ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式上場で、いよいよウォール街が大量の郵貯株を保有することになりそうだ。日本国債最大の保有者である両社が、安定して国債を消化することは難しくなってくる。財政破たんの危険性は一気に高まるだろう。日本国債の最後の頼みの綱はもう一つある。もっぱら資金運用を国債で行っているJAバンクだ。安倍政権が掲げる「農協改革」。もちろん、TPP交渉に関連して行われている日米並行協議などで「JA解体」を要求する米国の圧力を受けてのことだろう。それが「農業問題」だと思ったら大間違いである。本質は金融問題だ。米国(=つまりウォール街)の真の狙いはJAバンクとJA共済の資金だ。JAバンクまで外資に取られれば、いよいよ国債暴落は避けられない。
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原発を再稼働すれば電源立地交付金は増額。停止したままなら交付金減額。アメとムチを駆使して立地自治体へ再稼働への同意を強要。さらに「核燃料サイクル事業は継続」という戦慄の内容。まさに「電力モンスター・システム」ふたたび、である。
これじゃ全ての立地自治体は、背に腹は代えられずに、原発の再稼働を求めていくだろう。政府は、真剣に原発依存度の低下を言うのであれば、廃炉を決断した立地自治体への交付金を増額するなど逆のインセンティブをこそはたらかすべきであろう。
恐るべきは、官僚と電力会社のコラボレーションによる事なかれ主義の巨大無責任体制である。このシステムは若杉さんの小説の通り、ふたたびメルトダウンを起こすに至るのだろうか・・・・。 . . . 本文を読む
河川法に「住民参加」が盛り込まれたのは、全国各地の市民の願いと共に、亀井さんや尾田さんのような志のある政治家や官僚の意気込みもこめられていたのだ。尾田さんの話を聞いて、亀井建設大臣と尾田河川局長とのあいだに水魚の交わりのごとき信頼関係があり、その中で明治以来の大改正が行われたということはよくわかった。
しかしながら、現在、その改正河川法は機能していない。「関係住民の意見を反映させる」という第16条の条文は、ほとんどの一級河川の河川整備計画の策定において、ほぼ死文化してしまったといってよい。なぜそうなってしまったのか? その理由が知りたくて、私も尾田さんの話を聞いていた。
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対中関係が主要に念頭にある安倍首相に対して、宗主国の真の狙いは、対中ではなく中東地域等での自衛隊の活用である。それは日本がテロの標的にされるリスクを飛躍的に高めることになる。集団的自衛権をめぐる日米の思惑は同床異夢なのだ。
米国にとって、安倍首相の存在意義は、集団的自衛権の行使を可能にする法整備なのであるから、その法整備が終わった途端に「用済み」とされるだろう。狡兎死して走狗煮らる。
安倍首相にとって懸命な選択は、なるべく安保関連の法整備を難航させ、なるべく審議を遅延させつつ、自らの存在価値を宗主国に認識させることだろう。 . . . 本文を読む
アベノミクスを支持する方々が多く視聴している番組で、国土強靭化政策を批判させていただきました。
アベノミクスは、「岩盤規制の撤廃」という富裕層の市場原理主義者たちを喜ばせるスローガンと、「国土強靭化」という弱者にアピールするケインジアン的なスローガンをヌエのように折衷させることにより、双方の層の支持を得ようという巧みさを持っています。結局、その戦略が功を奏して、今回の選挙の勝利にもつながっているわけです。
しかし経済波及効果がなく環境を破壊するばかりの国土強靭化は、「財政の出し方」という点で間違っているのです。
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「スノーデンの行為をどう評価するか」を聞くと、21人中17人がその行為を肯定的に評価した。「悪い」あるいは「良くない」と答えたのは3人のみ。どちらとも言えないが1人。
*アメリカ政府からは反国家・反政府と思われているが、アメリカを愛しているからこその活動であったと思う。
*内部告発することでアメリカを変えようする意志があるのは良いと思った。
*CIAに狙われる可能性もあるのに暴露したのはすごく勇気のある行為だと思う。
*ふつう言いたいことがあっても、自分の生活が気になって話せないが、スノーデンは正しいことが言える人だと思った . . . 本文を読む
嘉田由紀子さん(前滋賀県知事)の講演会「研究者よ、政治から逃げないで!」を聞いてきた。あまりにも深い感銘を受けたので大急ぎ紹介させていただく。東京大学で行われた「もったいない学会」の招待講演であった。講演が終わるや否や、また選挙の応援で滋賀にとって返して行かれた。
この困難な状況の中、その闇を切り開くように、明るく、「ハイポリティクス(イデオロギー政治)」と「インタレストポリティクス(利権政治)」からの脱却、そして命と生活と子供たちの未来を守る「ライブリーポリティクス(命と暮らしの政治)」への転換を訴えていかれた。 . . . 本文を読む
AJER(日本経済復活の会)にゲスト出演して「グローバル資本主義の危機と社会的共通資本: 経済学者宇沢弘文が残したもの」というテーマで話してきました。宇沢先生を追悼する意味で、社会的共通資本について四回にわたって話しました。
AJERのホームページは以下です。
http://ajer.jp/
動画の全編は有料会員にならないと見れませんが、前半のみでしたら無料で視聴可能です。
携帯版
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選挙期間中なのに、選挙のこと何も書いていない。日々の仕事で追われて記事を書く暇もないのと、遺憾ながら自民党の大勝が目に見えて、抵抗する気力も失っているというのが本音。せめて自・公が改憲に必要な3分の2以上の議席を確保するのだけは回避できれば・・・というそれが唯一の願いだが、それも難しいのではと悲観的になっている。
民主党政権下でダム問題に取り組む中で、かなり国政の中枢を垣間見ることができた。 . . . 本文を読む
あまり知られていない人物ですが、実際には「日本の近代貿易の父」といって過言ではない人物が松平忠固と中居屋重兵衛です。この両名の失脚と「死去」、その後の政局に関して年表に整理して下さると共に、興味深い仮説を提示して下さいました。再掲いたします。水色が薩長公英さんの文章で、白地が私のリプライです。この両名の業績が正当に評価される日がくることを願ってやみません。松平忠固と岩瀬忠震と中居屋重兵衛は、貿易の推進と反・井伊直弼で利害関係が一致しており、一緒に何か計画を立てていたのかも知れません。忠固は、老中から失脚して国政に関与できなくなっても、中居屋と密接に連絡して生糸貿易を推進しており、また岩瀬などと共に国政に復帰する機会を伺っていたのかも知れません。それだけに、その直後の突然死がいよいよ不審なのです。 . . . 本文を読む