非常に重要な情報がケルシー教授からもたらされた。TPP交渉で日本の「為替操作(currency manipulation)」が大きな問題になっていると。アベノミクスの金融緩和で、「日本は意図的に円安誘導して、米国の製造業に打撃を与える」と、米国の製造業界が怒っている。「TPPに、為替操作を禁止する条項を加えるべきだ」と。つまり日本が異次元の金融緩和を続ける限り、日本はTPPには参加できなくなる。安倍政権としては金融緩和を取るかTPPを取るかの選択を迫られる。日本が円安誘導の為替操作をすれば、アメリカは対抗措置として報復関税まで示唆している。これも交渉がさらに難しくなる要素になる。 . . . 本文を読む
シャルリエブド事件について。「人々はユーモアの知性を知っている。テロリストにはユーモアがなかっただけだ」と、再びムハンマドの風刺画を掲載。私は、この発言と風刺画を見て凍り付きそうになった。全く笑えない。これで笑える人なんて、よほどどうかしているとしか思えない。
フランスの風刺文化は尊重する。しかし自分たちの文化的基準を絶対化してはいないか。その行為によって、自分たちは笑えたとしても、違う文化圏に属する人々が傷つくのであれば、控えるべきでだ。ユーモアの基準だって、文化ごとに違うのだ。
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「就活自殺」に加えて、「就職できたけど卒業できなかった自殺」が追加されます。文科省、まるで韓非子のようです。人間を管理し、統制することしか考えない。これで日本経済が良くなるわけないです。効率的に知識を詰め込んで模倣だけすればよかった明治時代とは違うんだから、大学生時代に一つのことにじっくり取り組むような時間的ゆとりを持たせた教育をしなきゃ、新しい技術・製品・経営のイノベーションなんて出てくるわけがありません。しかし薩長土肥藩閥文部官僚の末裔たちは、まだ明治時代の発想で教育しようとしています。 . . . 本文を読む
現在の「自共対決」という構図はじつは「長州右派」と「長州左派」の闘いなのかも知れない。双方が闘いを演出しながら、全体として「日本型官僚制」という明治以来の長州システムを支えていく。実際、霞が関の官僚制と日本共産党の官僚制はかなり親和的なように見える。霞が関は共産党が政権に加わるのをそれほど恐れる必要はないのではないか。案外うまくやっていけるのではないかと思う。吉田松陰門下の品川弥二郎が支配した内務省の流れをくむ国交省の人々などを見ていると、個人としてはそのプロジェクトに異論があっても、組織の方針が決まったからには、絶対的にその方針に従う。傍目で見ていて、「これは共産党の民主集中制と同じだなぁ」と思ったものだ。 . . . 本文を読む
私も十分に分からなかった問題であった。日本の今日の惨状をつくり出したのは、米国からの圧力の問題なのか、それとも明治以来の官僚制の問題なのか、どちらがより本質的な問題なのだろう・・・・? と。 脱長州史観キャンペーンを始めたのは、明治維新クーデターによって成立した日本の官僚独裁の方が問題の根としてより深いのではないかと漠然と考えたからであった。本書はこの難問を、「自発的隷属」という概念で見事に解き明かしている。目からウロコが落ちる思いだった。 フィリピンは、米国従属のマルコス独裁政権を1986年に打倒し、1987年に憲法を改正し、憲法に基づいて、1991年の米軍基地貸与条約の期限切れに合わせて米軍基地を撤去した。日米安全保障条約が、日本を支配する最高法規として日本国憲法の上に君臨しているのは、日本人の選択なのだ。私たちが、これ以上の宗主国への服従によって引き起こされる惨禍を望まないのであれば、日本人は自らの意志でそれを拒否することは可能なのである。本書はそのことを明快に明らかにしている。
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自発的にB層になるのを選択することが、自己防衛手段になっています。私は、何とかC層を育てたいと思っています。もちろんC層化する学生もいますが、「擬似A層」になるか「B層」になる方が多いのが現実なのではないでしょうか。
「擬似A層」というのは、私の勝手な造語です。「一流企業に就職するためには日経新聞を読め!」なんて周囲から言われて、一生懸命に日経新聞やビジネス誌を読んだりしているうちに、自分の妄想の中で「勝ち組」になったような気になっていく人々です(実際にはなかなかなれないのですが)。「妄想勝ち組」化すると、「日本が生き残るためにはTPPしかない!」とか、「強い者が生き残るのが市場原理だ!」なんて平気で言うようになっていきます。こうした層に対しては、「本当のエリートは、決して弱者に対する配慮を忘れないものだ」と諭すのですが、なかなか・・・。
ちなみに、私の括りの中で、「C層」とは真正保守と左派・リベラルの双方を含みます。市場原理主義・新自由主義を批判し、かつ人種差別をしない人々すべてです。
B層ネトウヨに対しては、とにかく真正保守になるように指導します。真正保守は、決して排外主義を煽らない、人種差別をしない、日本の品格を汚すようなヘイト・スピーチを垂れ流さなない。「保守なら日本を貶めるな、恥を知れ!」と。 . . . 本文を読む
今後の日本のあり方は間違いなく以下の方向性にある。焼け跡になり放射能でさらに汚染された後にこれを選択するのか、焼け跡になる前にこれを選択するのか、日本人は試されている。
① TPPから離脱し経済主権の回復を:
経済主権を回復し、安定した国民経済を取り戻す。これこそ戦争を回避し、国際平和を可能にする、グローバルな課題であろう。
② 中央集権体制から地方分権体制へ:
400年前の元和偃武後、日本は必需品の自給体制を整え、各地域ごとに安定的な物質循環システムが生まれた。地域ごとにエネルギーと食料の自給率を上げて、地域の循環経済を復活させねばならない。
③ コンクリート・ケインズ主義から社会的共通資本へ:
未来のない国土強靭化という名のコンクリート・ケインズ主義路線を終わらせる。地域ごとに多様な社会的共通資本の整備を通してこそ、経済不均衡と格差の拡大を是正することが可能である。 . . . 本文を読む