去る12月13日、戦後の米国を代表する経済学者ポール・サミュエルソンが亡くなりました。ちょっと遅れましたが追悼文を書かせていただきます。私から見て、サミュエルソンの業績を一言で評せば、「経済学に非科学的な方法論を導入するのに貢献した第一級の人物」ということになりましょうか。サミュエルソンご本人を送ると共に、サミュエルソンの遺した悪しき方法論そのものも送ることにいたしましょう。
私のような非経済 . . . 本文を読む
普天間の移設先としては、日本国内のどこを提示しても地元の人々は大反対だろう。どこの代替地を提示しても、みな「イヤ」の大合唱が起こることになる。代替地が見つからない限り、普天間基地の移設問題は決して解決しない。鳩山首相は米側に対し、「米軍が何故こんなに嫌われるか分かりますか? 騒音だけじゃないんです。日米地位協定があるから基地周辺の住民は安心できないんでしょう」と訴え、日米地位協定の改定交渉に持ち込むべきなのだ。地位協定改定という外交成果を上げることができれば、沖縄県民の負担は大幅に軽減されよう。その成果と引き換えに、最悪、移設先が沖縄県内になったとしても、沖縄の人々も納得してくれる可能性もあろう。 . . . 本文を読む
この間の「アメリカを怒らせたら怖いんだぞー」という報道はかなり効果的に効いているのではないかと思われます。私の予想通り、「国外」は大幅に減りました。県外が相当に増えたのは、グアムの知事が反対していること、一方で橋下知事が関空の受け入れの可能性を示唆しているという情報が効いたのかとも思われます。
しかしながら、相変わらず辺野古の支持率は低かったのです。これは驚きでした。「辺野古しかない」という読売の社説を読み、他のマスコミの社説もだいたいこれと同じだと伝えた後でも、なおかつ沖縄に造るのはよくない、ましてやジュゴンの生息する辺野古沖はよくない、という意見が多かったのです。 . . . 本文を読む
辺野古案を拒絶しても、日米関係が崩れるなんてことはありません。フィリピンは、1991年議会の議決で全米軍基地を撤去させましたが、その後も米国との友好関係を維持しております。アメリカの恫喝に屈せず、民意にのっとって基地を撤去させたフィリピンの姿を、リベラルな米国人はむしろ尊敬の念をもって評価しております。それに対して、日本がここで恫喝に屈すれば、米国人はますます日本を舐めてかかるようになり、さらに将来にわたって無理難題を強制してくるのです。ここが踏ん張りどころです。ここで恫喝に屈しては、せっかくの政権交代も元の木阿弥です。
. . . 本文を読む
EUも米国も自由貿易に後ろ向きになる中で、世界で最も積極的に先頭に立って自由貿易の旗を振っているのが、以前は国家管理貿易を続け、数年前までWTOにも加盟していなかった社会主義国の中国という笑い話のような状況になっています。しかし中国を説得するのはそう難しいことではないでしょう。次のように言ってやればよいのです。
「あなたの国はナニ主義でしたっけ? 一緒に『資本論』を読み返しましょう。『資本論』のどこに自由貿易はすばらしいなどと書いてありましたっけ?」と。
つい最近まで「万国の労働者団結せよ」と威勢よく叫んでいた国が、万国の労働者を総ワーキングプア化させるのを先頭に立って推し進めてよいわけはないのです。アメリカは、「民主化」だの「人権」だのと押しつけがましく言わないというのと引き換えに、中国が社会主義の原点に返って国際的な労働者保護のために自由貿易を修正するという道を、共に模索すべきなのです。 . . . 本文を読む