代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

ミルトン・フリードマンと宇井純の人生

2006年11月24日 | 政治経済(国際)
 私もこのブログでたびたび批判してきたマネタリズム(=市場原理主義)の教祖ミルトン・フリードマンが11月16日に94歳で亡くなりました。もっとも日本においては、「フリードマン死すとも、その影響力は死せず」という状況です。「フリードマンの遺産」に今も世界中で多くの人々が苦しめられ、場合によっては命も失っているのです。  私の子供の通う公立保育園と学童クラブも、行政が父母達と話し合うことなく一方的に民 . . . 本文を読む

本の紹介: 柳幸広登著『林業立地変動論序説 -農林業の経済地理学-』(日本林業調査会)

2006年11月16日 | 世界の森林問題
 ニュージーランド、チリ、南ア、オーストラリアなどでは農廃地や牧草地での人工造林が進み、人工材の供給国として台頭する一方、わが日本の人工林は相変わらず外材に押されてちゃんと利用されず、日本で消費される木材といえば海外から輸入される天然材(違法伐採材を多く含む)に大きく依存しています。これだけ地球温暖化や生物多様性の喪失が大問題になっているにもかかわらず・・・。  本書は、どうしてこういう理不尽で非合理な現象が起こるのかに興味のある方にお薦めの本です。ここまで地球生態系に悪影響を及ぼす非合理な行為がまかり通る現実を解明するための鍵となるのが、本書で扱う「地代」の概念です。 . . . 本文を読む

地方自治と廃県置藩論

2006年11月09日 | 廃県置藩
 江戸時代、ちょうど日本には300余の藩がありました。江戸時代の日本は300の独立主権国家の連合体だったわけです。加藤さんによれば「民主党は全国を300の広域連合自治体を中心とした分権化を進める方針を出している」そうです。これですとちょうど江戸時代の藩の数と同じになりますね。私としては、なるべく旧藩の領域に合わせるように300にするのが良いプランだと思います。地域の一体感という点で歴史的にもっとも無理がない形だと思うのです。  最近の広域合併で、わけのわからない怪しげな地名も誕生していますが、旧藩を復活させて、その名称に戻してしまうのが歴史的に無理がないように思えます。 . . . 本文を読む

金正日引退の可能性について(続報)

2006年11月06日 | 政治経済(国際)
 10月28日の本ブログの記事「北朝鮮問題のブレークスルー」についての続報です。まず「るむもまんく」さん、「メンフィスからの声」さん、反応して下さいまして、まことにありがとうございました。それから大変にうれしいことに、日中友好のために多年にわたって活躍されている経済学者の凌星光先生(元中国社会科学院世界経済政治研究所研究室主任、福井県立大学名誉教授、日中関係研究所所長)が、「逃散政策」についての感 . . . 本文を読む