代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

新春から調査報道の東京新聞はスクープ連発

2014年01月03日 | マスコミ問題
新春から東京新聞は一面でスクープを連発。元日の一面トップは、東電が海外投資で得た利益200億円をオランダに蓄財し税逃れしているという事実を、独自の調査報道によってスクープしたもの。東京新聞の本日(2014年1月3日)の一面トップは、日米地位協定の不平等神奈川県で顕著「米兵ら起訴わずか5% 性犯罪すべて不起訴」。これも独自の調査報道によるスクープだった。沖縄県の起訴率も低いが、それでも送検された米兵のうち21.3%は起訴されているというから、神奈川県の起訴率5.7%の異常さは際立っているという。首相は、辺野古埋め立ての代替として「日米地位協定の改定」を高らかに謳ったが、その内容は基地内で土壌汚染が生じた場合の立ち入り調査の権利を認めさせるというものだった。その程度の改定では、ジュゴンの海を埋め立てる代替になるわけないでしょう。 . . . 本文を読む

「八重の桜」最終回に想う

2013年12月15日 | マスコミ問題
 今年の大河ドラマ「八重の桜」、これまでに視聴した大河ドラマの中では最高傑作だった(少なくとも私の中では)。  八重と西郷頼母の会津での再会でドラマは終わるのかと思ったら、その後にさらに八重と徳富蘇峰の対談のシーンが残されていた。これがじつに意味深だった。西郷頼母の「花は散っても、時がくっとまた花は咲く。何度でも、何度でも」という東北復興に向けたメッセージでドラマは終わったかと思った。現在の切迫し . . . 本文を読む

2010年新年のごあいさつ

2010年01月06日 | マスコミ問題
 ちょっと遅れましたが新年あけましておめでとうございます。このブログを読んでくださっている皆様、まことにありがとうございます。今年も更新はそれほど多くならないかとは思いますが、書けるときには書いてまいりたいと存じます。  昨年末もあまり更新するつもりはなかったのですが、八ッ場ダム問題や普天間問題などでマスコミ報道があまりにもひどくて傍観するに耐えられず、いくつか書かせていただきました。マスコミが . . . 本文を読む

プロパガンダ報道は民意をゆがめるか? 続・普天間問題

2009年12月19日 | マスコミ問題
この間の「アメリカを怒らせたら怖いんだぞー」という報道はかなり効果的に効いているのではないかと思われます。私の予想通り、「国外」は大幅に減りました。県外が相当に増えたのは、グアムの知事が反対していること、一方で橋下知事が関空の受け入れの可能性を示唆しているという情報が効いたのかとも思われます。  しかしながら、相変わらず辺野古の支持率は低かったのです。これは驚きでした。「辺野古しかない」という読売の社説を読み、他のマスコミの社説もだいたいこれと同じだと伝えた後でも、なおかつ沖縄に造るのはよくない、ましてやジュゴンの生息する辺野古沖はよくない、という意見が多かったのです。 . . . 本文を読む

マスコミが隠す論点を争点化するために

2009年09月05日 | マスコミ問題
 半月ほど前になるが、イギリス人でありながら、一貫して小泉=竹中構造改革に反対し、日本型経営を擁護してきた異色の学者、ロナルド・ドーア氏が、『東京新聞』(8月16日)の「時代を読む」というコラムで面白いことを書いておられたので紹介したい。ドーア氏の主張は『誰のための会社にするか』(岩波新書)などに書かれているように一貫して明確である。日本が安定した社会を取り戻すためには、小泉改革によって強力に推し . . . 本文を読む

NHKの「世界食糧危機」の感想など

2008年10月23日 | マスコミ問題
 先週の金曜日と日曜日の二回にわたって放送されたNHKスペシャルの「世界同時食糧危機」、すばらしい内容でした。何が良かったって、中米のエルサルバドルを事例に、自由貿易が飢餓の原因となったことを取材を通して論証していたことでした。その図式は以下の通りです。  エルサルバドルはアメリカに要求されてトウモロコシ輸入を自由化 → 米国からの輸入トウモロコシに市場を席捲される → 農家は困窮し離農 → 国 . . . 本文を読む

秋葉事件とマスコミの反応と大学生の反応

2008年06月12日 | マスコミ問題
 秋葉原事件はあまりにも痛ましかったので、私の昨日の授業の予定を急きょ変更して、この問題を取り上げてみました。大学一年生向けに「アカデミック・スキル」という入門ゼミのような授業があります。その場でどうしてこんな問題が発生したのか、そしてどうすれば防げるのかを話し合ってみました。  といっても議論の取っ掛かりがないといけません。私は6月10日の新聞各紙の秋葉原事件に関する社説の中から、対照的な見方をしていた読売新聞と東京新聞の社説を取り上げ、学生たちにどちらの社説により共感するか聞いてみました。 . . . 本文を読む

同じ新聞の中でもこれだけ違いが・・・・

2007年09月19日 | マスコミ問題
 失業も貧困も、まともな労働をせずして投機によって儲けようとする人々の存在の「裏」として存在します。投機で儲ける人々をなくさない限り、失業も貧困もなくならないでしょう。無益な戦争も、投機活動の失敗と、その後の失業やインフレといった社会的混乱状態の中で煽られて、引き起こされる場合が多いのです。レバレッジド・バイアウトやデリバティブといった手法による投機活動の規制なくして、21世紀の平和と安定はあり得ないと思います。 . . . 本文を読む

カイカク原理主義者はまだまだ健在

2007年09月17日 | マスコミ問題
 9月12日のコメント欄でデルタさんから次のようなコメントをもらいました。 >「安倍政権はカイカクを後退させようとしている。カイカクを後退させるな」の大合唱が本当に日本のマスコミで起きているのでしょうか。  だんだんマスコミの中からも市場原理主義派の論調が下火になっているとしたら喜ばしいことです。しかし新古典派の原理主義者たちや米国のエージェントみたいな人たちは、この間の絶望的な社会実験の結果 . . . 本文を読む

毎日の記者さんへのインタビュー

2006年07月07日 | マスコミ問題
 前のエントリーで書いたように、私はアジア経済研究所の途上国研究奨励賞をいただきました。授賞式の後、毎日新聞の記者さんからインタビューを受けました。インタビューの内容は、もちろん私の研究内容に関してです。私がインタビューを受けた後、今度は逆に一ブロガーとして記者さんへのインタビューを試みてみました。その内容をご報告します。毎日新聞が護憲から改憲へと舵を切っていった過程などを聞くことができました。ち . . . 本文を読む

情報をねじまげ郵政民営化の本質を伝えないマスコミに抗議します

2005年08月13日 | マスコミ問題
 もはや日本のマスコミはなりふりかまわず、郵政をめぐる情報操作と露骨な小泉応援のキャンペーンを始めました。もはや私は絶望的な心境です。郵政民営化の背後にあるウォール街の意図を一切隠して報道しようとしないのです。  この露骨な選挙干渉によって、小泉が勝つ可能性は高くなってきました。きわめて残念なことであるとともに、私はこの国で生きていくことに対し、いまほど絶望的な気持ちになったことはありません。   . . . 本文を読む

マスコミは反省するかと思いきや・・・・・

2005年08月08日 | マスコミ問題
 マスコミは、あれだけドグマティックに、市場原理主義イデオロギーに依拠した郵政民営化キャンペーンを繰り広げたにも関わらず、遂に市民はその必要性を理解しなかったという事実を重く受け止めるべきです。真摯に反省して、良心があるのであれば、社説などで自己批判すべきでしょう。市民の良識が、強引な世論操作をしようとするマスコミ・キャンペーンを打ち破ったのですから、これは真に偉大な勝利だと思います。  そう思 . . . 本文を読む

状況は少し変わりつつあるかも

2005年05月18日 | マスコミ問題
 私がこんなブログを作ろうと思うに至ったのは、既存のメディアの主張があまりにもひどすぎるからです。例えば、郵政民営化問題に関しては、産経、読売、日経、毎日、朝日といった全国紙の各社社説が、見渡すかぎり「民営化支持」の一色であり、言論が「自主的に」統一されてしまっています。他にも、例えばFTAによる貿易自由化といったきわめてセンシティブな問題に関しても、大新聞はいずれも「FTA支持。日本の農民はわが . . . 本文を読む