注目が集まっていました。昨日、正式に控訴を断念し、今後は利根川のみならず全国の河川で基本高水算出の根拠となった情報を公開する方向で調整に入ったということです。本日の新聞各紙でも報道されていました。  下記サイト参照。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politic . . . 本文を読む

日本学術会議の森林保水力増加否定の理屈 ―信じられますか?

2011年08月05日 | 治水と緑のダム
*伐採をすると洪水時の流出量は増える。しかし、規模の大きな洪水への影響は相対的に小さい。 *1960年代以降、森林は成長し、保水機能増加の方向には向かっている。しかし洪水流出を減らすほどになるには年月が短すぎる。このため森林の成長が流出計算モデルのパラメータに影響は与えない。したがって同一降雨に対する洪水ピーク流量は不変である。 *ただし、今後、人工林を放置(間伐遅れ)したり、伐採しても再植林を放棄したりすれば、流出が変化する(=洪水流出が増大する)可能性もある。 . . . 本文を読む

八ッ場ダムの情報公開裁判で原告勝訴

2011年08月02日 | 八ッ場ダム裁判
  本日は八ッ場ダム住民訴訟に関連しておきた情報公開裁判の判決日だった。この間、世の中が少しでも良くなるよういろいろなことに期待して、自分なりにも頑張ってきたつもりであったが、ほぼ全て裏切られてきたので、「もう期待するのは止めよう、どーせ負けるんでしょ」と思いながら裁判の傍聴に出かけた。  定塚誠裁判長が判決文を読み上げる。  「・・・・関東地方整備局は、原告に対し、『利根川上流域の流出計算モ . . . 本文を読む

この国に「客観的な検証」「客観的な数値」は存在するのか?

2011年08月02日 | 政治経済(日本)
 7月29日のラジオ文化放送の「くにまるジャパン」で河野太郎議員がゲスト出演。youtubeに音声がアップされている。飯田哲也氏のツイッターで「必聴」と紹介されていたのでさっそく聴いてみた。議論の中心は、この国に「客観的な数値」とか「客観的なデータ」というものが存在するのか否かをめぐるものであった。この国には純粋に客観的な立場の人などいないのなら、なんのしがらみもない外国人をつれてくるしかないのではないか・・・・悲しくなるが、このような結論だった。残念ながらこれが事実だ。本ブログで扱ってきたダム問題にもこれが言えるだろう。 . . . 本文を読む